来週の予告

2005年5月3日 スポーツ
今週に関してはスーパーバイク世界選手権のモンツァに
行くことが決定していますが、ここで来週の予告を。

来週のプラハでは男子の10万ドルのチャレンジャー大会と
女子の14万ドルのツアー大会が男女併催大会として行われます。

私の定宿から徒歩で20分ほどのところで行われる大会で
昨年までは男子のみの大会でしたが、今年は男女併催での
イベントとなりクレーコートシーズンの最中、多くの
プレイヤーが出場します。その中の一人にドキッチがワイルド
カードを得て参戦するとしりかつての世界四位を生で見られるなと
喜んでいます。

ということでプラハのネット屋から来週はプラハオープンの
レポートをお届けする予定です。
マウリツィオとパオロ・フラミーニ氏の父親である
ファウスト・フラミーニ氏がお亡くなりになりました。

モータースポーツに対する愛情を持ちつつ息子達の活動に
目を細めていたファウスト・フラミーニ氏に死に接し、
フラミーニ家の皆様に心から哀悼の意を表したいと思います。
日曜日のMotoGPの中国GPを見ていて、オリビエの
過去の戦いのことを思い出していました。彼の勝利に喜んだ
97年のオーストリア、250のタイトルを決めてフランスの
ファンが喜び、中野ファンが落胆した2000年のオーストラリア
など彼の戦歴の中で印象的なレースがありますが、今日は彼の
レースの中で私にとってアンフォゲッタブルなレースを書いて
みたいと思います。

時は98年シーズン。アプリリアは原田、ロッシ、カピロッシを
擁してヤン・ウィットーベンの自信作を投入。対するホンダは
ジャック、ぺルジーニ、宇川、青木治親というメンバーで野心に
満ちたNSRを制作しシーズンに入りました。

しかしながら、このホンダの250マシンは結果的には失敗作と
呼べるものでアプリリア三人衆の強さと速さが際立つシーズンと
なりました。

強いアプリリアに立ち向かうオリビエ。最高速、コーナーの脱出
スピードなど戦闘力の差は明らかでそのマシンの差を埋めるために
彼や他のホンダライダーはスリップに何とか潜り込んだり、コーナー
で頑張ってタイムを稼ぐ走りをしていましたが、その頑張りが
限界を超えてムジェッロの高速コーナーで彼はとんでもないクラッシュ
を起こしてしまいました。

翌日の決勝は足の痛みを押して出走したものの痛みがやまず
あのあきらめの悪いオリビエがピットインするなど精彩の
ないレースとなり主役にも脇役にもなれずに翌週の彼の地元の
フランスGPとなりました。

レースウィークのポールリカール。サーキットに到着し私の目に
入って来たオリビエの姿は何とも痛々しいものでした。私と彼は
96年のインドネシア以来会えばオープンに何でも話すような
仲ですがさすがにこの時は『お前、本当に走るつもりなの』という
言葉を飲み込み、そっとしておくのが一番だと何も話さずにいました。

案の定、金曜日の予選、土曜日の朝と身体が言うことを聞かずに
才能とはかけ離れた順位とタイムをマークしていたオリビエ。
アプリリアの三人の強さのみが目立つまま時は流れて二回目の
予選に。やはり、今回は無理をせずに身体をいたわりながら
できるだけのポイントを稼ぐ週末になるなと思っていました。

そんな風に思っていたのは私だけでなく、サーキットに来た彼の
ファンも世界中のレースフリークも思っていたはずでした。

そんな中私の耳に入って来たレースアナウンサーの絶叫は
『我々のオリビエが五番手のタイムを叩き出し、さらにタイム
アタックだ。』というもの。私の話す言葉で一番下手なのがフランス
語なので一瞬聞き違えたのかと思いタイムモニターを見ると、本当
に彼は五番手にタイムを上げていました。

さらなるタイムアップはならなかったものの、彼の足の状態を
知っていた私は彼の痛みを押しながらの快走に生まれて初めて
予選を見て涙がぼろぼろこぼれてしまいました。

そして翌日、原田、ロッシ、カピロッシはアナザープラネットの
世界でトップ3を形成し走る中、ノンアプリリアクラスの戦いを
するオリビエとホンダ勢。地元のフランスのファンが見守る中
大胆な周回遅れのライダーの処理と高い集中力を発揮して、四位
というマシンやライダーの状態から考えられる最高の成績で
チェッカーフラッグを受けた時、ポールリカールは大歓声に
包まれました。

ウィナーは原田。しかしヒーローはオリビエというこのレースを見て
私は泣いていましたね。彼のキャリアを語る上で外せないレースで
あり、彼のライダーとして必要とされる精神的な強さを世界中の
レースファンに示したグレートレースだったと思います。
motogp ロッシ9
金曜、土曜と決していい状態ではなかったが雨という状況
の変化をすぐに味方につけて勝利に結び付けた試合巧者ぶり
はさすがに王者。

ジャック 9
半年ぶりのMotoGPライド。初めてのカワサキ、
BSタイヤ。学習や慣れといったものが必要な道具が
そろっていたなか雨中のコンディションのレースを
勇敢な走りで終始前を走るマシンを追いかけての大殊勲
の二位は立派。ウィナーはロッシ。しかしヒーローは彼で
あった。

メランドリ 8
あきらめずに走り三位表彰台。最速ホンダライダーだが
攻撃が遅かった感あり。

ジベルナウ 7.5
勝てなかったら二位、それがだめなら三位という彼の
気持ちが画面から伝わって来たが道具が音を上げてしまった。

ビアッジ 6
予選の順位が悪すぎたのが悪夢の始まり、しかしあきらめの
悪さは健在でだめな時なりに頑張ったのはさすが

グールベルグ 7
初めての4ストMotoGPマシン。ミシュランタイヤ、
スペインからの移動など勉強すること、しんどいことが
多かったが雨中の実力を発揮したのはさすが。

250 ストーナー 9.5
見事な走り。アグレッシブさ、確実さ、ハートは熱いが
頭はクールにレースをまとめた速さと堅実さを感じさせた
グッドレース。

ドヴィツィオーゾ 8.5
よく追いつめたが抜くにはいたらなかったのでこの点数

青山 8
ウィナーになるにはレース序盤でのペースや一発での
速さが必要だがこれがこれからのシーズンで解消され
たらこれから楽しみ。

ぺドロザ 6
何かが足りなくて、何かが欠けていた日曜日。

125 パジーニ 9.5
速いが転ぶ、トップグループで争う時はミスをすると
いう昨年からの成長を見せてくれたレース。気持ちで
負けなかったのが今回の結果に結びついた。

ライ 9
初優勝は次回以降になってしまったがよく走り、
よく守ったレース。次回は勝ちましょう。

タルマッチ 8.5
キャリア初の表彰台。チームメイトに先行を許して
いた今季だがよく集中して走り、前回のクラッシュの
心身両面のダメージを払拭する快走。残り二周での
ミスは痛かったがこれからが楽しみ。

ルティ 7
本調子ではない時でも出来る限り上位で走りポ
イントを取って来たのは立派。

ポッジャーリ 4
2タイムスワールドチャンピオンがこんなところを
走っていてはいけません。

その他ライダーではないですが

ブリヂストンタイヤ 10
序盤のスズキの快足ぶりに寄与したのはブリヂストン
の靴であり、ジャックを支えたのは雨に強いと定評
の日本のタイヤであった。山田宏リーダー以下の
開発スタッフの皆様に満点を。

トッティトップスポート 10
昨年の秋にバルベラを失い、セードルフに別れを
告げられ、コルシに本契約寸前で去られた時にはこ
んな日が来るとは思えなかった。

今季の参戦に向けてスポンサー交渉、メーカーとの
会談、ライダーとの契約など動き回りトッティトップ
スポートという名称での活動継続となり体制を整えて
今季参戦し上海で美酒に酔った焼き鳥好きのマリオ
を始めとするイタリア人スタッフ達のあきらめの悪さ
と仕事ぶりに強い敬意を込めて満点を。

pagelle a monza

2005年5月2日 スポーツ
SBK 9 アルフォンシ
最初から最後までよく集中していた。ラストラップの
バラボリカでのグラミーニの仕掛けに動じることなく
トップを守って勝ったのは見事。

9 グラミーニ
ヤマハフランスのガルシアが信頼を寄せるテスター
であり、昨年のイタリア選手権SBK王者が今回
モンツァを走ったのは土曜のみ。しかしそれなりの
タイムを叩き出して予選を戦い、優勝を争ったのは
見事。

8、5 ぺデルチーニ
ドゥカティの骨太のサウンドを響かせての優勝争い。
ダンロップユーザーである彼は来週のピレリタイヤ
での世界選手権はどうか。

7 ヴィッツィエッロ
土曜日最速。一発の速さには瞠目。エンジンブロー
がなければ勝てたかも

6ボルチャーニ
ヴァッレルンガのウィナーは今回チームメイトの
アルフォンシに遅れを取ってしまった。

SS 10 フォレ
世界チャンプは他のライダーを全く寄せ付けずレベル
の高さを見せ付けて圧勝。次回ここを走る時は
テンカートホンダライダーの開幕四連勝を止める
ために走る。

9 サンナ
かつてのGP125ウィナーは現在イタリアでCBR
を走らせるが速さは変わっていない。ノンフォレクラ
ス最速で才能を見せてくれた。

8.5 クルチャーニ
あわただしくライトスピード入りを発表しコンスタント
にタイムを出してチームメイトを常時上回ったのは立
派。日曜日の午後には最後にジュウゴバスを攻略し
知り合って間もないチームに表彰台をもたらした。

7 ジュウゴバス
タイトル候補と目されながら2レース続けて表彰台
がなかったのはマイナス。

6 ゴイ
予選は着実にタイムを上げてきたが決勝で三位
争いを出来なかったのは残念。
日曜日の朝のイタリアというのは中国では午後にあたる。

ということで朝から各ピット、ホスピタリティはイタリアの地上波
のイタリアウーノか衛星のユーロスポートが流れている。私は
チームアブルッツォジュニアチームでマウロ・ノッチョリ、
サンドラ・ノッチョリの解説つきで見ることとなった。

雨の上海は空がどんよりとしているがここは快晴である。
朝の九時から各クラスのウォームアップが始まり、全ての
クラスのセッションが終わり、ヤマハ、カワサキの600の
バイクを使ったレースが行われた。その昼の間に食事をし、
レースに向けた会議やらセットアップをしているが話題の中心
は今日のMotoGPのレースである。

そんなこんなイタリアのレースファンの暑さや磁場を感じながら
125、STKとレースが行われる。残念ながら映像はコントロール
ビデオなのでテレビ放送のようにきれいに各ライダーを映してくれ
ない。皆画面を凝視して肩に力を入れて映像とタイムモニターを
にらんでいる。

さて、SSのレースであるがこれはフォレが快勝。来週のモンツァ
に弾みをつけたレースとなった。本来彼と優勝を争うファブリッ
ツィオはすでにローマの自宅のほうに帰ってしまったので一人
でのイージーランであった。

二位にサンナ。三位は最終ラップまでもつれたがパラボリカで
の勝負に勝ったクルチャーニのものとなった。

SBKは序盤ヴィッツィエエッロ、アルフォンシとグラミーニの
バトルであったがヴィッツィエッロのエンジンが白煙を吹き、
リタイヤ。残り二人のバトルは最終ラップの最終コーナーで
グラミーニが勝負をかけたがこれは失敗に終わり、アルフォンシが
トップを守ってチェッカー、二位がグラミーニ、三位がぺデル
チーニという結果になった。

四クラスにサポートレースがあり一日中楽しめていたが、
やはりSSとSBKが世界選手権との距離的な近さや走っている
ライダーの顔ぶれなど面白味のレベルが他のクラスに比べて高
かったですね。今季どれくらいいけるかわかりませんが、また
行ってみようと気にさせてくれるレースでした。
ラジオのニュースではイタリアに春がようやくやって来たと
いう声が流れている。早朝以外は日なたでは暑い天気の
モンツァである。

ミッシェル・ファブリッツィオのファンクラブの連中が今週末の
MotoGPの中国の玉田誠の代打が何故我々のミッシェル
ではなくてグールベルグなのかと意見を求めてきた。私の答え
というのは今年ファブリッツィオがやらなければいけない仕事
というのはWSSのタイトルを獲ることである。それゆえに
ヴァレンシアの後、ここで実戦を兼ねた走行を行いデータを
取り、来週に備える。早くこのクラスで勝利を収め、その数を
増やし、タイトルを目指すのが重要であり、そういった契約が
あると思う。

そういった部分でドゥカティのWSSのチームを離れたグール
ベルグは来週レースがないし、他のチームやメーカーとの
縛りもないので話を進めやすかったはずだというものである。

チームアブルッツォジュニアチームに行くと、かつてフーレシュ
のマネージャーだったアンディが来ていた。私とチェコ人ライダー
とドイツ人の彼とはイタリア語で話をしていたが、やはり今回も
イタリアのチームということでイタリア語である。このチームの
若いライダーの面倒を見ているとのことであった。

サポートレースのR6カップやニンジャトロフィーのセッション
がかなりあるので色々な人と話しをするが、今回メガバイクで
フォレ、ファブリッツィオと共にティベリオが参戦している。
このフランス人の若者は先週のヴァレンシアの新設のユーロ
STK600を制した元気のいい奴だが名前からするとラコニや
アレジといった連中のようにイタリア系かなと思っていたら
やはりイタリア語は上手であった。まぁ、私と話す時はフランス語
でチーム内ではイタリア語で通していた彼であった。

予選であるが、SSにおけるフォレの速さはアンタッチャブル
である。二番手に元気者のサンナ。三番手がファブリッツィオで
あるが、彼は足の怪我が治りきっていないので日曜日は出走を
見合わせて来週の世界選手権のモンツァに備えるとのことである。
クルチャーニ、ゴイ、アントネッロと続いた予選であった
ということでバイオッコは木曜日から一緒になったばかりの
クルチャーニに先を越されてしまった。

今季のタイトルはミッリョラーティ対ジュウゴバスという予想が
されていたが、ミッリョラーティは二ヶ月お休み、そしてジュウゴ
バスは今回何と予選十番手ということで混乱が予想される展開で
ある。

SBKはヴィッツィエッロがトップタイム。路面温度が上がった
午後はSSもそうだがなかなかタイムアップができず朝にいいタイム
を出した連中がグリッド上位を占める展開となった。当然ぺデル
チーニ、アルフォンシ、ボルチャーニなどはその中にいる。そんな中
昨日走らなかったディフェンディングチャンプのグラミーニが
急に走る気になったのか、走れるようになったのか出走し
八番手のタイムをたたき出していた。

世界と国内選手権のつながりが強いこのクラスに関しては非常に
強い関心が集まっていることを意識した土曜日の午後だった。
四月二十九日

イタリア選手権というのは125GP,1000STK,
SS,SBKの四クラスで行われるが、選手権は掛かっていない
もののサポートレースにR6カップにニンジャトロフィーが
開催される。ヨーロッパにおけるスーパースポートクラスバイクの
売り上げというのは高いものがあるが、このクラスのバイクが
売れているからこういったレースが開催される。先週のヴァレンシア
のスズキGSXカップという600のバイクのPR活動というの
は各社とも熱の入ったものがある。

ということで夜中から早朝にかけて、こういったサポートレース
参戦のライダーやメカニックも到着し、かなりにぎやかになった
パドックである。日曜日の料金がパドックに入れて10ユーロ。
まぁ、観客席でレースを見るがパドックにもやってきて雰囲気を
味わいたい人にはいい選手権である。

今日金曜日はここではフリー走行と車検のみで予選は明日の朝と
午後である。まだまだのんびりしたムードがサーキットを
包んでいる。

ミッシェル・ファブリッツィオが到着。彼も今週ここで走るが
開幕戦と三戦目が同じマシンのユーザーであるテンカーテが
1ー2フィニッシュ。その次のホンダライダーが彼らということ
もだが、来週は地元イタリアである。彼らのチームのサスペンション
はショーワだが、エンジニアが付きっ切りである。色々と試したい
ことややってみたいことがあるのだろう。同様にライトスピード
はカワサキだがここにはホワイトパワーのウェアを着たスタッフ
が張り付いている。

サンナ、スカルビーニ、トルトロッリョ、ブローラといった
連中と久しぶりに顔を合わせる。サンナ、スカルビーニの二人が
いたころのGP125はベテランと新鋭がしのぎを削るエキサイ
ティングで面白かったが、昔ほど今のGPの125に面白味を
感じないのはやはり実力以外に年齢とか国籍で世界選手権の
エントリーを認める要素が強いことだと強く思う。実力があるが
国内選手権をしている二人を見て改めてそう思う。

セッションについては気合の入っているフォレのタイムは他
を圧倒していた。ファビアンは他の誰より一秒速かった。さすが
世界チャンプである。他に目立ったのはサンナのタイムの出方。
一発の速さにもともと定評のあった彼であるがいいタイムを出し
ていた。ゴイ、バイオッコと続きファブリッツィオは五番手。

SBKに関してはヴィッツィエッロがエンジンの水温上昇で
ピットインしてまともに走れず、残念な結果に。初日トップ
はぺデルチーニ、ブリニョーラ、コンフォルティ、ボルチャーニ、
今回ここを走るカルドソ、ヴィッツィエッロの順であった。

SBKの昨年の王者のグラミーニが来ていたが、どういうわけか
走っていないし、ピットはスタッフオンリーとわざわざ張り紙が
してあった。R1の開発というのは彼がしているらしいが
イタリア選手権で初日の金曜日でファンが押しかけるという
感じでもないのに結構ナーバスになっている姿を見て、R1
の開発に関する力の入れ方を感じた私だった。そこにイタリア人
ジャーナリストのジョバンニ・ザマーニ登場。彼も上海ではなく
こちらを選らんで来て取材をしていた。アジアの国といっても
秋口にレースが開催されるトルコと中国では距離が違うなと実
感する我々である。
四月二十八日

大須では縁日で、名古屋にいたら必ず出かけておいしいたいやきと
味噌串カツを食べているのでしょうが、ミラノでネット屋にいったり
中華屋に行った後に夏時間でまだ明るく暑い夜というより夕方の
七時にサーキットに入りました。

おととしのイタリア選手権の最終戦の全てのクラスのチャンプ
決定戦となったヴァッレルンガ以来のイタリア選手権である。
パドックに入るとMotoClubTORDIの皆さんと会い、
彼らにすぐに勧められてビールを口にする。そこに姿を現した
のがマウロ・ノッチョリである。私は今週てっきり上海に行っている
ものだと思っていたが、ここに来ていてびっくりしてしまった。
アプリリアの125でアブルッツォジュニアチームでイタリアと
スペインの国内選手権をやるとのこと。

チームライトスピードで荷物を預かってもらって、ロレンツォーニ
バイレオーニの人にあいさつして、しばらく歩いていたらイタリア
メガバイクで世界選手権に参戦しているファビアン・フォレと
顔を合わせる。来週の世界選手権をにらんでの実戦テストという
意味合いでの参戦であることは明らかである。

私はてっきり同じような考え方をしている人が多いと思っていた
のだが、PSG1に行くとストック選手権だけらしいし、ベルトッキ
はSSのアントネッロのみでSBKはやらないと知り少々驚く。

DFXTREAMはと言うとこれがダンロップタイヤを使って
この週末戦うようだし、ぺデルチーニもレギュラー二人が出るが
これもアングロジャパニーズタイヤである。

チームアブルッツォジュニアチームのガレージに行くと、マウロ
の奥さんのサンドラが駆け寄って来てくれた。何でも例の鉄道
事故の影響を受けていないかかなり心配していてくれたらしい。
ヨーロッパから名古屋のエアーがエールフランスとルフトハンザ
のみで私が大阪発着を使っていることをよく覚えている人である。

昨年のGPの125、250を各クラス二人ライダー体制で
走っていたチームアブルッツォでかなり世界を廻っている人数
が多かったが、今季はあのチームは各クラス一人ということで
このジュニアチームで働いているスタッフで昨年ムジェッロや
もてぎで顔を合わせた連中が多い。マウロの話では長い間この
業界でやってきてオリジンに戻ったという話であるが、彼ほど
の人間がイタリアとスペインの国内選手権をやるだけというのは
もったいないというか残念というか、つまらない気がする私
である。

その後、ライトスピードに行き、今週末このチームで開幕戦で
大きな怪我を負って二ヶ月何もできないミッリョラーティに
代わってカワサキの600にまたがるのがクルチャーニで
あることを知って食事を頂きぐだぐだ話して寝ることにする。
忙しい日本人を確実にタイムロスなく移動させる日本の
鉄道事情というのは本当に素晴らしいものがあります。

しかし、それを成し遂げるには本当に携わる人たちの
超人的な努力と同時に管理とか非人間性とが必要でそれに
よって分刻みのタイムテーブルができている気がしますね。

何だか日本を離れて今回の鉄道事故を見ていて、日本だから
こそ、そして日本人だからこのような痛ましい事故が起きて
しまった気がします。

物的な原因と同時に考えなければいけないのはこの事故を
起こしてしまった運転手やJR西日本社内を包み込んでいた
空気や雰囲気といったものだと思います。
火曜日水曜日とモンツァでSBKのテストがありました。
私がベルガモの空港に着いたのが三時半ということで
とても行けそうになかったので、ミラノのユースホステルに
行った後、コルソリマ近くのネット屋でドラゴンズのことや
日本のニュースなどをチェックしていた次第です。

テストが終わり、今週末はイタリア選手権の二戦目のモンツァ
ラウンドとなります。SBK,SSなど世界選手権参戦している
ライダーやチームもいいテストチャンスだと捉えて出走しますが
最新のニュースではどうやらイタリアメガバイクホンダも
参戦するようです。これがまた、一台ではなくて、ミッシエル・
ファブリッツィオもファビアン・フォレも二人とも走るよう
です。

ホンダ勢の中で世界選手権でオランダ人チームのライダーの後ろ
姿を眺めている今季ですが、地元での戦いを前に相当気合を入れて
準備するというのが見てとれます。

アレッシオ・コラーディと共に世界選手権にやってきて、
ヤマハで活動して、昨年からホンダにスイッチしましたが、
ホンダの600が勝ったというとすぐにテンカーテを思い浮かべる
ほどダッチチームの強さは際立っています。そんな状況はよくないこと
であるとあのチームのスタッフはかなりの危機感を持っている
ことの表れがこの世界選手権一週間前のイタリア選手権参戦で
あるように思えてなりません。かなり急な参戦決定でしたしね。

この週末、楽しみにしたいと思っています。

ドゥカティのSSのグールベルグの後釜などの発表はイタリア
選手権の決勝までにはされるのではないかという話が出ていますが
どうなることかwait and seeです。グールベルグが怪我の
玉田のピンチヒッターにMotoGPの中国を走るという
話がありますが、スペインではヴァーミューレンやノイキルフナー
の名前が挙がっていました。
先週末、私はスペインのヴァレンシアに行っていて、
フェドカップウィークでしたが、現場で試合を見ることが
できませんでした。

昨日、電話で我が親愛なる友デヴィッド・ハヴェルと話をする
ことができて二日間、すべての試合を現場で見ていたからから
話を聞いた後リザルトを見ながら思ったことを書いてみたい
と思います。

デヴィッドの話ではクレーコートというサーフェースながら
中村は多くのチェコ人が過去の戦績やランクから想像していた
以上のパフォーマンスを発揮したようです。驚きを感じながら
彼女のプレイを評価していたようです。

フェドカップというのはシングルス4、ダブルス1の計五試合で
勝敗を争いますが、キーになったのはダブルスでした。

デビスカップのアメリカ対クロアチア戦でもそうでしたが、
ダブルスをどう戦うかというのは現今のツアー事情から考えて
なかなか難しい気がしますね。

かつてジョン・マッケンローが現役時代、彼はダブルスもプレイ
していました。80年代前半において同じ時期のトップ10
プレイヤーでダブルスをしていたのは彼とロスコー・タナー
ぐらいでしたが、その理由を彼らのライバルは『ジョンは
練習が嫌いだからダブルスに出ているんだ。』という見方を
していました。

マッケンローは『実戦こそが最良の練習で、そこで腕を磨く』と
いう考え方だったようです。(そんないわゆる練習嫌いのマッケン
ローにもっと練習するように言われたルコントは本当に練習嫌い
で才能だけでツアー生活を送っていたのでしょう。)

現在のツアーでは積極的にシングルスもダブルスも出る人が
少なくなっていて、ダブルスに出るにしても、エンジョイメント
として捉えて出場している人が多い気がします。まぁ、それは
確かに楽しめる部分が多いと思います。試合中笑顔がこぼれる
のも明らかにダブルスの方が多いと思います。

となると、国の名誉を背負って戦うという大会でなかなか
優れたダブルスペアを組んで背中を押すというのは難しい気が
しますね。

ダブルススペシャリストとしてツアーを周っているプレイヤー
があれば、そのペアを出すか、天性のネットプレイヤーを
出すしかないのでしょうが、アメリカがデビスカップで
ダブルスのスペシャリストで確実に計算していた試合を落としたら
ショックは相当大きかったことでしょう。

まぁ、ダブルスで勝敗を決する前にシングルスで簡単に
片づけることができたら監督は悩まなくてすむのだろうなと
外側から見て思った私でした。

デヴィッドいわくチェコチームの勝因はサーフェースと
応援だったということです。
昨年までMotoGPの250ccクラスに参戦していた
スウェーデン人のスティゲフェルト。今季から自らのチーム
でWSSで活動することになった彼に直撃インタビュー
(文責yasumarzo言語英語)

yasumarzo(以降yasu)どうですか、新しい冒険は。

stigefelt(以降johan)期待感で一杯だよ。

yasu 今まで2ストの250を走らせてきたけれど、4ストの
600ということだけど、どんなインプレを持っているの。

johan このバイクはすごくいい。走らせてみて、すぐに速さを
感じさせてくれるバイクだと思ったよ。

yasu カテゴリーは違うけれど、世界選手権に出走するライダーと
いうのはある程度の差はあっても、才能とか実力を持っている
と思うけれど、昨年までいた250ccクラスというのは
ワークスマシン の数というのは限られていて、それに乗る
には実力以外の国籍とかスポンサーの有無といったものが
あって、、、

johan それでまぁ、ワークスマシンに乗ることができずに、
市販マシンに乗っていて道具の違いを馬力とかコーナーの
脱出スピードとかでまともに感じていたんだ。同じメー
カーのロゴが入っていたマシンだけどね。

ところがこのWSSというクラスは確かにポリティカル
なものやらも存在するけれど少ないし、今回このホンダの
600のバイクを走らせてみてリアルに戦えるなと感じ
ているよ。
このCBR600というのは本当にいいバイクだ。

yasu それだったら乗っていても楽しいだろうし、モチベーション
も落ちないよね。ライダーとしての力量が一緒でも道具の差で
順位やタイムが違ったら長いシーズンいくらファイティング
スピリットを燃やしていてもなかなかそのテンションを持続
するのは難しいからね。

じゃあ、今季の君には期待していいね。

johan もちろんだ。

yasu 次のモンツァから知らないサーキットが続くけれど。

johan 慣れれば大丈夫だと思う。とにかくこのバイク、このチーム
で戦うことができるのが楽しくて、モチベーションが高いんだ。

yasu OK! 期待しているよ。
昨年までユーロスーパーストック(今季からFIMカップ
ストック1000選手権に改組)を戦っていたチェコインター
モトチームが今季からスーパースポート世界選手権に参戦。
チェコという国からチェコ人とポーランド人を擁して新しい
冒険に挑んだこのチームの代表のヨゼフに単独独占インタビュー
(文責yasumarzo。言語イタリア語。ヨゼフはイタリア語が
わかります。)

yasumarzo(以降yasu)dobry den.Jak se ma’s?(こんにちは。
お元気ですか。)

josef dobre dobre(元気元気。)

yasu チェコ語の発音は母音が五個で楽だけど、文法が
難しくてまだ話せないのでイタリア語で話しますが、
冬の間、あなた方のチームがCBR600でWSSに出てくると知って
驚きながらもうれしかったけれど、これは昨年あたり温めて
いたアイデアだったの。

josef そうだね、昨年までストックバイクの選手権をやって
いて05年のことを考えていたときにホンダヨーロッパや
ライダー、スポンサー関係など交渉して世界選手権でやると
いう環境が出来てきて決断したよ。

yasu ライダーのトミーに関しては君とずっとやってきて
一緒にステージを変えることになったけれど、もう一人はどう
いう理由でリクルートしたのかな。

josef 昨年のマニクールの時にブランネッティ(筆者注
彼は昨年アプリリアのリッターバイクでユーロスーパー
ストックを戦っていた。)と話をして大筋のところで合意
したんだ。彼には重いバイクの経験もあるし、GPやユーロ
STKで色々な所で走っていた経験もあるしね。その後、
まとめの作業に入った時に残念だけど、お互いに合意できない
部分がどうしても存在して違うライダーを探すことになった
んだ。

そのライダーというのが実はマルケータ・ヤナコーバなんだ
けれど、今季はブルノでSBKもあるし、チェコ人ということ
もあって彼女の周りやスポンサーの反応も良かったんだ。
しかし、彼女のマネージャーというのはイタリア人なんだけど
話しているうちにはいといいえの両方があって、いいえの
部分でどうしても譲れないところもあって、破談になって
そこに現れたのが今季うちで走るライダーだったんだ。

yasu そうなのか、私もブランネッティのことが好きだし、
ヴァレンティーノ・ロッシが彼のファンでできることなら
いい条件で走らせてあげたかったみたいだけど残念だったね。
まぁ当事者同士で飲めない話というのもあるだろうけれど。
ところでこのCBR600というのは三年連続のチャンプマシン。
このマシンに関してのインプレはどんなものがあるのかな。

josef これはいい。すごくいいバイクだ。オランダサイドで
マシンを作ってもらって、こちらで最後サーキットでセット
アップするけれど、すごくいいバイクだ。

yasu ユーロSTKとWSSではやることの多さや違いがかなり
あると思うけれど、どう感じているのかな。

josef まぁ、100%を出して仕事することがこの数ヶ月
すごく多いね。地元でやる仕事も含めてすごく忙しい。

yasu チェコという国にいることが結構ある私からすると
最近のチェココルナのユーロや円に対する強さは半端で
なくて、強いなぁとため息をついてしまいますが、それが
このWSS参戦を助けているよね。

josef うーん、これは強いチェココルナというのは、いいこと
である反面、困ることもあるわけで、ケースバイケースで
いいことまずいこと半々だね。

yasu トミーはまだ若いし、チームは初めての世界選手権
だし、学習することが多いと思うけれど、期待しているよ。
ホドニューシュテスティ(グッドラック)

josef dekuju(ありがとう。)
今季絶好調のトロイ・コーサーの側にいるのが、かつて
アプリリアSBKで共に勝利を目指していたジャコモ・グイ
ドッティでした。縁あって再びコーサーと共に世界の頂上を
目指している彼に単独独占インタビュー。
〔文責yasumarzo。言語イタリア語〕

yasumarzo〔以降yasu〕 私は君のことを96年のぺルジーニのナストロアッズーロアプリリア時代から知っていて、その時は250のチームのエンジニアとレースファン。その後、SBKのアプリリアチームのリーダーと敵のチームのライダーの通訳なんて立場に
なったこともあり、様々な道をたどってから今のポジション
にいるけれど、かつて君もレーサーだったんだよね。

giacomo guidotti〔以降gg〕そうだよ。実際にライダーとして戦っていた。

yasu そのライダーとして戦っていて、その後エンジニアとして
色々なライダーと付き合ってきたけれど、誰と一緒だったか
説明してください。

gg ぺルジーニと250、コーサーやラコニ、芳賀とアプリリア
ミッレでSBK,それからマックウィリアムスとアプリリアの
MotoGPだね。そして今季再びトロイと組むことになった。

yasu 今出てきた名前で世界一になったのはトロイだけだけど、
他の優秀なライダーとトロイとの違いというのは何だろう。

gg 非常に仕事熱心なところだね。それから、常に冷静で精神的
に強いライダーだと思う。

yasu ハートは熱いけれど、頭はクールだと言うことだね。

gg その通り。

yasu その熱いけれど冷静な彼は一体いくつ勝つつもりなんだい。残り全部勝ってしまったら大変な歴史を作ることになる
けれど。(筆者注 このインタビューはヴァレンシアの決勝前日の
夜に行われた。)

gg (苦笑いしながら)まぁ、全部というのは難しいと思う。
勝ちたいのはやまやまだけどね。

yasu 次のモンツァはロングストレートがあって、ホンダパワー
が活きるサーキットだけど、今のトロイを見ていると勝っても
おかしくない。

gg ホンダも強いし、他のメーカーもだまっていないでしょ。

yasu だまっていなくて何かしてくるというのは、スズキ、
トロイ、グイドッティが他のメーカーやチームに恐怖感を
与えているからだと思うけれど君たちのマシンのどこの部分
がアドバンテージを持っているのだろう。

gg 一言で言えばバランスかな。単純に車体だけが良くても
だめだし、エンジンだけがよくてもいいタイムは出ない。

yasu 君は以前、MotoGPの世界に居て、SBKの方が色々な意味で
いいと話していたけれど、それは変わりないの。

gg もちろん。

yasu それはどういった意味で

gg こっちの方が開放的な空気を感じるし、そこから仕事の
やりやすさというのが生まれているのだと思う。また、今居る
チームというのは強力だし、いいムードで仕事できて、それが
勝利に直結していると思う。

yasu まぁ、ここがヴァレンシアということもあって、かつての
トロイ、グイドッティ、アプリリア、ダンロップという高い
レベルの人とモノが強力にコンバインしてダブルウィンを
さらっていった時のことを強烈に思い出すよ。

昨年時々だけいいところを走ったトロイ。MotoGPでライバルの
速さや他のメーカーの資金力の豊かさを眺めていた君だけど、
実力や才能をもっている人がちゃんとした環境や地場を得て
持っているモノを繰り出すと昨年のトロイや君ではなくて
今季のようになるね。まさにトロイとジャコモのスーパー
タッグチームイズバック!!という気がするよ。

gg ありがとう。全部勝てるかはわからないけれど、
頑張るよ。

十分という時間を彼にいただいてエンジニアから見た
トロイの姿を少しでも理解できた私でした。
テストだけのために日程を取って、荷物をまとめて
移動して、データを取ったり、ライダーが練習走行する
というのはお金と時間がかかるもので、今回レース翌日
にそのままサーキットに残ってテストをしていたのが

SS、STK600 ライトスピードカワサキ アントネッリ

SBK DFXTREAMヤマハ ボルチャーニ、カルドソ
   ヤマハフランス ジャンベール
   レネゲードホンダコージ ボストロム

といった連中でした。

次のレースはモンツァですが、ここでは火曜、水曜と
テストするチームがあるようです。ヤマハイタリアは
確実にするようで、芳賀君のマネージャー氏に時間が
あれば見学どうですかと言われましたが、エアチケット
は水曜日の午後。まぁ、週末にミラノに戻れればいいや
と思っていたのでモンツァテストは難しいと思います。

週末はイタリア選手権の第二戦のモンツァがあります。
世界選手権に参戦しているチームでイタリア選手権も
活動しているチームもあるのですが、今週末、テスト
を兼ねて参戦し、来週のモンツァの世界選手権に備えると
いうシナリオを描いているチームがかなりあります。
このイタリア選手権には私も出かける予定です。

ヴァレンシアではSSクラスでグールベルグが出走を
見合わせてしまいました。マシン的なこと、チーム内の
ことなど色々あったのでしょうが、残念としか言いようが
ありません。

この空いたシートに誰が乗るのかというのは二人の名前が
イタリア人達から出ています。一人は昨年までホンダメガバイク
でCBRを走らせていて現在は浪人中のコラーディ。彼はヴァレン
シアで色々なチームと交渉を持っていました。
もう一人は昨年カワサキベルトッキでニンジャ600を
走らせていたクルチャーニ。彼は今季イタリア選手権で
ヤマハの600を走らせています。

個人的にはサンナ、ロンボニ、ゴイあたりに走ってほしい
気がします。
SBK 
 
コーサー10

最速の週末、最高の結末。強さと速さを見せつけたヴァ
レンシア。本当に強い横綱の戦いでした。

ヴァーミューレン 8.5

ノンコーサークラス最速。しかし、スペインで出来る最良の
走りというのはコーサーに及ばなかったリカルドトルモ
サーキット。

加賀山 7

同じ道具を使っていながら、ここまで離されてしまったのは
残念。サーキットが彼に向いていなかったのか、マシン的に
何かがおかしくなってしまったのか気になるところ。

ウォーカー 8.5

予選初日の二位は立派。よく集中してレースウィークを戦い
カワサキに本当に久々の、そしてPSG1に今季初の表彰台を
プレゼントした走りは素晴らしかった。次はチームにとって
とても大事なモンツァだ。

阿部 7.5

レース1での走りはノリックが帰ってきたことを世界中に
示した攻撃的でトレメンダスなものだった。マシンなり、
グッドラックなりが加われば今季楽しみな存在であると
思う。

トーズランド 2

チームメイトと差がありすぎた金曜と土曜。世界王者が
スーパーポールに出られないわ、レースでも後方に沈むはと
あまりにもひどすぎる。

マッコイ、マーティン、ペトロナス 3

難しいシーズンになることはカタールの時点でわかっていたが
マシンが悪いとライダーがやる気を失ってしまうのか、
ライダーが闘争心を失うからチームの士気が落ちるのか
わからないが、少なくとも昨年のコーサーとウォーカーは
アングロマレーシアマシンで時にスーパーポールを獲り、
考えられる限りの最高のタイムをマークしていた。
光が見えないのはライダーにもマシンにも言えると思う。
来季のシート、活動はあるのだろうか。

SS

シャーペンティエ 10

予選最速。そしてよく走り、よく守った。マシンのいいところ
を活かしたと言えるが彼も光った週末。

藤原 9

スタートのミスが高いコストになってしまったが、あの追い
上げは見事。どこからでもいつでも抜こうとした闘争心は
チャンプになりたいという欲望がライディングフォーム
から滲み出ていた。次のモンツァはホンダトラックだ。

カーテン 9

土曜、日曜とヤマハ勢最速。そして、攻撃の手を休めず、
ホンダ勢による表彰台独占を阻んだ走りは立派。道具の差は
あるが、ライダーの腕で何とかするんだというスピリット
が横溢していたヴァレンシアのレースウィーク。

ファブリッツィオ 7

チームメイトの元世界チャンプより先着したのは評価できるが
割りに簡単に四位キープに徹したのはちょっとなぁ。

ライダーではないですが、、、、

シャークヘルメット 10

ラコニの身の毛もよだつヴァイオレントなクラッシュを
見て世界中のレースファンが、そして現場にいたお客さんと
関係者が最悪の状況を考えたが、彼のヘルメットはカラーリング
が落ちただけでライダーをしっかり守っていました。

日本のアライ、ショーエイ、イタリアのAGV,ノーラン、
スオーミィなどがレーシングサービスの派遣を見送った
このサーキットで大きいカミオンでやって来て、ジャンマルク
以下フランス人スタッフはコーサー、ラコニ、藤原、フォレ
といったユーザーのリクエストに応えてライダーの求める
視界性や快適性を作っていた彼らには満点を。

予告

2005年4月26日 スポーツ
スペインのヴァレンシアのネット屋からです。

スーパーバイクのスペインラウンドでのネタやインタビュー
をお届けしようと考えています。今日はさすがにこれだけ
書いたので止めます。スペイン時間の明日になったら
書こうと考えています。レースファンの皆さんの興味の
中心のネタやインタビューになるか、あまり興味のないこと
になるのかは各々の感じ方で受け止め方は異なりますが、
現場で人と会っているからこそ書けることを書きたいと
思っています。
結果を知りたくない人はここから先読まないでください。

ポールはコーサー。しかし、今回はオープニングラップの
ラップリーダーをR1を駆るピットが勤めて、コーサーを
抑えることに成功しました。

ピットが何とかコーサーに思うような走りをさせずに
リズムを乱して、群雄が割拠するレースになって欲しいと
強い横綱が敗れる姿を見たいレースファンの願望は二周目に
ぶち壊されました。

コーサーはトップを奪うと最速タイムを連発。すぐに
十分なマージンを作りあげました。

二位争いはノンコーサークラス主役のヴァーミューレンと
この週末よく集中していて金曜土曜、そして日曜の第一
レースを戦っていたクリス・ウォーカーとなりました。

この二位争いは守るヴァーミューレンに襲いかかるウォーカー
というバトルになりましたが、並ぶことはできるが、抜くと
なると相当なリスクをしょわなくてはならなくて、並んでは
引き、並んでは引きの連続が最終ラップまで繰り広げら
れました。

前半元気な走りを見せてくれたピットは徐々に後方に沈み、
四位争いは芳賀と阿部の二台のR1に。トーズランドは
一度ピットインした後にただチェッカーを受けるために
走る展開。

レース1のリピートを見ているような圧倒的なコーサーの
勝利。二位は激しいプッシュを守りきったヴァーミューレン
が得て、三位は最終ラップは安全に走ったウォーカーが
カワサキに実に四年ぶりに、サンマリノのチームである
PSG1に今季初の表彰台をプレゼントしました。

四位が芳賀、五位が阿部、六位が後方からよく追い上げた
ボストロム、七位が今回冴えなかった加賀山、以降、
ピット、ダヴィデ・チェカ、キリ、ジャンベール、
ノイキルフナー、クレメンティ、ヴィッツィエッロ、アル
フォンシとここまでがポイント圏内という結果になりました。
結果を知りたくない方はこれから先読まないでください。

ポールスタートのシャーペンティエが好スタート。すぐに
後続を引き離します。三周目にはこの日の最速ラップを
マークして単独走行に持ち込もうとします。

二番手の藤原はスタートで出遅れて中団グループに飲み込まれ
ますが、ここから素晴らしい走りでどんどんぶち抜き、レース
中盤からはウィンストンテンカーテホンダの二人のマッチレース
となりました。

三番手争いはファブリッツィオとカーテンの争いになりま
したがベテランのオーストラリア人がイタリアの新星を
攻略し、後半は単独走行となりました。

優勝争いが白熱し、守るシャーペンティエと攻める藤原の
素晴らしいレースとなりました。前しか見ないフランス人と
どこでも隙があれば抜こうとする日本人の高いレベルでの
攻防に息を潜めて見守る観客。

並ぶまでには至るが抜くところまでには達しない藤原の
CBR。決着は最終ラップまで持ち込まれました。

最終コーナーからの立ち上がりを上手くクリアしてスリップ
について1コーナーの飛び込みで抜くのが一番リスクの少ない
抜き方であるが、そこを抑えなければ勝利を奪われることは
百も承知のフランス人は上手く防御し、二コーナーへ。
そこからクロスラインになりそうで、マシンをもぐりこませる
スペースを見つけた藤原がマシンを進めるが、軽く接触し、
コンマ数秒モトクロス状態となり、攻撃をあきらめて決着。

結局優勝はシャーペンティエで今季二勝目。二位に藤原。
そこから二十秒ほど離れてヤマハドイツのカーテンが
ホンダの表彰台独占を阻んで三位ということになりました。
四位、五位はイタリアメガバイクでファブリッツィオ、
フォレの序列でフィニッシュ。

このままの勢いでウィンストンテンカーテホンダが
シーズンを席捲するような予感をさせるレースでした。
昨年と同じ日本メーカーとオランダチームのスーパー
タッグによるタッグ選手権制覇がなるのでしょうか。

表彰台での、公式記者会見での悔しさがにじみ出ていた
藤原の表情が何とも印象的なレース後でした。

< 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 >