今日金曜日QFを迎えた男子の10万ドル、女子14万ドル
のこの大会。今日私が見た試合をプラハのネット屋から
レポート。

女子QF サフィーナ対べネソヴァ

頭一つサフィーナが大きいのが明らかに見てわかるのですが、
大きいのは彼女のテニスのスケールもでして、明らかに
パワーが違うなという印象を受けましたね。

簡単に1ストセットを取って、何とかしよう、変化をつけよう
というべネソヴァの気持ちがあせりとなり、いくらかは
実ったものの相手を崩すところまでには至らずにエンドを
迎えたような展開でした。
スコアは6−1,6−4

女子QF クカロバ対クレイバス

序盤、リードしたものの途中集中力が切れたようなプレイを
してブレイクを許してしまったクカロバですが、胸から
肩あたりで叩くフォアが再び決まりだすとリズムを取り戻し
1セットを先取。2セットも伸びのあるショットを連発した
時はエースあるいはエース級のショット。だめなときはネット
という彼女のエースかミスで両者のポイントが重なる展開。
結局は彼女がエースの数で押し切って終了。

6−3,6−4

男子QF フリエゲン対モンフィス

風がなかったせいか、対戦相手を考えてのことかジュニア
の世界からプロツアーの世界に足を踏み入れたフランス人は
フラットサービスとフォアの強打を多用するものの、しっかり
と返されてスピード感ある展開になり、先にミスしてしまう。

対するベルギー人は割りに自信を抱いてプレイしているようで
凡ミスも少なく試合を進めて簡単に勝ちました。

6−2,6−1

男子QF ヴァネク対ヴィク

今日のベストマッチ。序盤両者ともに大きなミスを犯すこと
があったものの、第一セットの中盤からとんでもないエラー
がなくなり、エースかエース級のボールで決まる締まった
展開に。同じようなプレイスタイルの二人ではまると緊迫感の
ある好試合になる好例。お互い譲らずタイブレークに。
ここでミスを連発したヴィクがずるずるとそのままセットを
落としてしまった。

第二セットも序盤でブレーク合戦があったものの後半は両
選手共にキープが続き、タイブレークに。

凡ミスを続けてしまったヴィクは1−5まで行ってしまい、
これでおしまいかと思った人が多かったものの、そこから
強打とネットラッシュで5−5まで挽回。どちらが取っても
おかしくないタイブレークだったが、いいパスを決めた
ヴァネクが9−7で取り、セミファイナル最後のいすをゲット。

7−6,7−6

最後のこのチェコ人同士のQFは実に見ごたえがありましたね。
50チェココルナという額が安く感じました。

あと印象的なのがクカロバのプレイですね。これは長くなるの
で違う枠で書こうと思います。

明日はセミファイナル。当初、男子のバグダディス、女子の
タナスガーン、スッハ、ドキッチがばたばたと初戦で倒れた
時は観戦予定を変えようかと思いましたが、面白いです。
明日も行く予定です。
現在福岡では女子テニスの五万ドルのトーナメントが
行われています。かつて世界の16位まで行ったダヤ・
ベダノワが出場していますが、二回戦負け。その試合
中にwww.kids-tennis.com主宰の方がコーチで父親と
話をしていて若くして世界の上の方まで行ってしまったの
ことが問題だったと話していたようです。
(詳しくはkids-tennis.comのコラムを参照ください。)

この言葉から思い出したのが、かつてのF1ドライバーの
ゲルハルト・ベルガー、そして現在スーパースポート世界
選手権で走っているミッシェル・ファブリッツィオです。
今回はこのことについて書いてみようと思います。

かつてのホンダF1活動の陣頭指揮を執られていた中村良夫氏
とニキ・ラウダ氏とのインタビューの中でベルガーがいい
ドライバーであるが世界チャンピオンに及ばなかった理由
としてラウダは『彼は早くスターになってしまった。』と
話していました。早く人気を得てしまった彼は周りに
持ち上げられ、はやし立てられてしまい、周りが彼の思って
いることをしてくれて、自ら苦労して何かを得ることや
地道に何かをすることに身も心も捧げることができない
ような環境になり、またメンタリティ的にはハングリーガッツ
が欠けてしまったのではないかと説明していました。

私は同じようなことを現場に居て、ミッシェル・ファブ
リッツィオに感じることがありました。彼の場合125で
走っていたときにそれほど評価されなく、成績も大した
ことがなかったのですが、ユーロスーパーストックで
ランツィ、ヴィッツィエッロ、アルフォンシといった連中
と戦い、これを制して、その後WCMとアプリリアで
MotoGPでそれなりの速さと成績を出して、ホンダの
引き合いでメガバイクでスーパースポートということに
なりました。

確かに速い。そしてマーケティング的にはイタリア人であり、
まだ若い彼にはすでにスターとして扱っている人が結構います。
しかし、私からすると、未だに世界選手権の掛かったレースで
一つも勝っていないライダーをそれほど持ち上げていいもの
かと思いますね。

何だか景気が良かった頃の日本のジュニアのテニスプレイヤー
が世界のツアーで一つも勝っていないのに道具もお金も
もらえる環境や日本の世界ツアーとは無縁の大会で勝った
程度で持ち上げて世界の厳しいツアーに入って戦っていく
ことをしないで現役を終えてしまったことを思い出してしまい
ます。

愛するあまり過度に持ち上げる事が本当の優しさとか
愛とかとは思えない私です。ファブリッツィオに関しては
近くにいることが多いので余計よく見えてしまうから
わかるのですが、才能だけで走ってそれでそこそこいいタイム
を出してしまうのはある意味いいことですが、ライダーとして
世界の頂上を狙うのにまだまだ足りないものがあります。

ちやほやするのはレースをいくつか勝ってからでも遅くない
と思う私です。ベダノワ、ベルガーの姿を見ることを
ファブリッツィオのファンには進めますが、イタリア人は
目先10メートル先までしか見えませんが、ローマ人は
それが5メートル先だからなぁ。無理な注文かも知れません。
ウィーンには行かずにテニスのプラハオープンに出かけた
私の見た試合の中で印象深かった試合をレポート。

男子のモンフィス対セッラ。

モンフィスというプレイヤーを初めて見たのですが、単純に
大きいなぁと思いましたね。センターコートでないコートで
の試合ということもあって選手の息使いまでがまともに感じる
ことができる場所だったせいもあって余計大きさを感じました。

そのモンフィスですが、あまりハードヒットしなかったですね。
あれだけの肉体的な資質があるのだからもっと叩いていい
気がするのですが、第一サービスもスピンが多く、ラリー戦
でもつなぐ意識が高かった気がします。

第一セットは彼がコーチの方も見る機会が多く、何だか
ある種の不安感を抱きながらプレイしているような気がしました。
ファーストを落としたのですが、その後、自信を取り戻した
のか、それともポジティブになれたのか、単純なミスが少なく
なりブレークを先に成功して、2,3セットを奪い勝つこと
になりました。

色々なメディアで彼をすごいすごいと賞賛しているので
どれくらいすごいのか知りたくて彼のプレイを見に行ったの
ですが、ちょっと肩透かしにあった気がしました。もっと
体ができてきて、自信を持ってプレイできるようになった
時に圧倒的な強さを発揮する気がします。今のところは才能
はありそうですが、発展途上の気がしました。

センターコートでの女子のポウスティオ対ナギョーバは
今日のベストマッチだったと思います。お互いに持ち味が
出て、長いラリーの後にエースで決まるポイントが多く、
見ていて楽しい試合でした。どちらが勝ってもおかしくない
展開でしたが、ひょっとしたらナギョーバが集中力が切れて
しまったのかも知れません。最後の方に少し雑な感じが見受け
られました。

明日は金曜日。QFとなります。もちろん行く予定です。
風は強いのですが、曇り空になることはあっても雨は今のところ
降っていません。アイスホッケーを気にする関係者も少ない
ことでしょう。

praha or vienna

2005年5月13日 スポーツ
テニスのプラハオープンに行ってきましたが、多くの
チェコ人が気にしているのはウィーンでのアイスホッケー
世界選手権のQFの対アメリカ戦です。実際大会関係者でも
途中経過を気にしている人が多いほどでした。

まぁ、隣国で行われている大会ですし、プラハやブルノ、
オロモウツ、オストラバといったところからはそれほど
遠くないので実際出かけている人も多いようです。

そのチェコチームの戦いですが、第二ピリオドを終えて
0−2と二点のビハインド。シュートの数でははるかに
アメリカを凌駕しているのですが、点は入らず、逆に
それほど多くかったシュートのうちに二点を入れられるという
フラストレーションがたまる展開。はっきり言って負けパターン
かなと思いましたね。

第三ピリオドに入り、アメリカのキーパーが負傷で変わり、
そこから攻撃に入り、何とか二点を奪ってイーブンに持ち込み、
オーバータイムに。この10分の戦いでは双方決め手に欠いて
ペナルティショット戦に。

最初のポイントを奪い、アメリカはゴールを一つも奪えずに
1−0で勝ちました。まぁ、チェコ中のスポーツバーや
テレビで観戦している人は喜んでいましたね。

恐らく明日の新聞の一面はこれだと思います。今日の結果
と土曜日のSFに関するプレビューでしょうね。

ということでテニスのプラハオープンよりウィーンと
インスブルックでのアイスホッケーに関心を向けている
チェコ人です。チェコ国営放送はチェコ対アメリカの後、
カナダ対スロバキアの第三ピリオドを生中継。さらに
そのあと、他のSF二試合を中継します。アイスホッケー
三昧の一日になります。

プラハ到着

2005年5月12日 スポーツ
ブラティスラバからバスでプラハに着きました。
ということで早速プラハオープンに行ってきました。

ごく僅かな日本人はよくご存知。ほとんどの人はまず知らない
このチェコナショナルテニスセンターというのはマルチナ・ナブ
ラチロワがアメリカ代表としてフェドカップに出場する時に
舞台となったことで知られた場所です。詳しいことは村上龍氏の
『テニスボーイアラウンドザワールド』をご一読下さい。
アンリ・ルコントファンの彼の強い愛とテニスに対する好意が
集約されている一冊ですが、この中で当時の共産主義体制の
チェコスロバキアの首都プラハで行われたフェドカップの
様子が書いてあります。

今日のチェコですが風が強く、ブラティスラバから
ブルノへ近づいたところ、さらにプラハに50キロほど
の場所でも風とともに雨も一時強く降っていました。
ということでコートサイドも寒く、ジャンパーを着ている
人もいてさすがにアイスホッケーが国技の国だと思った
次第です。

女子の大会の方ですが、これが下位シードプレイヤーには結構
きついドローになっていまして、すでに私がお目当てにして
いたスッハ、ワインガルトナー、タナスガーンが姿を消して
いて、今回おそらくお客さんの期待を集めていたドキッチも
一回戦で敗れています。この大会の下位シードプレイヤー
はかなりランクの近いプレイヤーとぶつかっていまして
こういったことは起きる可能性が高かったのですが、実際
いなくなるとさみしいものがあります。

明日ですが男子では私が以前から一度見てみたいと思って
いたモンフィスが登場します。一回戦のスコアを見てみると
調子もいいようで彼の肉体的資質とプレイヤーとしての能力
を活字では目にしてきましたが、生で見る機会ができたのは
ハッピーですね。

それでは、アホイ。ドブローノッツ。
今日、火曜日はイタリアではレース専門誌のmotosprintの
発売日。ということで早速読んでいたのですが、気になったのが
イタリア人が書いていたホンダが恐怖を抱かせているという記事
でした。この事について私なりに感じたことを書いてみます。

ホンダという会社はレースのことに対して真摯に臨んでいます。
そして常に参加するだけでは満足せずに勝とうと努力を惜しみ
ません。そして、そんなホンダという会社は世界で一番大きい
バイクメーカーです。

そんなホンダという会社の考え方が良くも悪くもテクニカル
レギュレーション制定や変更に影響を与えるのは確かだと
イタリア人は書いていますし、私も思っています。

ただ、それが何を生み出すのかということに関して同業他社や
DORNAが心配や懸念をしているところがあるというのが
この記事の内容でして、テクニカルなことに関する競争が進めば
コストがかさみ、資金力のあるビッグメーカーが有力になる
というのは確かであるし、中小メーカーは参戦するのが難しく
なる。そうなると近い将来的にホンダ及びヤマハのマシンばかり
がMotoGPのグリッドに並び、中小メーカーは開発にコスト
が掛かりすぎて出走できないというシナリオを心配している
人が多いようです。

スズキ、カワサキはコーポレートカラーでの参戦で、スポンサー
がない状態で活動中ですし、BMWは様子見を決めている。

私の個人的な意見では中国経済が一時的な停滞やバブル破裂に
なるとかなり個人消費によって成り立っている企業は難しい
局面になると思います。

アプリリアのかつての社長のイバーノ・べッジョ氏はまぁ、イタリア語
がわかる日本人の兄ちゃんだからということで私に気安く話をして
くれたことがありましたが、ことあるごとに私に対してもジャー
ナリストに対してもMotoGPのインフレは我々の規模のメーカー
にとっては大変なことだ。と話してくれました。

お金がかさむが成績は決して比例していなかったアプリリアの
姿をKTMやBMW、現在のアプリリア首脳部といった人たちは
見ていたわけで興味はあるが、これをやったら会社が相当傾くとか
MotoGPの活動に否定的な株主に否定されるということを
考えていると思います。

まぁ、スーパーバイクやスーパースポートといった量産され販売
されているバイクで行われているレースや草の根レベルでの
PR活動に力を入れて、ビッグスポンサーが出てこない限り
MotoGPはホンダのような取り組みかたではやらずに
社内の予算の枠組みでやるという形になるだろうなと思う私です。

それにしても4ストロークにしたら安くなると話していた人は
説明責任を果たしてほしいと思いますし、環境保護を考えて
4ストを推進した人にはサーキット内でチームのオフィスや
ガレージから出るごみは分ければ資源でまぜればごみなので
区分けをしっかりして欲しいと思いますね。そして愛知万博の
ようなパークアンドライドをサーキットに行く幹線道路でやって
いただいて汚染を防いで欲しい。

4ストであの大音量で走って、
ものすごい音を出して、サーキットではごみをたくさん出して
サーキットへ行く道では騒音と交通渋滞ということを4スト
を環境にいいからということで推進した方々は力を入れて
解決して欲しいものです。それをしないのであれば環境保護
という言葉を出してレギュレーションを変更するのは止めて
いただきたいものです。愛知万博の公共交通やごみの仕分けを
見て本当に強く思いますね。
スーパーバイク世界選手権のヨーロッパ内で行われている
レースで併催されているレースでU20のユーロストック600
というクラスがあります。今回はこのクラスに参戦中のヨアン・
ティべリオについて書いてみたいと思います。

今季このカテゴリーに参戦している彼の名前を初めて聞いたのは
03年のフランスのマニクールでした。私の友人が600に乗れる
才能のあるライダーを探してきてくれと頼まれてシャークヘルメット
のジャンマルクと話していたときに彼から即座に出てきたのが
彼の名前でした。

その後、05年のこのクラスの開幕戦を簡単に勝ち、才能を
レースファン及び関係者に見せつけた彼はモンツァにやって来ました。

予選一回目をトップ。さらなるタイムアップこそならなかったものの
PPを獲得。土曜の午後のレースに臨みました。

オープニングラップの1コーナーこそ遅れを取ったものの、すぐに
挽回し、今回好調のコルティとのマッチレースになりました。

高速コーナーで速いティべリオ、アスカリの切り替えしで差を詰める
コルティ。高速ライトハンダーで度胸と技術の荒くれ二丁拳銃を
有し何度もこのコーナーでアウトからほれぼれするようなパッシング
をするティべリオとヤマハ600のコーナーリングスピードと
地元のホームアドバンテージを持ち、パラボリカや1コーナーで
出し抜くコルティ。どちらも突き放すには至らずに勝負は最終ラップ
に持ち込まれました。

ストレートの速さや高速コーナーでの強さなどで勝てるかに思えた
ティべリオでしたが、コルティは自分がどこが速く、どこで勝負で
きるかよく知っていました。

アスカリでぴったり付いて、直線で並び、抜き去った彼のR6。
パラボリカをトップで入り、巧みにパラボリカの出口から抜けて
フィニッシュまでのストレートを走り、ティべリオに反撃を許さず
この勝負を制しました。

喜びを爆発させるコルティはタイヤスモークを上げて勝ちどきを
上げます。一方敗者のティべリオは心なしか悲しそうな様子で
パルクフェルメに戻って来ました。

表彰台でのセレモニー。二位の位置に立った彼は悔しそうな顔を
していましたね。勝てる可能性が高かったレースを落として
二位になったという気持ちがよく表情に表れていました。

なんだか彼の表情を見ていてかつてのテニスのジュスティーヌ・
エナン・アルデンヌを思い出しましたね。彼女はジュニア時代から
強かったのですが、勝つべき試合、勝たなければいけない試合に
負けてしまい、悔しくて泣きながらすぐに練習していたといいます。

世界のトップに行く人というのはすごい負けず嫌いであきらめの
悪い人ばかりですが、ティべリオの二位という結果に満足できない
姿から、あの強い強いウィリアム姉妹をぶち破り、実力で世界の
トップに駆け上がっていった時のジュスティーン・エナンを
思わせるものがありました。

あの03年のマニクールでシャークヘルメットのジャンマルクに
即座に『600で速いのはティべリオ』と言われたときに誰なんだ
と思いましたが、彼の言葉には自社がサポートしているライダーと
いうひいき目があったとは思いますが、実力を測定する目も存在
していたとヴァレンシア、モンツァとレースを見て思いましたね。

三年後が楽しみなフランス人の若者です。
SBK

コーサー 9.5

優勝と三位。マシンがいい時は優勝を。今一つの
時でも表彰台を得る技量と精神力にこの点数を献上。

ヴァーミューレン 9

予選でのパフォーマンス、レース2での優勝と持てる力を発揮し
最良の成績を出した週末。冷静さはさすが元WSS王者。

ラコニ 9

ヴァレンシアでのクラッシュの後遺症を感じさせない走行。
スーパーポールでの速さ。そしてトップに食らいつく精神力。
そしてレース2におけるスタートとトップをキープした集中力と
戦術。次につながるレースであり、タイトルはまだ決まっていない
というついつい忘れてしまっている真理を教えてくれたモンツァ
での彼。

加賀山 7.5

レース1での快走は見事。ただ、レース2はもったいなかった。

トーズランド 7

レース1での挽回は立派。しかし、レース2では何かが足りず、
何かが欠けていた。

ピット 6.5

出来うる限りのいい成績を取ってきた両レース。未勝利でありながら
かつてWSSのタイトルを取ったしぶとさは健在。

ペトロナス 3

ワークス参戦しているチームでマッコイとマーティンを擁して
いながらスーパーポールから漏れてしまうのはいかがなものか。
日経新聞いわくマレーシア国策石油会社の名前がついている
マシンはマハティール首相退陣後やる気や予算が枯渇したのだろうか。

SS

藤原 9.5

予選でチームメイトに離されていながらも、決勝で勝利に対する
欲望を燃やし続けて攻略し優勝したのは見事。彼のキャリアの
中でもベストのレースと呼べるのではないか。

シャーペンティエ 9

一発の速さ、レースでのタイムペース。今回も非常に高いレベル
のものを見せてくれたが、最後に破れてしまった。

ナンネッリ 9.5

ブラボー!グランデ!の声がピットレーンやスタンドから飛び交った
彼のレース人生での最高のレース。ドゥカティというエンジンの
良さを引き出して、よく集中し難攻不落のテンカーテタッグに
一人で立ち向かい互角に戦った姿は素晴らしいものがあった。
このレース、ウィナーは藤原だったがヒーローは彼だった。
終盤マシン、タイヤをなだめながら無理をせずにチェッカーを受
けてドゥカティのSS活動での久々の表彰台をゲット。次は彼の好きな高速コーナーが多いシルバーストーンだ。

ファブリッツィオ 7

スタートの失敗は残念だったが、よく追い上げて四位という
成績を収めたのは立派。

カーテン 7

ヤマハ勢最速。今回もよく走り、良く粘り、マシンを
チェッカーまで運んだ。
結果を書いてしまうので、知りたくない人は読まないで下さい。

今季のこれまでのレースを見ていると、大体序盤からコーサー
が快走。序盤で高いレベルのトップタイムを連発し、前半戦に
セーフティリードを構築。相手に影を踏ませぬ盤石のリードを
そのまま維持してチェッカードフラッグ。

こんなことをずっとやられていたライバル達。ではこの勝利の
方程式をどうやって崩すか。ぶち破れるのか。コーサーと同じ
浜松製の道具を使っている加賀山、そしてポイントリーダーを
追いつめることができるのはドゥカティに乗るフランス人の
ラコニに可能性があると言われていました。

そのラコニが素晴らしいレースを見せてくれました。

彼が勝つために何をするのか。まず、ベストオブベストのスタート
を奪う。序盤を速いラップペースで走り、コーサーの頭を抑える。
それができない場合でも劣らないスピードで走り、何とか付いて
いき、序盤にリードをさせない。

恐ろしく研ぎ澄まされた集中力と瞬発力をスタートで発揮した
ラコニは見事に一コーナーを征しコーサーと加賀山を従えて
ラップを重ねていきます。

レースペースがその他のライダーにもついていけるペースだった
せいか他のライダーもそれ程離れずに走行し、序盤はトップ集団
がかなり大きなものとなりました。

その後、徐々に後方集団が離れて、ラコニ、コーサー、加賀山、
少し離れて土曜日の午前の主役であったテンカーテホンダの
ヴァーミューレン、ムジェリッジが走るという展開となりました。

中盤になり、徐々にコーサーがペースを落とし始めます。
これが指揮者のタクトが振られた意味となりレースというオペラが
展開していきました。

今回優勝も有り得た加賀山が何とクラッシュし、グラベルの餌食
となり、戦線離脱。そして、ホンダパワーを利してヴァーミューレン
が周回を重ねるたびにトップに近づいていきます。

ヴァーミューレンは名前負けすることなくコーサーを料理すると
ラコニの背中を追います。

久しぶりのトップでの走行を重ねて、メーカーの地元での優勝が
眼前に迫ったものの、序盤のハイペースでの走行が終盤にきて
ペースダウンを迫ります。

そのラコニを追い上げて、ヴァーミューレンがホンダサウンドを
響かせながら攻撃の手を休めずに迫る。祈るようなドゥカティファン
に応えたかったラコニですが、もうタイヤが限界でした。

滑るタイヤを何とか持たせてチェッカーフラッグを受けようとした
フランス人をオージーの若者が攻め立ててパスし、そのままチェッカー
となりました。

二位はラコニ、三位は完璧でなかったマシンを操ってできうる
限り上位でフィニッシュしようとしたコーサー。四位がムジェリッジ
五位がトーズランドという序列でした。ヤマハ勢トップのピット
が六位、キリ、ウォーカー、芳賀と続き、今日三レース目の
ナンネッリが十位というトップテンでした。
結果を書くことになるので知りたくない人は読まないで下さい。

圧倒的な強さを発揮するテンカーテホンダ。マシンカラーリング
およびライダーは昨年から変わったものの強さは変わらないまま
日曜日の午後を迎えた。

同じCBRを使い、天性の速さを有しているファブリッツィオには
今回地元の期待が集まり注目された。レース展開によっては
フランス人と日本人を止めることができるのでは。

そんなパドックの空気をぶち壊したのがこのローマ人であった。

注目のスタート。彼は止まったように動き、一気に後方に沈んで
しまった。

トップ争いはウィンストンテンカーテの二人でヴァレンシアの
リプレイになるかに思われた。しかし、エンジンパワーを
利してトップ争いに絡んだのが苦労人のナンネッリであった。

最終のパラボリカからきれいに立ち上がり、スリップに潜り込んで
直線で並び、一コーナーへのアプローチでのブレーキング競争に
勝ち、一コーナーに飛び込み、トップを奪い、快走する姿に
コーナーごとに彼に大きな声援が飛ぶ。

何度も抜かれ、抜きかえすシャーペンティエ、藤原、ナンネッリ。
この三者のペースが速く、カーテンは単独走行、その後ろから
やはりドゥカティスタのコラーディが初めてのドゥカティSSで
いいタイムで走り、サンナも好走を見せる。それに周を追うに連れて
迫っていくのがスタート大失敗のファブリッツィオである。

ポイントリーダーと二位のライダー相手に互角以上の戦いを
見せるナンネッリ。ピットのムードも異常な高まりを見せる。

レース終盤、いい走りをしていたサンナがクラッシュ。戦列を
離れる。すばらしい追い上げのファブリッツィオはコラーディを
攻略し、カーテンへの追撃を始める。

残り二周。苦しくなったナンネッリがミスをして、少し離れてしまう。
優勝争いがシャーペンティエと藤原の戦いになる。

同じマシンを使いどこがお互いに速いか知っていた両雄の激しい
高速バトルとなり、息を飲みながら見る展開となったが、前回
悔しい二位となった藤原が何が何でも勝ちたいという欲望が頂点に
達し、シャーペンティエに襲いかかる。

微妙なフィニッシュとなり、写真判定に持ち込まれたレースとなった
ウィナーは藤原となった。これで今季二勝目である。

少し遅れて、素晴らしいレースを見せて、ホンダ勢に食い下がり
時にトップを奪うレースをしたナンネッリがチェッカードフラッグ。
ウィナーは藤原であったがヒーローはナンネッリであった。
大殊勲の表彰台でこれは彼のキャリア初の登壇であった。

ドゥカティSSとしてはをボンテンピが
オーストラリアでミシュランタイヤを利して三位を奪った時以来の
表彰台となりドゥカティ関係者が祝福する姿に彼の愛される人間性
とこの週末の素晴らしいパフォーマンスの全てが浮かび上がる
モンツァのレースとなった。

四位に最後にカーテンを攻略しファブリッツィオ、ヤマハ最速の
カーテンは五位となった。

表彰台に上がったナンネッリに勝者と同じ位の拍手、歓声が送られた。
彼がイタリア選手権のSSを制したものの、ロレンツィオーニ
レオーニと活動できない状態になり一時はどうなるかと思われた
ものの、型落ちのドゥカティで昨年好走を見せてチャンスをつかみ
こうして今季強い強いホンダ勢と激しく渡り合い、表彰台を得た
彼の姿を見てしばらく涙が止まらなかった私だった。
結果を書いてしまうことになるので、結果を知りたくない人は
読まないで下さい。

スタートが良かったのはピット。そして、今回期待された
ヴァーミューレンも悪くないスタートで追い上げを図ろうと
していた時にエンジンブロー。サーキットレイアウトからホンダ
パワーを有する彼は早々にヘルメットを脱ぐ残念な結果となった。

コーサーはスペインまでほどのアドバンテージはないが、それでも
着実にリードを広げる。二番手争いは加賀山とラコニ。その後方
から序盤は遅れたものの、次第にいいラップタイムを刻んで
トーズランドが差を詰めてくる展開となった。ピットは徐々に
後方に沈んでいく。

ラコニにヴァレンシアの後遺症は全くなく、加賀山にドゥカティ
サウンドを響かせながら襲い掛かる。加賀山もこれに応戦。
実に激しい二位争いとなった。

コーサーは圧勝とは言えなかったが余裕を持っての優勝。
二位争いはラコニを振り切った加賀山でコロナアルスターの
1ー2フィニッシュ。三位は最終ラップでトーズランドが
よく追い上げてチームメートを抜き去り、今季初の表彰台。
四位がこのレースを盛り上げてくれたラコニ。ゼロックス
ドゥカティは地元で3ー4フィニッシュとなった。

序盤好走のピットが単独走行の五位。ムジェリッジ、キリ
の戦いはオージーに軍配が上がり、ウォーカー、ナンネッリ、
阿部というトップ10。ここから少し遅れて芳賀となった。
ヴァレンシアから始まった、SBKのヨーロッパラウンドに
おけるサポートレースのユーロストック600とFIMカップ
ストック1000についても触れておきたいので書くことにします。

土曜日の五時四十分から始まったSTK600ですが、CBRを
駆るティベリオとR6を走らせるコルティ。最終コーナーから
立ち上がり一コーナーの進入でパスしたり、高速コーナーで
思い切りの良く外から豪快に抜き去るティベリオに対し、アスカリ
で差をパラボリカで抜くコルティ。マシンの違いと道具のいい部分
を使う戦術が鮮やかに見えるレースで、テールトゥノーズ、
サイドバイサイドの戦いは最終ラップまで持ち込まれました。

実に際どいバトルを繰り返しながら三位以下をはるかに引き離し
コースの後半部分を迎えたコルティはレース終盤ティベリオの
影の様に走り、どこが速く、どこが勝負どころかよくわかって
いました。

コルティが速さを発揮するアスカリでぴったりとくっつき、
直線で抜き去り、パラボリカへ進入。ここからフィニッシュライン
までの攻防をイタリア人はたくみにフランス人の攻撃を抑えて
フィニッシュ。見事に優勝をかっさらいました。

FIMカップストック1000

日曜日の午前十時四十分から始まったこのレース。このクラスも
主役二人のマッチレースとなりました。

昨年、確かな成長を見せて表彰台の常連となり、勝ち味を覚えた
ソフオグル。地元で勝ちたいロッコリ。モンツァのお客さんの
興味はこのR1同士のバトルに集中しました。

最終ラップまで持ち込まれたラップは時にサイドバイサイドから
際どい抜き合いになり、ロレンツィオーニバイレオーニのピット
からは『マンマミーア』『行け』という言葉を発する人の数が
多くなる激しいものとなりました。

パラボリカから直線に入り、勝てるかに思えたロッコリでしたが
きれいに立ち上がってフィニッシュラインを目指したドイツヤマハ
で走るトルコ人に今回は軍配があがり、美しく激しいレースは終わり
ました。

お互いの健闘を称え合う彼らにモンツァのお客さんも満足感を
感じた日曜の朝でした。

この二つのサポートレースから新しい時代のヒーローが出てくる
ことを感じる人も多いのですが、私もその一人です。
予選二回目

いい意味で裏切られたSBKの二回目の予選であった。

午前11時から始まった予選セッション。出だしはいつものように
アルスタースズキ勢の速さと強さが目立ったがセッション後半に
なり、ホンダパワーを有して直線の速さ、全開時の馬力を感じ
させるウィンストンテンカーテ二人のタイムが良くなっていく。

さらに前日ナンネッリに先行されてしまったゼロックスドゥカティ
の二人のタイムも良くなりトップグループに食らいつく。

ホンダのムジェリッジ、ヴァーミューレンの力強さとドゥカティの
反攻を感じるが、他社はと言うと、ピット以外のヤマハ勢、
ウォーカー以外のカワサキライダーはタイムの伸びが良くなく、
このサーキットを攻めあぐねている印象が強い。私が期待していた
カルドソ、サンキーニ、阿部、ブセイが思ったほどタイムが上がらず
中団グループのタイムとなった二回目の予選であった。

スーパーポール

肉体的なものなのか、精神的なものなのか、あるいはここまでの
シーズンを見ていて、ある種の先入観があってそう見えてしまう
のか芳賀とキリの二人に元気の良さというか、いきいけのムード
というものが感じられない。この二人には主役であって欲しいと
思うのだが、ライダーが理由なのか、道具に問題があるのか、
トップとは離れたタイムでスーパーポールを終えた。

元気な走りを見せてくれたのが乗りに乗っているコロナアルスター
スズキの二人で加賀山のスーパーラップには目を奪われた。
続いたのが今季六戦五勝のポイントリーダーのコーサー。
三番手にヴァレンシアの後遺症を感じさせずに元気なラコニ、
四番手、五番手にホンダパワーを利するムジェリッジ、ヴァーミュ
ーレン、六番手にヤマハ最速のピット、続いて最速カワサキスタ
のウォーカー、二列目最後のスポットに世界チャンプのトーズランド
というオーダーとなった。

気になるキリは九番手、その次にブセイで芳賀は十一番手、
ダブルエントリーのナンネッリはミスが響いて十二番手であった。

また明日もアルスタースズキが勝つのか。あるいは何かが起きるのか
強い横綱がいて、それを誰が破るのかを見たいという人には
楽しみな、群雄割拠して主役が多くて誰が勝つか分からない展開
が好きな人には楽しめない気がするレースは日曜正午スタートだ。
トップ二人を誰も止めることはできなかったモンツァの二日目
である。いつものようにブルーとホワイトのウィンスカラーの
CBR600が走りはじめてからすぐにレベルの高いタイムを
出す。他の連中が53秒台にようやく入ろうかとしている時に
すでにフランス人と日本人のオランダチームの二人は52秒台を
出していた。

ライダー、チーム、マシンの融合が高いレベルで行われている
証だろう。昨年スズキの600で苦しい戦いを強いられて、
実力はあるのに発揮する戦いを数えるほどしかできなかった二人
がさえぎるものは何もなくかっ飛ばしている。その姿は強く
美しいものである。

ということでやはりシャーペンティエと藤原の1ー2である。
三番手がドゥカティのエンジンを良く活かして今回ダブルエントリー
という鉄人トスカーノのナンネッリ。四番手が最後の最後にタイム
アップを果たしたファブリッツィオ。

二列目はここでもヤマハ勢力のトップとなっているカーテン、
ドゥカで初めてここで走るコラーディが元気な走りで六番手、
ワイルドカード参戦のサンナが続き、スズキを駆るべネマンが
健闘の八番手であった。

ここで主役の一人になるであろう、フォレはミニバイクの整備
をしている。走れない実力のあるライダーをこうした姿で見る
のはつらいものがある。先週のイタリア選手権でアンタッチャブル
な勝ちかたで今週に臨んだだけに残念としか言いようがない。

この裁定に納得していないのはチームとして当然であるが、
今現在何ができるのかと言うと何もできないのが現状で彼の
ゼッケンのCBRがぴかぴかに輝いているのが、逆に美しさを
感じない。何周も走ったファブリッツィオのごみやほこりに
まみれたマシンが美しく見える。しかし、その四番手のCBRより
格好よく見えるのがウィンストンカラーのCBRである。
明日は何もなければ彼らのうちの一人が勝だろう。
ここまでコロナアルスタースズキの強さと速さばかりが
際立つ今季。欧州ナンバーワンスポーツチャンネルのユーロス
ポートのCMでスズキのGSX1000を見るが、タイトルが
100%perfectというもので三大会六レース全制覇を字幕で
出している。今回もそれが続くのかが見所である。

今回欠場してしまうメンバーがクラッフィホンダのノイキルフナー、
ドゥカティカラッキのランツィである。旧東ドイツ生まれの若者
には代役はつかず、イタリアのチームの代役はやはりイタリア人の
ナンネッリである。

そう、ナンネッリである。ということで元気の良すぎるトスカーノ
人は先週ここでドゥカティのSBKをテストして、今回このモンツァ
のサーキットでSS,SBKとダブルエントリーである。

何だか70年代のグランプリを思わせる展開である。

初日の予選一回目。やはり強さを見せつけているのがアルスター
スズキの二人で、見事な1ー2であった。加賀山がここを走るのは
確か初めてであると思うが、きちんとタイムを詰めていくところは
ライダー、車体、エンジンともにいいハーモニーを作っている
のだろう、安定していいタイムを出して、さらなるタイムアップ
が出来ている。

三番手がホンダパワーを利してムジェリッジ、四番手はドゥカティ
を駆るナンネッリである。

そう、初日のここの最速ドゥカティスタは彼のチームメイトの
ニエトでも、ワークスドゥカティの世界チャンプのトーズランド
でもなければ一発の速さを持っているラコニでもなく、苦労人の
トスカーノ人のナンネッリであった。

五番手にメーカーの地元で応援もプレッシャーも強く感じる
トーズランド、六番手が昨年いいところを走ったヴァーミューレン。
七番手がラコニ、八番手にチームのオフィスと工場がすぐ側に
あるヤマハイタリアのピットである。

前回カワサキに久しぶりの表彰台をもたらしたウォーカーが
九番手。以下、芳賀、キリと続き、今回からR1からドゥカティ
にスイッチしたボルチャーニが続いた初日であった。

ここを初めて走る阿部は二十番手と苦しい立ち上がりであった。

セッションを終えて今回来ている父ラコニ、母ラコニと会う。
ヴァレンシアでの背筋が凍ったクラッシュを見て、大丈夫だろうか
と思ったが、ヴァレンシアから普通に冷静にフランスに戻って
イタリアラウンドに備えていたらしく安心した。

その後、シャークヘルメットのジャンマルクが奥さんと下の方の
スクーターに乗っていればいつでもハッピーな子供と一緒に
現れた。フランス語を忘れていないか、元気でいるかと色々と
質問を受けて、下手でも話すようにしていること、大げさなくらい
の発音でちょうどいいと考えていることなどをお伝えする。

キリの下の子供が来ていて自転車で走り回っているが、キリ自身は
怪我からの回復が完璧ではなく今一つ元気がなさそうだった。

イタリアというバイク市場が大きいところでパドックも各社
PR活動の準備に忙しい金曜の午後だった。
SS

このカテゴリーはここまで三戦を終えて、テンカーテホンダの
シャーペンティエが二勝。藤原が一勝、彼らの1ー2フィニッシュが
二回という圧倒的な強さでシーズンが進んでいる。そんなこのクラス
で強い横綱を誰が倒すのかというのが興味の中心である。

こんかい、最初に入ってきたニュースはグールベルグの後任として
アレッシオ・コラーディがドゥカティ749をライドすること。
彼の才能を認めている業界人は多く、注目が集まる。さらにワイルド
カードでCBRでサンナが、R6でゴイが参戦。サンナと木曜日に
話すと元気でいつもと変わらないスケベな彼であった。彼が主役
になれるのか気になるレースウィークが始まった。

そんな中、金曜日のフリー走行の一回目。ファビアン・フォレ
が走ろうとしたらストップがかかった。これは先週、彼がすでに
この私のブログで報じているようにイタリア選手権に出場したの
だが、これがルール違反だとしてヤマハドイツが訴えて、それが
認められてヘルメットをかぶり一旦はCBRにまたがった彼は
出走できずに午前中を終えた。

その彼が1セッションを失い、午後からの走行に参加。
しかしながらも、何周か慣熟走行をしてタイムアタックに入り
タイムを詰めていくところで彼にブラックフラッグ提示。さらに
彼のそれまでに出したタイムが全てキャンセルということになって
しまった。

彼はその後土曜、日曜も出走できずに偉大な主役抜きのモンツァ
ラウンドとなった。

そんな喪失感が漂う中予選に入りすぐにいいタイムを出しているのが
シャーペンティエと藤原で走り出してすぐに速いタイムを計測。
さらなるタイムアタックにも成功して1ー2フォーメーションを
形成となった。シャーペンティエのタイムは垂涎の的で二位の藤原
を一秒離した初日となった。

二位の藤原から僅差でヤマハ最速のカーテン、四位がファブリッツィオ
でドゥカティを駆るナンネッリ、サンナ、パークス、コラーディ
というメンバーが続く。私注目のサンナ、コラーディがいい順位
で初日のセッションを終えた。三列目に入ってスズキ勢、カワサキ
のアントネッロが顔を出した一回目の予選であった。
ネットサーフィンをしていて彼の死を知りました。私は好きな
お笑い芸人さんだっただけにすごく残念だし、まだまだ見たかった
という思いを抱きました。

この人の晩年にやった仕事の中で一番凄かったのが
『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』の「ホモホモポール
は男がお好き」という若手芸人を食おうとするホモの役でしょう。

ビデオが流れてからゲストの加賀まりこが「師匠の演技がすごくて、、、」と絶句していましたが、見ていて本当に凄いリアリズム
を感じさせた演技でした。

まぁ、お笑い芸人としてのガチンコ性の高さ、演技者としての役
への入りかたなどすごいなと思いましたね。

そんな彼が精神的に病んで薬のお世話になっていて、さらに
アルコールにも依存するようになってしまっていた。芸のことや
仏教のことなどに一心不乱にのめり込めるテンションの高い人
には近くに冷静に動静を見ていてアクセルとブレーキを用意
してあげる人が必要だったのでしょうが、周りにいなかったのか、
偉くなりすぎていて周りが何も言えなかったのかなと想像しました。

優れた役者さんや芸人さんでモノゴトの切り替えがうまくできる
人はいいのでしょうが、できない人だと深く考え込んでしまった
あと、うつになってネガティブな気持ちを持ちがちですからね。
いつだったか、小沢真珠だったか大河内奈々子だったか忘れ
ましたが、役のまま気持ちを引き連って家に帰っていて
飼っている犬がものすごく怖がったという話を聞いたことがあり
ますが、わかる気がします。

長所と短所はコインの表と裏だと思いますが彼の役に対する
のめり込みかたや仏教に対する学習意欲というものが強すぎる
たのではないか。そのパワーが強すぎる故に何かのきっかけで
エネルギーやテンションを失った瞬間に急に全てのことに関わる
心が消失し心の病になり薬やアルコールに依存するようになった
気がします。

正直仏教に走って芸能界において先生と言われるポジションに
居住する彼にはシンパシーを感じなかったのでしょうが、
スケベな親父や孫を可愛がるじいさんの役をやるところをもっと
見たかったですね。
今季レースシーンから姿を消しているライダーの一人に
ステーファノ・ぺルジーニがいますが、先日、彼の近況を
サンドラ・ノッチョリに尋ねると「家にいる。」とのこと。

チームアブルッツォで250のアプリリアキットのマシンでテスト
をしたが、ファクトリー仕様でないバイクで参戦することに
抵抗感を感じ、テストの後やる気をなくしたと説明してくれた。

そのあたりのことを聞いて、私の思いは98年シーズンに
フライアウェィしていった。

98年のシーズンの250クラスは本当にアプリリアが強かった。
後味の悪いエンディングでチャンピオンになったカピロッシ、二位
のロッシ、三位に世界中のファンが事実上のチャンプだと考えて
いた原田というアプリリアの1・2・3独占のシーズンだった。

ホンダは?この年の彼らのワークスマシンのNSRというのは
冒険的な試みが具現化されたマシンであったが結果的には失敗作で
あった。

シーズンが進につれてウィットーベンの自信作とHRCの野心作
との差は広がるばかり。当時イタリアに住んでいてムジェッロに
行った私がジャックのチームのクルーと話すと「今のNSRは
アプリリアに追いつくどころか市販レーサーのTZに直線速度
で追いつかれつつある。」だのぺルジーニのチームマネージャーの
スタッぺルトの親父さんには「ステーファノはいい。マシンが
駄目だ。」などと答えていた。

その後ポンシャラル率いるチームはヤマハ陣営に移り、二年後
250のタイトルを獲り、スタッぺルトはヴァルドマンと寄りを
戻してアプリリアにマシンを替えることとなった。

話を元に戻すと、そんなアプリリアが強くてライダーも優秀な
トリオを相手にしたぺルジーニ、ジャック、宇川、治親の四人は
トップスピードの差を埋めるために何とかスリップに潜りこんで
スピードを稼ごうとしたり、コーナーで頑張ってタイムを削ろう
としてもがき苦しんでいた。そんな彼らが100%を超える走り
をしてマシンのコントロールを失いとんでもないクラッシュを
起こしていた。彼らの努力や奮闘は数える程度は報われたものの
多くはアプリリアより下位を走るという数字として記録された。

何とかトップ集団を形成するアプリリア軍団に食らいつこうと
もがき苦しんだシーズンを終えた時に開幕の鈴鹿の時とは
容姿が明らかに違っていた。ステーファノとオリビエの髪の毛の
量が明らかに鈴鹿の時とブエノスアイレスの時とは量が違うのが
明らかだった。

そんな苦しんだぺルジーニはもう一年ホンダで走るのだが、この年
というのがロッシがタイトルを獲った年でホンダは前年のような
ことはなかったのだがタイトルを狙えるには至らなかった。

ロッシ以外のアプリリア勢にはマックウィリアムスがいたり、
バッタイーニがアプリリアワークスを得て、グイドッティと
仕事をしていたという手強いライバルもいた。
(筆者注・グイドッティに関してはhttp://diarynote.jp/d/59911/20050427.html

持っている道具が成績に反映されるパーセンテージの強い
スポーツで周りのライダーの道具を活かした強さや速さを一緒に
走っていてまともに感じているライダーがバイクに乗ろうとした
時にそのバイクのポテンシャルが高くなく、それで戦わなければ
いけない時にやる気をなくしてしまうものだろう。

道具の違いがあるものの、差が少ない125での活動を速さ
ではなく年齢という縛りで門を閉ざされてしまった彼が250を
やろうとした時に求めている道具や環境がなかった時に浪人する
という決断をしたのはある意味当然だと思う。それを当然だと
思う一方でマックウィリアムスはものすごい我慢強いライダー
だったんだなと思う私である。
今週末、スーパーバイク世界選手権が開催されるミラノ郊外の
モンツァ公園内にあるサーキットのアウトドローモモンツァ。
このサーキットではすでにお伝えしたように先週イタリア選手権の
レースがありました。

この期間中に私はスクーターで走る機会がありました。今回は
そのインプレッションを。

スクーターで二周。そして自転車で一周しましたが、まず驚いた
のがずっと開けっ放しということですね。今日F1が行われて
いるサーキットの中で全開率が最も高いのはスパフランコルシャン
ではなくてここだという話を聞いたことがありますが、それが
原付で走ってみてよくわかりました。

同じサーキットでもかつて原付で走ったことのあるオッシャー
スレーベン、ラウジッツィユーロスピードウェイ、アッセン、
イモラといった所とはまるで違う超高速コースですね。

ヨーロッパで売られている原付というのは石畳の路面で走ることや
ヨーロッパ人の体格を考えて作られているものですが、実際
100キロのスピードで走ってみて、ここのアベレージスピード
の高さがよくわかりました。

例年、土曜日の夕方に翌日のレースを控えているチームやライダー
にオーガナイザー、レースディレクションから「オープニング
ラップの一コーナーにはライダー諸君は充分注意するように」という
文章が回ってきますがパラボリカ立ち上がりからロングストレート
をエンジン全開で走り、あの1コーナーに入っていくというのは
マキシマムからミニマムにスピードを落とすわけで何かが起きること
は多いですね。

昨年はテンカーテホンダのスピードの速さに瞠目した私ですが
今年のモンツァは何が起きるのでしょうか。1コーナーと
最終のパラボリカは激しいバトルになるので最後の最後まで
競り合っていたら目が離せなくて楽しみです。
今日発売のイタリアのレース雑誌のmotosprintに中国GPに
参戦しなかったKRKTMのニュースが載っていました。今回は
このことについて触れてみます。

報道によると、KTMのマシンはエンジンの台数がレースウィーク
を送るには足りないだろうから参戦を控えたというものでしたが
同時にロバーツとKTMの関係性にも触れていました。

このチームがミシュランタイヤを使えるようになったのは
市販マシンレベルでのオーストリアメーカーとフランスの
タイヤメーカーの友好関係があったり、イギリス人を使うのは
業界的なイギリス人の偉い人からの要請があったようですが、
基本的にKTMとしてはあまりにもお金が掛かりすぎるMotoGP
クラスに関しては単純にエンジンサプライヤーとしてのみ
参加するというスタンスを通してきました。

ところがお金がかかるがスポンサーを持っていないロバーツが
KTM首脳部に車体の開発費用の負担を求めたところから話が
おかしくなったようです。

この件に関して私はアメリカ人と旧大陸側とのメンタリティの
違いというか文明の衝突を感じましたね。

よくも悪くもアメリカ人は自己主張が強く、思っていること、
何かを得るのに必要なものがないときにその必要性を高いテンション
でアピールします。まぁ、とりわけそんな精神性が世界チャンプ
には強かったりするのですが、自分が欲しいもの、必要なものを
どこに行っても彼らの母国語である英語で相手にとって難しい
リクエストを主張するというのはかなり大陸側のヨーロッパ人に
とって嫌な気持ちを有するような気がしますね。

イタリアやチェコというところにいることが多い私ですが、
国際政治の場面、最近ではイラクに対する派兵などは典型的な
ケースでしょうが、アメリカが有している色々な意味での力を
背景にヨーロッパの小さい国に人やモノを頼む時などに
一般庶民のアメリカに対する嫌悪感や拒否反応というのは強い
と思います。

また、一般の旅行者においてはアメリカ人とイギリス人程外国語
が話せなくて、話そうと思わない、そして母国語のみでどこに
行っても通せばいいと思っている人の数が圧倒的に多い。
英語には多分、『実るほど頭を垂れる稲穂かな』という言葉
はない気がしますね。

イタリアのように観光業が国の産業の三番目というところでは
客を逃がしたくないからお客さんに合わせて話していますが、
本音のところでは圧倒的なパワーを持っていて、どこでも自分たち
の流儀ややり方で通すアメリカ人に対していい印象は抱いていない
はずです。(まぁ、逆にリミニなまりのイタリア語を話す私には
心を開いていると言える。)

旅行したりしていて、アメリカ人の態度には嫌な気持ちを持つこと
が多いです。

そんな私と同じような感情を仮にKTMの首脳陣が抱いていた
としたら今のところテールエンダーであるアメリカ人から
お金に関してミリオン単位のユーロのリクエストを出され、
彼にそれを出しても果たしてすぐにヴァレンティーノ・ロッシを
ぶち抜けるのか保証などありやしないわけで、拒否反応を抱くのは
当然だと思います。

今週、へレスでテストがあるようですが、ライダーはマックウィリ
アムスにウェストというメンバー。レギュラーライダーではない
ライダーでテストをするというところにロバーツとKTMの
ほころびの意味があるように見えて仕方ありません。

アメリカ人の強い自己主張をどこへ行ってもいつでも同じように
やる姿に衝突があった気がする私です。単純にお互いにいい関係で
あって、お金の問題でノーを言っていた可能性もありますが。

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