靭のコートに入り、すぐにオーダーオブプレイを購入。気になるのは
やはりIMGの分厚いサポートを受けるミオミール・ケクマノビッチである。
彼の試合が第一試合でアウトサイドコートで行われているので、すぐに
見に行く。

 当然のことながら、ママケクマノビッチとコーチが熱視線を送る。
そこに少し離れて座り、観戦を始める。しばらくするとIMGの日本の担当者が
いらっしゃってセルビア人プレイヤーの応援体制が出来上がる。

 しばらくするとこのコートの第二試合に出場するルーシー・カンコバが
やってきて、ソイジョイを食べ始めた。

 私がチェコ語の単語がすんなりと出てこなくて、『ah,,,let me see,,,
dobrou chcet(bon appetitの意味)』というとひどく驚き、
『君、チェコ語がわかるの?』と尋ねてくれた。私のレース界における
チェコ人ライダー、メカニック、チームスタッフ、チームマネージャーなど
との繋がりなどをチェコ語で単語を探しながら話して、単語が出てこない時
は英語で話す。すると左隣にいたママケクマノビッチが
『君はいくつ外国語が話せるの』と驚きながら質問。

『日本語の次がイタリア語で次が英語でフランス語が少々。チェコ語は挨拶
程度だけど、チェコのレース関係者によくしてもらっているから耳に
馴染んでいる』と話すと驚く。

 気になるクマノビッチの試合だが、第一セットを圧倒して、このままいくかと
思っていたが、そこからクーンが序盤ほとんど使っていなかったバックハンドの
ストレートを使い始めて徐々に挽回。第二セットを奪う。

 当然、クーンは序盤と同じ戦法だとクマノビッチに攻勢を許してしまう
ので、バックハンドからストレートという手段で反撃してきたが、クマノビッチ
は圧倒的にやられてはいないから、第一セットと同じような戦法で戦い、
競り合う展開。これが敗色濃厚であれば、何かペースを変えたり、戦術を
変更するのだろうが、ほぼ互角の展開なので、これといって変更点がない
まま試合を進めていき、重要なポイントでクーンが攻撃的にプレイして重要
ばポイントを奪い、結果、クーンがフルセットで逆転勝利。

 試合後ママケクマノビッチに『温かい声援ありがとうね』と声を掛けられて
別れる。そこにIMGのスタッフも加わる。何とも苦い敗戦であると同時に
かつてのクゼニーナ・リキーナのことを思い出してしまう。

 彼女のIMGのサポートを受けて、以前ジュニア時代に名古屋のジャパン
オープンジュニアにやってきて、一人だけ別次元のテニスで土居美咲に
テニスをさせずに圧勝してトロフィーを持ち帰ったが、その後、あのテニス
ができたらプロでいいところまで行って、IMGも儲かるだろうと思ったが
見事に伸び悩み、今では彼女の出る大会にIMGのスタッフを見かけることはない。

 たくさんのプレイヤーがIMGのサポートを受けて、大成している一方で
大きな敗戦だったり、思わぬ落とし穴から成長することなく、現状維持
という名前の停滞をしてしまい、エージェンシーが去り、スポンサーも離脱
するという例はたくさんある。今回の大阪は彼は当然勝つために来ているわけで
この負け方と成績というのは何か影を落とさないか心配になる。

 一方のクーンは見事な反撃や戦術頭だったなと関心する。その彼だが
スペイン人のコーチが声援を送り、彼自身、気合を入れる時は『vamos!』
と叫んでいた。かなりラテン気質が体内に充満しているのだろう。

 このコートの第二試合にルーシー・カンコバが登場。彼女のシード順から
するとしっかりと勝っておいて、QFに進みたい試合である。

 ところが、この日のルーシー・カンコバは第一セットをアンフォーストエラー
を連発し、いいショットを本玉真唯にカウンターショットを決められて
ポイントを奪われる展開。簡単に世界的には無名の日本人に取られてしまう。

 ここでルーシー・カンコバがトイレットブレイクを取って、コートに戻り
集中力を取り戻して、長いラリーに持ち込み、イーブンペースとなったが、
そこから本玉真唯がフォアとバックのストレートを高い打点から打ち込み
エースでポイントを奪う展開。

 明らかに動揺して集中力を見だしたルーシー・カンコバに劣勢を跳ね返す
精神力がなく、ストレートで敗れてしまう。

 ママカンコバに『熱いサポートありがとうね』と英語で言われて、『来週
以降、いいニュースを期待しています』と英語で返す。そこに泣きながら
娘の方がやって来た。まぁ、こういう時はほっておくのが一番なので、
別れの挨拶もせずにここを離れる。

 しばらくすると、荷物をまとめた本玉真唯がやって来たので、祝福の
言葉を話すとにこやかに『ありがとうございます。』と答えてくれた。
この大会で彼女は第六シードプレイヤーを倒したわけで、この調子で
疲れずに調子を保つと面白いことになりそうだ。

 このコートの試合が二つとも長い試合になったので、他のコートのシングルス
はほとんど終わっていて、ダブルスの試合と練習を見る。我々のやるダブルス
ではなかなかIフォーメーションなどを使わないが、このレベルになると
使ってきたり、トップスピンロブなども交えてかなり縦も横も変化があり
エースで決まるのが楽しい。色々な意味で発見があったり、再認識がある
ダブルスで、こういうのを見て、ダブルスのコンビネーションに生かしたい
と思っている週末プレイヤーのお客さんも多いことだろう。

 シングルスで大熱戦が一つ、ダブルスでの競り合いの試合を二つ見ると
さすがに面白いしうれしいが疲れるのも事実。それに加えて一日に二つの
シーズンが存在するような天気で結構疲労を感じてしまい、最後の試合は
目の疲れを感じながら観戦。以前、岐阜でカンガルーカップを見ていた時に
ビッグサーバーのサービスエースを目の前で見ていたおばちゃんが
『うわー。すごい速いわねぇ。岐阜羽島で私が乗る予定のこだまを待っていた
時に目の前をのぞみが走り去っていった時を思い出したわ。』なんて言ってい
たがそんなスピードを一日中見ていたら確かに眼精疲労は感じるわけで
目の神経の疲れを感じて、ホテルへと戻る。
 
 近鉄で難波まで着き、そこから本町へ。一年ぶりのこの道である。
靭の会場に到着して、まず最初に見たのが、セルビアのケクマノビッチの
ゲームを見る。彼の母親が試合を見ていて、試合後に少し話す機会があった
のですが、私が名古屋人でピクシーがプレイヤーとして監督とのキャリアが
あって、その彼のおかげで私たちのセルビア人に対する印象は非常にいい
ということなどを話す。

 口がなめらかになってきたママケクマノビッチが話してくれたのが、
今の息子はセルビア在住ではなくて、錦織圭と同じベースを作って、
IMGのアカデミーで練習しているということ。

 そこにやってきたのがIMGの担当者。素晴らしいプレイヤーにはIMGや
その他のエージェンシーがすでに色々とコントロールして、卵を予定通り
孵化させようということだろう。

 ママケクマノビッチがIMGの東京サイドの方とここを離れて、そばにいた
クロアチア人と言葉を交わす。彼はクロアチア人でイタリア語もわかるので
イタリア語で話す。

 これは何を意味するかというと英語で話している時よりオープンに話が
できるということとなる。以前、アンチッチの母親と会った
時に英語で話している時は話さないようなことをイタリア語で話している
時は話してくれていて『私が病気していた時は旦那は料理できないから、
飢餓で死んでしまうから、過剰にやさしくなるのよ』なんて言ったりして
いたり、イバン・リュビチッチと昨年の有明で会った時にイタリアの衛星の
SKYのスポーツ局の話を割にオープンに話題にしてうだうだ話すことが
できたりなんてことがあったが、クロアチア人とイタリア語で話すと
まぁ、こういうオープンさを有することとなる。

 シングルスのゲームが終わり、ダブルスを見るが、プロの世界の28歳と
26歳はそれほどフィジカルに差異はないが、ジュニアでの三歳違いはかなり
大きな違いがある。しかし、体がかなり出来上がっている18歳のプレイヤーと
まだ発育途上の16歳のプレイヤーは違いが大きい。ただ、シングルスと違って
ダブルスだと戦術で互角だったり五角以上の戦いをすることができるわけで
これは我々のような週末テニスプレイヤーはパワープレイヤーを相手にする
時に非常に参考になる。

 楽しみながら、勉強したり、再認識したりしながらダブルスの試合を見て
ここを離れてホテルへと移動する。楽しい大阪滞在になりそうだ。
 
 日曜日のイタリア選手権最終戦でマッシモ・ロッコリがMVアグスタを
駆り、スーパースポートクラスの四回目の栄冠に輝きました。
http://www.civ.tv/ss-trionfa-roccoli/

 例年、このクラスはトップ3からトップ5が僅少差でタイトル争いがもつれ
るのですがやはり経験と速さを持ち、MVアグスタが壊れなかったら、
こういう結果になるのかなと思っていましたが、ライダーのマッシモ・ロッコリが安定的にトップクラスを走り、マシンが壊れなかったらこういう結果に
繋がりましたね。

 同時に思ったのはメーカーの母国ではやはり力も多少は入れるわけで、
ドイツ選手権におけるBMW。イタリア選手権のドゥカティとMVアグスタが
メーカーからエンジニアやマネージャーがやって来て、世界選手権での
活動ほどの予算やエネルギーはないにしても、ただモノを出すだけではなくて
アイデアやリソースをマシン開発にぶつけてそれが当たったら速さや強さを
持つことができる。それが他社に比べてのアドバンテージになって、
こういう栄冠に繋がるということですね。

 マッシモ・ロッコリは以前、ヤマハのマシンでタイトルを奪っていますが
今回のタイトルは違った喜びがあるものでしょう。

 
 私は日曜日までもてぎに居たのですが、もてぎから水戸に戻ってきてから
していたのはイタリア選手権の最終戦の模様のチェックでした。
土曜の第一レースをしっかりとまとめて、日曜の第二レースを見事にライバルを圧倒してイタリア選手権のスーパーバイククラスのニューチャンピオンになったのはミケーレ・ピッロでした。
http://www.civ.tv/sbk-doppietta-per-pirro/

 今回のタイトル獲得というのは非常に意味のある、素晴らしいことでした。
彼にとっても嬉しかったことでしょうし、バルニレーシングにとっても
大きなことですし、ドゥカティにとっても大きな意味があり、さらに来季から
MotoGPにタイヤを供給するミシュランサイドにとっても大きな勲章となりました。

 彼のキャリアを振り返ると125cc時代というのは後方を走ることが多い
ライダーで多くの人たちは全く評価していませんでした。

 その彼がロレンツィーニバイレオーニに加入して2ストローク125から
4ストローク1000にスイッチをした時に思ったのは彼はチームに少なくない
額を払って乗ることができたのだろうというものでした。

 この考えというのは当時のスーパーバイク世界選手権のパドックでかなり
共通理解となっていました。

 ということで当時のロレンツィーニバイレオーニというチームで
ストック1000を戦ううえで一人は強いいいライダー、もう一人はチームの財政
を支える上で持参金があるライダーと契約したのだろうなという考えが
パドック内で浸透していました。

 しかし、4ストロークのリッターバイクが初めてでありながら、ずっと
キャリアの中でそれまでずっとR1を乗っていた速いライダーで評価の
高いジャンルカ・ヴィッツェッロと同等だったり、凌駕する速さを見せはじめたのがミケーレ・ピッロでした。

 これはかなり驚きでしたね。まぁ、125時代の成績から居なくなったり
趣味レベルでお祭りレースに出るぐらいの活動になってもおかしくなかった
彼がジャンルカ・ヴィッツェッロを凌ぐような速さを見せた。

 同じようなことは125でダメダメだったミシェル・ファブリッツィオにも
言えて、彼の2ストロークの125時代は大した成績ではなかったのですが、
スズキの4ストロークのリッターバイクでいきなり速さを見せて
ストック1000選手権を制してしまった。

 努力する方向性を間違ったり活動するカテゴリーを誤ると能力を発揮できず
正しい決断をして良いチーム走ると本来の力を発揮できる。当然といえば
当然ですが、ミケーレ・ピッロとミシェル・ファブリッツィオはそれが
ものすごくわかりやすい形で見えましたね。

 ミケーレ・ピッロはストック1000選手権で好成績を残し、払って乗る
ライダーではなくもらって乗るライダーになりました。

 そして、幾つかのオファーの中からスーパースポート世界選手権に活動の
場を移し、群雄割拠の中で素晴らしい走りを見せて、世界レベルで勝てる
ライダーとなり、その彼にドゥカティからテスターというオファーが届きました。

 その彼が単純に平日にサーキットを走るだけでなく、レギュラーライダーが
怪我などで出場できなかった時は代役として走り、卓越した能力を見せました。
そして、今季はドゥカティのテストライダーをしながら、怪我したライダーの
代役でスーパーバイク世界選手権やMotoGPを走る準備をして、実際に走る
こともありながら、イタリア選手権のスーパーバイククラスにバルニレーシング
での参戦するということになりました。

 その彼がいいチームで思い通りのことができたり、希望を通すできるような
システムの中で持っている能力を発揮できたら結果はついてくる。
彼がムジェッロで勝てない時はできるだけ上位で走ってポイントを稼ぎ、
勝てる時はしっかりと勝ちきる。それを全うして彼にスーパーバイクの
イタリア選手権チャンピオンになりました。

 間違ったチームに入ったらどうなるのか、そして、辞めてしまったら
先はない。現状の評価が低くてもしがみついて続けることで道が開ける
ことなどが彼のタイトル獲得の向こう側に見えてきます。

 今回の彼のタイトルはバイクメーカーにとっても大きいし、チームにとっても
素晴らしいことでしたし、来季からMotoGPに供給を再開するタイヤメーカーに
とっても意味のあることでした。彼のキャリアを振り返り、彼にも幸せな
瞬間が訪れてくれて本当に良かったなと思った私でした。
 
io stavo a motegi in giappone dove c’era la gara di MotoGP
anzi a mugello in italia c’era ultima gara del campionato tricolore
e michele pirro ha fatto doppietta e alla classe regina della repubblica
e lui e’ il nuovo campione italiano con la casa di borgo panigale e
ottimo support della casa francese michelin

quando vedo la carriera di michele pirro
i primi anni non potevo capire il suo talento da guidare la moto
infatti la sua risulta’ alla classe di ottavo di litro non andava bene

e quando ebbe cominciato correre al campionato stock 1000 alla
squadra lorenzini by leoni yamaha
primai di cominciare la stagione credevo che fosse il pilota che
potesse pagare alla squadra

quindi ci furono un pilota forte e altre pilota che ebbe pagato
e anche al box del superbike mondiale(perche’ la gara di stock 1000
quasi stessi calendario sulle stesse piste in europa)tanti ingernieri
manager e anche i piloti della stessa classe e altre categorie
pensavano che fosse il pilota che ebbe pagato

pero’ lui ebbe cominciato spiegare il suo vero valore alle piste
tantissimi pensavano che gianluca vizziello fosse il pilota forte
e candidati per il titolo alla classe stock 1000
pero’ al fianco di pilota di matera anche michele pirro ebbe guidato
come il suo compagno della squadra senza nessun esperienza
da guidare R1 yamaha!

questo mi faceva sentire la grandissima sorpresa e mi faceva ricordare
michel fabrizio che non fu competitiva alla classe 125
anzi alla campionato stock 1000 lui ebbe guidato benissimo la sua
suzuki mille con suppuorto dell’alstare suzuki

sia michel fabrizio che michele pirro
quando sta alla squadra ottima senza nessun esperienza
poteva guidare la mille 4tempi e ci facevano sentire la sorpresa

dopo un anno di esperienza michele pirro era protagonista
alla classe stock1000 e poi poteva girare competitiva alla categoria
mondiale supersport dove ci furono tanti piloti forti e dopo essere
firmato contratto con la casa di borgo panigale il suo lavoro maggioranza
e’ il collaudatore pero’ quando il pilota non puo’ correre michele pirro
fa ottimo lavoro contro tanti protagonisti alla mondiale superbike
e MotoGP

la questa stagione anche il suo lovoro principale e’ il collaudatore della
casa bolognese pero’ lui puo’ correre superbike al campionato italiano
con la barni racing e lui e’ finalmente campionato italiano e lui ha
regalato la bellissima vittoria alla casa di borgo panigale e michelin
che deve svillupare le gomme per la preparazione da fornire le gomme
alla classe MotoGP

la bellissima notizia di michele pirro puo’ spiegare una cosa
il pilota che ha sbagliato la classe da partecipare non puo’ correre come
preferisce e quando sta alla ottima squadra puo’ girare ai primi posizioni

e poi i primi anni lui e’ il pilota da pagare pero’ quando puo’ correre
ai primi posizioni puo’ guardagnare i soldi e puo’ vincere la classe regina
in italia

il suo successo significa tante cose cioe’ il pilota (e il suo manager)
deve credere tante cose giuste e poi non ha smesso mai di correre
lui puo’ stare alle piste e puo’ vincere il titolo nazionale e ora
puo’ credere di mondiale(molto probabile con wild card lui puo’
partecipare)

una volta sbaglia pero’ lui non ha smesso mai di correre e gli ultimi anni
lui mi faceva vedere i capolavori e ha vinto il titolo nazionale

bravo e complimenti michele!!
雨の日曜日である。ただ、大降りではないのはありがたい。これだったら
レースができるだろうと思いながら車中の人となる。

 水戸からの道中で中学か高校ぐらいの年齢の人たちがランニングしていた。
まぁ、日本という国では高橋尚子と野口みずきの大活躍によってランナー人口
が増えたこと。この国で月曜日が休みなのは1964年の東京オリンピックが理由
であることなどを話す。

 2020年のオリンピックとパラリンピックは東京での開催になっているが
その次はどうなるのか、2024年の開催都市に関してはローマが手を挙げてい
るが果たしてどうなるのか。これに関してはイタリア人は賛否が分かれてい
ることを再認識する。

 マッテオ・レンツィに関することなどを話しながら、サーキット入り。
雨の強さは感じないが、霧の濃さは感じる。同じような状況に今週末開催の
富士のWECもなっているのではないかなどと話す。

 Moto3クラスのウォームアップは8時45分だが、これがディレイになっている。ディスプレイでは、リスケジュールが後ほど示されるとなっているが、
果たしてどうなるのか。昨日のアレックス・デアンジェリスの事故を考えると
ドクターヘリが飛べないというような状態だとセッションを進めるというのは
worseではなくてworstの状況を作りかねないわけで、これは懸命な判断だと思う。

 サンカルロのところに行く途中でばったりとフランコ・バッタイーニと
出くわす。雨でもてぎというと99年に初開催のここで彼がFGFバッタイーニ
レーシングでアプリリアを駆ってポールポジションを奪ったことを思い出す。
そんな話をしているところに、ジャーコモ・グイドッティと顔が合う。

 バッタイーニがポールポジションを獲得した時のチームのチーフエンジニア
が彼であり、あの時の様子を思い出しながら話す。あの時期のイタリアでは
地上波での放送があり、RAIのマッシモ・アンジェレッティが興奮して
パドックからレポートをしていた時のことが記憶によみがえる。

 サンカルロのところに行く。クリスティアーノ・ミッリョラーティと
しばらく話す。彼はチームマネージャーであり、同時に教師役であるのだが
その彼と三週連続のレースで一週目に転んだりしたら、三週続けてノーポイント
なんてことになりかねない。それはライダーにとっても、チームにとっても
スポンサーにとっても、メーカーにとってもまずくて最悪な話だし、ライダー
についているスポンサーにとってもダメージがでかすぎるということを
話していると若い二人のライダーが神妙な顔つきで聞いていた、
まぁ、できる無理とできない無理を冷静に考えることも必要である。

 ドクターヘリが飛べる状況になり、リスケジュールのアナウンスメントが
あった。ウェットコンディションながら、ウォームアップ開始。
これがMoto2&Moto3クラスが10分。このコースは長いのでタイヤ交換を
している間に時間が終わってしまうので、実質的にはレインセッティングを
して本人のライディングのフィーリングを確かめるという時間になった。
少なくともMoto2&Moto3に関してはウェットレースだと考えていました。

 MotoGPのウォームアップが終わり、本来なら色々とサポートイベントが
開催される予定であったが、この天候でリスケジュールとなったこともあり
すぐにMoto3のレースが開始。これがどんなレースになるのだろうかと
思っていたが、ニッコロ・アントネッリが素晴らしい走りでレースを支配。
難しいコンディションながら、ライバルの脱落にも助けられてトップを
独走。しっかりと築いたマージンをキープしての優勝。

 私は途中から彼のピットに居たのですが、彼の若さや甘さが出るのではないか
という思いから、ヒヤヒヤドキドキがあったのですが、ほぼノーミスで走りきり
見事な優勝。彼のチームスタッフや父親と一緒に喜びを味わえて嬉しかった
ですね。
 
 Moto2は金曜日の朝にタイトルを決めたザルコがハードな戦いになりましたが
タイトル決定したこのもてぎで優勝して、ワールドチャンピオンTシャツを
まといパドックへ凱旋。個人的には彼の喜んでいる様子や祝祭ムードを
味わいたかったのですが、DORNAもIRTAのスタッフもTV放送のスケジュール
のことを考えて、急かしていたのが今のグランプリを表していましたね。

 MotoGPはまぁ、ヤマハの独走かと思いきや、以外にもダニ・ペドロサが中盤
から追い込んでサプライズ感満載の優勝。バレンティーノ・ロッシが二位で、
二位を走っていたロレンソがコースアウトで三位。これで残りのレースを
バレンティーノ・ロッシは二位狙いでタイトルを収めることができたなと
実感しました。まぁ、彼ほどできる無理とできない無理を考えて走っている
人はいないわけで、そういうこともあって、全盛期は過ぎたかも知れませんが
今年もタイトルの可能性が高いのかなと思いますね。

 同時に盛り上がったには盛り上がったのだが、最近のテニスだったり、
CSではなくて、NHKBSの放送があり、日本人ライダーが活躍して優勝争い
していた時を知っているとCSによる払ってでも見るという放送体制と
自国の民族や国籍のヒーローがいないと盛り上がりの沸点はここまでなん
だろうなという思いも感じてしまう。今回もワイルドカードで出たライダーが
いたが、今ひとつではなくて、今二つだったり、今三つだと鈴鹿の八耐が
一番お客さんが集まるレースであり、BSの放送で見る人も多いのだろうなと
いう印象を抱きましたね。

 MotoGPのレースの後にすぐに帰る客も多いが、サポートイベントが
あり、観客の帰宅時間の分散化があるので、99年の時のように信じられ
ないような渋滞にはならずに済むからいいなと思っていたが、出発しようと
したところで何と車がバッテリー上がり。親切な方に助けていただき、
その後羽田へと向かうが、マウリツィオが眠気が強くなって、嫌な汗を
周りの連中がかくことになる。

 何とか羽田のレンタカーのオフィスの到着して、同じ時間帯にやってきた
他の連中のメカニックやチームスタッフが私服すがたになっているところを
見てレーシングウィークエンドが終わったなと実感する。

 例によって牛丼を購入。AGVのマウリツィオが夕食を食べる前にしきりに
腹が減ったと言っていたので、今回は大盛りを四つ手にして、彼の泊まるホテルへ
移動。すぐに車中の人となり、サーキットへ移動。車内に牛丼の匂いが広がる
中で各々の訛りのイタリア語が話される。話の内容が今季のイタリア選手権と
スペイン選手権の話であり、ルカ・ビターリの話とニッコロ・ブレガの話題である。

 ルカ・ビターリは当然、マウリツィオの息子だから話題になるのは当然で
あるが今季、スペイン選手権を走り、来季世界選手権に上がってくる
ニッコロ・ブレガの話になるというのは注目度の高さを表していると思う。
私のこのブログを長く読んでいただいている読者の方々は私とダビデ・ブレガ
との密接な関係をご存知でしょうが、彼の息子のニッコロに対する業界評価の
高さであったり期待値は日本人の関係者が考えている以上のものがある。

 そんな二世ライダーの話をしているうちにサーキット到着。すぐに
アプリリアのピットに行き、かつての盟友のアンドレアにレッドブルをごちそう
になる。このアプリリアのピットの隣がやはりアプリリアのマシンを走らせる
iodaレーシング。長い付き合いのジャンピエロ・サッキと少々、日本の若手、
イタリアの新人ライダーの話をする。彼の考えからすると最近の若いライダーは
ロッシが出てきた頃に比べるとやんちゃ度が低い。そのことが何を生み出すのか
というと小さくまとまる傾向が高いわけで、やんちゃすぎてマシンを壊される
のも嫌だが、歯止めとか限界を考えすぎて走られるのも困るということらしい。

 ニッコロ・アントネッリが親父と共にAGVの仮設オフィスに来て、しばらく
話す。まぁ、雨が降ろうとと得意でなくても結果が出るサーキットがいい
サーキットということらしい。

 ノーランヘルメットのエンリコのところに行くと食事中。不健康というか
時間に追われているから仕方ないというかカップラーメンをまとめ買いし
ていて毎日、違う種類のカップラーメンを食べているという。それだったら
私に頼んで牛丼の方がいいと思うのだが、すでにまとめ買いしているという
ことと『体に悪いものがどういうわけかおいしいものだったりする』ということ
で彼らの選択はカップラーメンということらしい。

 Moto3のライダーの参戦ライダーでAGVユーザーと話すとライダーが若い
ということもあり、どうも私の年齢を感じる。同じことはテニスのジュニアの
大会に行って、15歳のプレイヤーと話して、両親が40歳なんて話を聞くと
私の年齢を感じるが、同じことをMoto3のライダーと話していて感じる。

 イタリアのモーターサイクル協会サポートが若手育成プログラムを組み、
ポテトチップスメーカーのサンカルロがスポンサードして生まれたチームが
サンカルロチームイタリアである。そのチームの仮設オフィスで
クリスティアーノ・ミッリョラーティと話す。
彼がマネージャーを務めるチームは協会やスポンサーのサポートがあるが、
それ以外のチームで世界に出てくるとなるとかなりの持参金が必要で、
何とか普通の家庭でライダーの能力がある人にチャンスを与えたい。
しかし、ライダーの努力の方向や低いレベルで満足してしまっていることが
問題だと話してくれる。

 MotoGPのセッションが始まり、何ごともない平凡なことが平和である
と思うのだが、とんでもないことが起きて、空気が氷つくのは起きるのが
このスポーツである。

 アレックス・デアンジェリスのとんでもないクラッシュ。すぐに起き上がる
ことがなく、レッドフラッグ掲示でセッションストップ。メディカルスタッフ、
救急車が現場に向かう。

 こういう現場というのは私も何度も見ることがあったが、特に親しい仲
のライダーでこういうことがあると辛いものがある。

 見つめる時間がひどく長く感じるのだが、結局ヘリコプターで獨協大学病院
に搬送されることとなった。よりポジティブに考えると頭部のダメージが
ひどいてヘリコプターでの移動は困難であるわけで、そういう意味では
最悪の状況ではないのかなと思うというか思いたいと考える。

 しばらくして、セッションが再開。アレックス・デアンジェリスの状態に
関しては徐々にworstではなくてworseであるという報告があり、少々ほっと
する。

 集中するのが難しい状況であったが、MotoGPのセッションが再開。
二台のヤマハの素晴らしい走りに満足した人は多かったことだろう。
この二人は僅少差であるがそこからコンマ4秒違うというのはライバルには
ショックな話。これであれば日曜日の午後は雨のほうがいいと考える
チームやライダーも多いだろう。

 Moto2のセッション中に徐々にアレックス・デアンジェリスの状況の
アナウンスメントが入ってくる。まぁ、最悪の状況は避けられそうだということ
で関係者の中でほっとした空気感が流れる。

 Moto3のセッションが終了。まぁ、テニスを見ていて、昨年来からの
テニスの盛り上がりを眺めているから強く感じるが、自国の人間が地元の
大会で活躍したら盛り上がるが、今のレース界では日本での盛り上がりに
関しては中野や玉田が活躍してNHKBSが放送していた時代に比べて熱が
低くなるわなぁと思う。

 明日のレースがかなりの確率でレインになるということでAGVもダイネーゼ
もその対策と準備に追われる。他社はどうかというとやはりノーランヘルメット
もシャークヘルメットもいつもの仕事量にプラスして雨対策で時間が掛かって
いる。まぁ、彼らの仕事を見ていると、車の方のレーサーで業界政治の中で
レーサーのためのヘルメットを作り、準備しなければいけないのはわかるが、
そのレーサーが活躍したところで、果たして売上に繋がらないし、レースの
中で気に入らないことやクラッシュやテクニカルプロブレムでヘルメットを
放り投げたりすると、モノも出して、レーシングサービスの人間も加わり
人もモノもリソースも費やして、利益につながらなくて、腹が立ったら
製品を投げつけるというのは嫌な話であり、レーシングサービスの方々が
クラッシュしたら自らのスキルに何が足りなくて何が必要か考えるべきで
テクニカルプロブレムの場合は命を守ってくれるヘルメットを投げるのでは
なくて、コンピューターの画面に向き合って、エンジニアやメカニックと
原因を究明して次のレースに備えて同じミスを二度しないことを考えるべき
だという言葉が私に突き刺さりますね。

 遅くまでレイン対策をして、サーキットを離れる。例によってオンロード
なのにパリ・ダカールラリーのような車体の動きを感じながら水戸へ到着。
食事をしながら、アレックス・デアンジェリスのマシンに誰が乗るのか。
彼の早い回復と復帰を願うが、彼のマシンに乗りたいライダーやチャンスを
求めている関係者がジャンピエロ・サッキが落ち着いたら交渉の場を持ちたい
のは当然だし、チームも全戦参戦ということで付いているスポンサーも多い
わけで、サンマリノ人の回復を待って活動再開ということは考えにくい。
果たしてセパンやクアラルンプールで誰が走るのだろうかなどと話し、
今週末のイタリア選手権のムジェッロの状況、そのムジェッロで重いバイク
で一定程度以上のレベルがあり、ブリヂストンのタイヤ、Iodaレーシングの
マシンに興味があるライダーが誰になるのかを考える。

 個人的にアレックス・デアンジェリスの兄のウィリアム・デアンジェリス
と近いわけであの兄弟のことを考えると辛いがそれでもレースは続いている
という真理を感じながら時が流れていった。サーキットには美しいリアリティ
と醜いリアリティが存在する。
 
 水戸駅近くのホテルに行く前に昨日はランチが取れなかったのですき家に
行き、牛丼を四つ購入。かつて、F1のワールドチャンピオンのアラン・プロスト
が簡単に腹持ちが良くて、温かく待たなくていい牛丼を好んで食べていたが
同じことはバイクの世界でも言えて、マウリツィオ・ビターリは牛丼好きである。

 ロビーに到着して、車でサーキットへ。水戸からもてぎまでの道というのが
パリ・ダカールラリーの練習だと思っているようなところがあって、オンロード
なのにオフロードのように感じる。

 サーキットに到着。かばんを置いて、歩いているとアプリリアのピットの前で
かつてチームアブルッツォ時代に一緒だった連中に捕まり、エスプレッソをご
ちそうになる。この時間までアプリリアのロマーノ・アルベジアーノと顔を
合わせていないが、どういう理由かは深く聞かなかったが来れない理由が
あるらしい。業界人が集まるイタリア選手権のムジェッロに行っているのか、
ノアーレのオフィスなのだろうか。

 ロマーノ・アルベジアーノというマネージャーには良くしてもらったので
ここで会えないのは残念である。

 しばらく歩くとヤクブ・コルンフェイルと会う。こうしているとチェコ人の
業界関係者が少なくなったなぁと実感する。今回のこのレースでは
ABカーディオンのホンダオープンのマシンはカレル・アブラハムが乗らずに
日本人ライダーの秋吉が走らせるわけで、チームとの付き合いもあるが
ライダーやライダーの父親と密接な関係のある連中は日本までは来ないらしい。

 チェコ語の話になって、かつてマレーシアで過ごしていた時にチェコの
大使館に出かけて何とかチェコ語が勉強できないかと尋ねたところ、大使館員の
答えというのが『この国にはチェコ人は30人しかいない。チェコのコミュニティが
存在しないから、インターネットを使って、個人で勉強するように。』

 というもので、個人でできないからこうして大使館まで来たのに為す術が
なくてがっかりしたこと、チェコ人が日本語を勉強しようとしても地方都市だと
難しいだろうということなどをうだうだ話す。

 ルカ・ボスコスクーロと会い、今、Moto2やMoto3に行くとしたらいくら
お金を持ち込めばいいのかを話す。彼のチームに限らず色々な意味で
課金制の衛星放送のみでの露出となると、商品訴求力だとか広告価値という
部分で難しいわけで、払ってでも見るというのは素晴らしいことだし、
それは大事だがスポンサーの広げたい部分というところで齟齬がイタリアでも
スペインでも起きているという話をする。

 フォワード・レーシングのピットでマンフレッド・ガイスラーと会う。
彼のライダーとしての活動を終えてからの仕事というのはメカニックであるが
2000年代のアプリリアジャーマニーやヤマハクルツ時代のことが強く印象に
残っていて、あまりスズキ時代というのはファクトリーチームで時間を設けて
話す機会がなかったので、こうして、フォワード・レーシングのウェアを着て
話すというのはそれまで感じない空気感を感じる。まぁ、イタリアのチームに
思われがちだが、正しくはスイスのチームでスイスジャーマンもいるようなので
彼が溶け込んでいても不思議ではない。

 AGVの仮説オフィスに戻り、ランチタイムである。私のおごりの牛丼を
喜んで食べてくれる。出てくる話というのはイタリアで3ユーロだったら
何も食べられないということで歴史的にインフレの国とデフレが続いていた国の
違いを感じる。

 カルロ・ペルナットの親父さんと会い、90年代の鈴鹿にはかなり多くの
客が来ていたのに、最近はそれほどでもないのは何故かと質問を受ける。
答えは単純で最近のテニスを見ていると錦織圭の登場以降、スポンサーが
増えたり、BSという払わなくていい形でのテニスの放映が増えたり、
テニススクールのキッズクラスの受講生が増えたり、大会の前売り券の
売上が圧倒的に変わってきたりと一人のスターの誕生と活躍が経済活動を
活発にするという話をする。

 そこにやってきたのがヨニー・エルナンデス。彼の国でMotoGPが盛り上がる
かどうかは彼の活躍にかかっているだろうが、この世界はライダーの能力も
大事だがパッケージの良し悪しが大事でそれを固めるのも現代のレース界では
ライダーの仕事の一つに入ることを話す。個人的にルーチョ・チェッキネッロ
はライダーの走るだけの能力では中位レベルだったが、その彼が世界選手権
のレースで幾つか勝てたのは彼のビジネスマインドだったと話す。

 ジョバンニ・ザマーニがやって来て、そこにダニーロ・ペトルッチが加わる。
いつも来ているダニーロの父親というのは私とは昔からの付き合いなのだが
今回は来ていない。仕方なくパパペトルッチに渡す予定だった孫の手を
ダニーロに渡す。話題の中心はかなりの確率で降るであろう日曜日の雨の
こと。ダニーロ自身にとっては雨のほうがチャンスがあるだろうが、
何年か前の台風が直撃しなかったが、大雨がヘリポートが設けてある
大病院の辺りで降り、病院ともてぎの間の霧が濃いために金曜日のセッション
が全てキャンセルになった時のことを話す。キャンセルは困るがある程度
降って欲しいというのが、彼のような立場でファクトリーチームとの違いを
感じながら走るライダーの本音である。

 チームイタリアに行き、クリスティアーノ・ミッリョラーティと話す。
そこにイタリア人のメカニック、イタルトランスの元ライダーで現在
マネージャーのロベルト・ロカテッリ登場。何だかかつてのteam axo
inoxmacel時代のことを思い出す。私のことを知らないイタリア人に
私が初めて会ったイタリア人ライダーというのが髪が長かった時期で
500ccクラスにハリスヤマハで走っていたクリスティアーノで鈴鹿サーキット
で初めて会った時に私は今ほどイタリア語が話せなかったこと、私が
ヨーロッパに行って、現役時代の彼に世話になったこと、スーパースポート
世界選手権からイタリア選手権にステップダウンしたが、そこでダビデ・ブレガ
のチームでイタリアチャンピオンになったことなどを話す。

 その彼がFMIの要請に応えて、チームイタリアで仕事を始めたのだが
彼にとっては能力はあるが運がなかったり、努力の方向性を誤っている
ライダーを見るのが辛いらしい。前者はかつてストック600でファンデンマルクと激しいタイトル争いをしたがタイトルを取りそこねて、スーパースポート
世界選手権やMoto2で走ることになったが、運がなかったり、チームを間違えた
リカルド・ルッソであり、後者は今のMoto3のライダーらしい。
そのミッリョラーティだが、新垣敏之さんが来場するなら昔話をしたかった
らしい。新垣さんは今週はお台場でのイベントに参加ということの
ようだと話すと非常に残念がっていた。

 夕方になり、イタリア選手権に関する話や情報が入ってくる中、帰り支度する。例によってマウリツィオ・ビターリのラリードライビングで水戸へと
戻り、夕食をニッコロ・アントネッリの父親を交えて食べる。

 まぁ、マウリツィオ・ビターリを含めてだが、ライダーの父親というのは
まずいくらチームに持参金を持っていけるのかとか、いいパッケージで走れるか
どうかなのか、チームマネージャーの評判であるとか、近い将来の予定と
希望などを話す。さすがに私もこのブログでこの会話の内容は話せないディープ
なことで、こういうところを議論のたたき台として知っていなくて、ただ
世界レベルで走りたいという強い思いだけで冷静な計算がないととんでもない
経済的な損失を被ったり、いいパッケージで走れないだろうなと実感する。

 彼らと別れて、第三のビールを飲んで寝ることにする。
 ホテルを出て、成田空港に行く。いいお天気で台風が直撃しなかったのは
幸いである。もし、木曜日到着の人が日本の他の空港につくはめになったり
もう一日、経由地や出発地で待ちぼうけをすることになったらどえらいこと
であると思っていたわけで、かつてのアスパーが成田に着陸できずに関空に
上陸した時やロベルト・ロカテッリがソウル一泊になった時のことを思い出し
ながら、AGVのマウリツィオを待つ。

 フランクフルトからは45分遅れだったが、かなり他社便もあり混み合っている
時間帯ということもあって、ロビーにやってきたのが40分ほど後。成田なので
ここからレンタカーのピックアップで車を取りに行く。同じ車にジャーナリスト
のジョバンニ・ザマーニも一緒である。

 ジョバンニと福島のことに聞かれたり、マッテオ・レンツィ内閣発足以降の
イタリアの政治状況と東京の次のオリンピックとパラリンピックの話をする。
2024年のローマでの開催というのはイタリア人の中で賛否が割れている話で
それはそれでいいとは思う。その賛成や反対のところにイタリアの南北問題や
バルカン政治が絡むのはイタリアらしいところではある。

 マウリツィオは荷物が多いから、大きめの車をリクエストしていたが、
それほどでもない車であったため、チェンジしてもらうように話を進めて、
ウェイティングの後に違う車で茂木へと移動する。

 スーパーバイク世界選手権のフランスラウンドが先週末。ファイナル
ラウンドはヨーロッパを離れるのでストック600とストック1000選手権は
最終戦で息子のルカ・ビターリのレースのことや近い将来の話、チームの
内情や今後の希望と予定などを話す。

 今週末はイタリア選手権の最終戦のムジェッロではあるが、ルカは参戦
せずに先週で彼の今シーズンは終了ということになった。

 ストック1000選手権は我々と近い関係のあるロベルト・タンブリーニが
タイトルの可能性があったが、残念ながら彼はタイトルを逃して、ロレンツォ・
サバドーニがアプリリアのリッターバイクを走らせてのタイトル獲得となった。

 こうなるとアプリリアのマシンでスーパーバイク世界選手権参戦かと
思いきやアプリリアの社内政治やスポンサーの都合など色々と思惑が絡んで
いて一筋縄ではいかないようらしい。まぁ、現実の政治と経済が元で動くわけで
タイトルを獲ったからといってすんなりと行かないのは仕方のないことではある。

 そんなこんなうだうだ話しているうちにもてぎに到着。ジャーコモ・
グイドッティと会う。子供がモトクロスをやっているようで、それを
喜んでいるのが彼であるが、子供の笑顔をもっと喜んでいるのがおじいちゃん
であるらしい。

 カルロ・ペルナットの親父さんと顔を合わせる。初めて彼と会ったのが
95年の昔のクアラルンプールのエアポート。昔の話、今の話に花が咲く。
この親父さんにパドックパスを発給してもらって鈴鹿サーキットに入れる
ことになり、それが今に繋がる大きな意味のある最初の一歩だったわけで
彼から全日本選手権の話やメーカー関係の話を尋ねられたら喜んで答える。
まぁ、私がバイクメーカーとは縁のないインディペンデントの存在であることを
よく理解していて、中立の立場で話ができることをわかっているから、他の
ジャーナリストに質問をしないで私に話を聞きに来る。これももう15年以上
そんな関係である。

 チームアヴィンティアのシモーネ・ファルチーニと会う。お互いに立ち位置は
変わるが友情は変わらない。変わったのは彼が子供が生まれて、その子供が
バイクに夢中であることを喜んでいることらしい。その中での唯一の悩みが
オフロードというかモトクロスの方に夢中なので奥さんの洗濯の仕事量が
大変だということのようだ。まぁ、確かに雨の中で激しい走りを長時間したら
泥だらけになるが、毎回使い捨てにはできないわけで、それはよくわかる。

 AGVの仮説オフィスに行くと、そこにサンドロ・コルテーゼ登場。
彼の国籍はドイツではあるが、イタリア人の関係者と会うとイタリア語になる。
まぁ、ジョバンニ・ザマーニとオリンピックの話の時にイタリアの南北問題
の話題になったが、ドイツには南部イタリアから経済的に秀でているドイツに
移住して、そこで生活基盤を築いた人も多いが、彼の家族もその中の一つである。

 今週末は日本のもてぎでMotoGPの日本グランプリがあり、イタリアでは
イタリア選手権の最終戦のムジェッロがある。そんなわけで、来日しなくて
ムジェッロの方に出かけている関係者も多いと聞く。

 SKYのスタッフと会い、しばらく話す。今回はグイード・メダもマウロ・
サンキーニもミラノのスタジオで実況ということでテクニカルスタッフと
ピットレポーターのみの来日ということ。私とグイード・メダとの長い関係
やマウロ・サンキーニがジモータースポーツでスズキの600でスーパースポート
世界選手権で走っていた時のことや彼がイタリア選手権でチームベルトッキ
でジョバンニ・ブッセイと激しい戦いをしていた時のこと、彼がイタリア選手権
のスーパーバイククラスで参戦していてバッレルンガの最終戦でタイトルを
奪った時の素晴らしい空気感のことなどを話す。SKYの関係者の中には
マウロ・サンキーニというと近年のライダーを辞めてからのコメンテーター
としての活動しか知らない人も結構いて、私の話に興味を持って聞いて、
色々と質問を受けた。

 アンドレア・イアンノーネと会う。シーズン後にラリーに出ることを決めて
色々と動いて、話がまとまってから、急にスポンサーやメーカーの態度が
変わって、ちょっとややこしいことになっているという話をする。
まぁ、イタリア人にありがちな話ではある。

 アンドレアと彼の父親と話しているところにABカーディオンのメカニックの
マルティンが登場。96年から98年辺りの500ccクラスのホンダ2気筒が出てき
た時は小さなチームがマシンを買って、それで上位に入ることもできたが、
オープンカテゴリーのバイクで昨年、今年と出走してもマシンは高額なうえ
に競争力に欠けているので、そうなるとチームやライダーは他のカテゴリー
や参戦体制を考えることになるのは必然だと話す。

 しばらく歩くとiodaレーシングのジャンピエロ・サッキと会う。
彼にとっては週末は雨になってもらったほうがチャンスが生まれるので
中止にならない程度に雨が降って欲しいと思っている。まぁ、ファクトリー
仕様のアプリリアであっても、マルコ・メランドリが匙を投げるぐらいなので
レインを求めているのは自然な話である。

 そのマルコ・メランドリがサーキットで見られないのは色々な意味で損失なの
であるが、少なくともMotoGPでは彼に関して代役以外の話がないようで、
恐らくスーパーバイクの話になるが、これもアルテアレーシングの話以外は
何も交渉がないらしい。

 その後、AGVの仮説オフィスに行き、荷物をまとめて水戸へ向かう。
リミニの寿司屋は中国人がやっていて、中国人ビジネス発想が入っていたり
して、やはり日本で食べる寿司や刺し身がいいなどと話しながら飲み食いして
過ごした一日だった。

 
 山本昌のキャリア最後の登板ということぐらいしかドラゴンズファン目線では
注目する部分がなかった試合が大きな意味を持つ一戦となりました。

 CS進出がタイガースになるのか、カープになるのかが広島でのカープ戦の
結果次第ということになってしまいましたね。

 まぁ、これが貧富の差の激しい国でサッカーが国技といえるような所だったら
八百長試合などもあり得てしまうのかななどと思ったり、ここは日本で競技が
野球というもので、かつて黒い霧事件という重く厳しい負の歴史を有している
日本なので、ドラゴンズは近い未来の契約交渉のためにプレイするでしょうし、
山本昌の最終試合ということでテーマ性を有して戦うことでしょう。

 まぁ、どんなことになるのか気にしているのは名古屋人というよりかは
広島と関西圏の方々でしょうね。
 先週は鈴鹿でF1日本グランプリがあり、MotoGPのアラゴンがありました。
レースを見てテニスの情報を眺めていると色々と考えることがあるのですが
そこで感じるのは不在感や不足感ですね。

 今年の楽天オープンのチケットの売上がどえらいことになっているのですが
これはやはり錦織圭の人気と実力が大きく寄与していますね。

 どのスポーツイベントでもそうですが、やはり自国のヒーローやヒロインが
世界を舞台に戦う姿が胸を打ち、そして、立派な成績を上げることが商業
価値を産みますね。

 今のモータースポーツの世界で残念ながら日本人のスターが不足していて
他の国籍の人たちばかりで優勝争いをしているとそこに日本の企業がチーム
なりライダーに支援しようという気持ちが薄れている。

 その一方でテニスでは錦織圭には大小問わず色々なオファーがあって
商業価値が高まり、テニスから離れていた中高年や日本のヒーローに憧れる
キッズ、ジュニアの年齢層がプレイしたり、商品を購入したり、大会に
足を運ぶ。

 先週の鈴鹿やアラゴンの映像を見ていて、日本で盛り上がりが低いのは
よくわかりますね。
 毎年、世界チャンピオン候補に挙げられながら、何かが欠けていて
レースに勝つことがあっても、タイトルには僅かばかり足りないピースが
あってチャンピオンになれなかったジョナサン・レアがついに世界チャンピオン
になりました。

 まぁ、今年のカワサキは強かったし、速かった。ヤマハのR1がサーキットに
なく、ドゥカティがライダーのクラッシュで戦列を離れることが多かったり、
ホンダのマシンが古さを感じさせるものになったり、BMWが控えめな活動に
なっていたり、アプリリアがマルコ・メランドリがMotoGPへのスイッチと
なったりとマシン、ライダー、チームの実力差を感じさせるシーズンであり、
ジョナサン・レアの強さと速さが目立つ今シーズンでした。

 そして、最大のライバルとなるチームメイトのトム・サイクスには
少々、運がなかった。内的要因も外的要因もジョナサン・レアがタイトルを
奪うにふさわしい状況になっていましたね。

 今まで、ライダーの能力という部分で高くパドック内で評価されていながら
ホンダでのライダー生活の中では勝つことはできたが、足りないものがあって
タイトルには届かなかった。その彼が勝つためにメーカーをスイッチして
臨んだシーズンは非常にやりがいもあるが、プレッシャーもかかる一年
でしたが、チームを信じ、マシンに信頼を寄せて見事な戦いぶり。
圧巻のシーズンでした。

 ジョナサン・レアはまだ若い。そして、強い野望が存在しています。
今年のように速いバイクといいチーム体制を有することができれば
二連覇も現実なことになってくることでしょう。

 彼とカワサキのマシンで制圧されたシーズンがはたして来季も続くのか
気になるところです。
ogni anni johnathan rea e’ un candidate del titolo di superbike mondiale
pero’ fino all’anno scorso sempre mancava qualcosa
pero’ finalmente lui tiene il pacchetto perfetto per il trionfo e
al tracciato spagnolo ha vinto il campionato mondiale di superbike!
http://www.gpone.com/en/2015092018203/Nel-nome-degli-eroi-del-TT-Rea-e-campione.html

la motocicletta della kawa e’ velocissima e tutti due piloti hanno l’agonismo
per il trionfo e poi non vedo il problemma sulla pista
sia pilota che motocicletta non hanno nessun stress e poi ancora il
capolavoro della yamaha sta ad iwata meglio ancora ducatista
e’ caduto paio di volte e la motocicletta della honda e’ ormai vecchia
aprilia manca ottimo pilota (marco melandri voleva guidare l’aprilia
sbk pero’ stava alle piste di MotoGP)e la BMW ancora non decide ritornare
alla pista con la forma ufficiale

non solo la moto vincente anche loro hanno la fortuna alla questa
stagione e il nuovo campione del mondo non ha fatto errori gravi e
poteva guidare la moto come preferisce

e il suo compagno della squadra non ha un po’ di fortuna anzi
nord irlandese sempre guida costantemente e non ha fatto errori
non forzati

merita il titolo e ancora lui e’ giovane e tiene la determinazione
con il numero 1 al futuro vicino


 『真夜中のハーリー&レイス』の日テレの梅垣進氏の登場した回をポッド
キャストで聴いて、そう言えば単純に戦いだけでなくて、音楽センスが抜群
だったなと想い出しました。
http://blog.jorf.co.jp/bijuuradio/2015/09/98vs-4c55.html

 まぁ、色々な話が聞けたのですが、やはり、プロレスラーのテーマ曲だとか
来日レスラーの紹介のBGMなどはすごいセンスがあってスタッフの感性が
きれまくったのがかつての『全日本プロレス中継』だったなと思いましたね。

 私は名古屋人なので、ゴールデンタイムでの中継は日テレの製作者の思い
というものがまともに突き刺さったのですが、中京テレビというのはああいう
局で、日テレが土曜の17時半、22時半。そして、深夜の時間帯になると
中京テレビが優先する番組を放送して、ファンが評価した素晴らしい試合
だったり、業界評価が高い大会を放送しないことが多数ありました。

 まぁ、今、DVD化されたり、G+で放送されるかつての全日本プロレスの
大会の映像を見ても、素晴らしいなと思うことが多いですね。
『sky high』を聞くと、やはりミル・マスカラスの姿と倉持隆夫アナウンサーの
『ちびっこたちのアイドル。ミル・マスカラス。国籍不明のメキシコ人』という
フレーズを思い出しますね。

 
 中日ドラゴンズの小笠原道大が引退を発表しました。彼の能力や技術は
素晴らしいのですが、彼のベースランニングを見ていたら、昨年のように
ファーストの守備をすることは難しいし、二塁からワンヒットで生還できな
いだろうから、彼が塁に出たらピンチランナーを出す必要があったり、引退の
時期が近いのかなと思いながら見ていました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150917-00000526-sanspo-base

 彼の打撃の調子が下がってきた。そこで二軍に行くことになった時に
色々な理由があるのだろうと思っていました。

 そして、彼の引退会見と福岡ソフトバンクホークスの優勝。
小笠原道大の今後がどうなるのかはオフィシャリーには発表になっていませんが
ドラゴンズで指導者のポストに就任するということが言われています。

 となると彼が今シーズン、夏場にずっと二軍に居たということはドラゴンズで
今後鍛えるべき人、能力があるが技術が足りなかったり、間違った努力を
しているような人を間近に見ることができて、何を指導すべきかよく理解
できていることでしょう。

 また、ホークスとウェスタンリーグの試合で戦っていて、ホークスの
二軍メンバーで一軍の能力や技術があるにも関わらず、福岡では選手層が
分厚くて出番がないプレイヤーを見ることになる。そこで、ドラゴンズに
来てもらったら活躍できる可能性が高い人たちを把握できたわけで、
小笠原道大が一軍で暴れるところを見られなかったのは残念でしたが、
小笠原道大が噂通りドラゴンズの二軍で指導者となるという話が具現化
するとなると、かなりドラゴンズのフロントは近い将来のチーム作りに関して
相当練り上げた編成をしているのではないかと思いますね。

 ドラゴンズの秋のキャンプ、ドラフトなどがどんなことになるのか。
そして、トレードやトライアウトでどんな選手が加入することになるのか
そして、小笠原道大がどんな指導者になるのか気になっている私です。
 QFに残った八人のプレイヤーを見た時に果たしてどれだけのテニスファンは
フラビア・ペンネッタとロベルタ・ビンチの決勝を考えたことでしょうか。
イタリア人でも願望は持っていても、まさか、この二人のマッチアップが
具現化するとは思っていなかったことでしょう。生まれ持った天才的な感覚や
誕生した時から理想的な骨の太さや筋肉を有した人だけがグランドスラムイベント
の決勝のコートに立つわけではなくて、いわゆるふつうの人が努力と研究と
根性でUSオープンの優勝を争います。

 それにしても、イタリアはスポーツといえばサッカー、F1、MotoGPと
いったジャンルがポピュラーでそこにオリンピックイヤーはオリンピックで
開催されている競技が加わるという認知度ですが、さすがにこの歴史的な
ファイナルはトップニュースとなり、マッテオ・レンツィ首相も急遽
ニューヨークに向かうことになりました。

 世界的なスポーツイベントでイタリア人二人が決勝に残るということを
スポーツがある程度文化として浸透している国であること、マッテオ・レンツィ
が選挙で選ばれたわけでなくて、政局で選ばれたわけだから、フットワーク
の軽さを持っていることを印象づけてローマオリンピック誘致活動に進もう
という野望が透けて見えますが、フラビア・ペンネッタとロベルタ・ビンチが
大活躍しなければ、首相も通常通りの公務を進めたのは事実。

 イタリアでの大きな化学変化や地殻変動を強く感じます。

 果たしてどんな戦いになり、どちらが勝つのか楽しみです。
due italiane hanno giocato benissimo e arrivano all’ultimo giorno a
new york.ormai in italia preparano festeggiare il trionfo della fine settimana!

chi poteva immaginare e chi ha scommesso da gurdagnare sacco di soldi?
gli appasionati di tennis in italia sognano il trionfo della seconda settimana
a new york pero’ non e’ il sogno tutte vittorie sono reale e tantissimi
sentono la bellissima fantasia in italia

dopo aver capito la risulta’ delle due sud italiane il primo ministro
matteo renzi ha deciso di arrivarci e sulla televisione e su internet
quasi tutti prima di tutto credono di gran finale delle bravissime azzurre

allora cosa ci sara’ e cosa fara’ vediamo l’ultima partita del torneo gigante!
 モータースポーツを見ていて、楽しいこともあれば、嬉しいこともありますが
辛かったり、悲しいことも受け止めなければいけません。この9月になって、
夏の終わりを感じることに思い出すのはアレッシオ・ペリッリのアッセンでの
死亡事故です。

 アレッシオ・ペリッリのあの事故の時に私は現場にいました。
映像はトップ集団をフォーカスしていたので、よく彼のクラッシュがどれほどの
ダメージを負ったものなのか、ライダーやマシンはどうなのかわからずにいました。

 あのチームのことというのは私は以前から知っていて、アレッシオとも
サーキットで会えば話すような仲でした。

 サーキットに冷たい空気感や思い雰囲気が流れる中で、レッドフラッグが
出されて、その後、表彰式はシャンパンファイトは行われなかったことから
かなり関係者の中で緊張感が高まりました。

 そして、その日のサーキットで他のレースが行われている時間帯に悪い
知らせが入ってきました。

 アッセンという難しいサーキット。そこで懸命の走りをしていながら、
チェッカードフラッグを受けることなく、彼は我々の元から去って行きました。

 これからのライダー人生がどうなるのか、どんな成長を見せてくれるのか
若いライダーを見ているとそんなことを想像するのですが、近い将来の
ことを考える前に彼は亡くなりました。

 毎年、この時期になるとアッセンでのあの忌まわしい事故のことや彼の
こと、そして、あのチームのことを思い出す私です。

 
 投機と投資には重なっている部分と離れているところがあると思うのですが
同時に錦織圭ファンとテニスファンというのも共通しているところと離れている
部分を感じています。

 まぁ、世界の4位で昨年のファイナリストなわけで、優勝ということも
現実的にあり得るのではないかと思っていた人も日本だけでなくて、海外の
国々でもいたと思うのですが、残念な結果になりました。

 世界の4位と41位。しかし、好調ではなくて、足に不安を抱えていた4位
と好調な41位だったら勝敗がランキング通りにはいかないとは思っていました。

 そこで、結果は懸念が当たってしまったのですが、かなりの日本における
錦織圭ファンはUSオープンに関して興味を失っていると思います。

 私は彼がいなくても、素晴らしいプレイヤーがいて、すごい技術やパワー
や戦術を見られたら、それはそれで楽しめますね。

 他の競技でもサッカーのワールドカップで日本が負けても、他のサッカー
のトッププレイヤーの技術や強豪国の戦術を見て感嘆の声を液晶の画面の
前で上げています。

 ある意味、投機と投資という言葉の意味合いを理解できるように、
錦織圭ファンとテニスファンの重複している部分とかけ離れているところが
よく理解できるこれからのトーナメントデイズになりますね。
 今季、ドイツスーパーバイク選手権で戦っているマルクス・レイテルベルガーが
BMWと共にスーパーバイク世界選手権にやってくる可能性が日に日に高まって
います。
http://www.gpone.com/2015082417927/BMW-e-MV-Agusta-cercasi-seconde-punte.html

 ドイツ人ライダーが世界選手権で戦うというのはいいことだと思いますね。
その当該のライダーが高い能力を有しているならば、なおのこといい。

 世界選手権に出てくる前にライダーは各国の選手権で戦ってチャンピオン
だったり、トップ争いをして色々な勉強をして、技術を高めてくるのですが
その国内選手権のレベルが高いと世界選手権に入ってきてかなり困ってしまう。

 しかし、ドイツのスーパーバイククラスは少なくともトップクラスはレベルが
高い。

 鈴鹿8耐の時にエルワン・ニゴンと話していたのですが、彼が今季の活動は
母国のフランスではなくてドイツ選手権にしたというのはドイツのほうが
レベルが高い。

 マルクス・レイテルベルガー以外にもハビ・フォレス、ロレンツォ・ランツィ、
マックス・ノイキルフナー、マテイ・シュムルツといった連中との優勝争い
ということはかなりハードな戦いだと話してくれました。

 そのドイツ選手権でいい成績を上げれば、そこから先の世界選手権が視野に
入ってくるのでしょが、果たしてBMWはどんな関与をするのでしょうか。

 私の理解ではアイルトン・バドビーニはいいライダーであるのですが、
彼のチームはBMWからバイクやパーツの供給を受けていますが、メーカーの
スペシャリストやマネージャー側のトップクラスの連中がピットにベタつき
で技術的なこと、商業的なことを高いレベルでやってはいない状況です。

 スーパーバイク世界選手権は現在、カワサキ、ホンダ、スズキ、アプリリア、
ドゥカティが参戦していて、そこにヤマハが傑作バイクのR1で戻ってくること
が確定的。

 そこに分厚い体制での参戦ができなければマルクス・レイテルベルガーは
厳しい戦いを余儀なくされることでしょう。

 私の映画好きはこのブログをお読みの読者の方々はご存知なのでしょうが
ルキノ・ヴィスコンティが満足な予算がなかったら素晴らしい作品を作ること
はできなかったわけで、いくら卓越した能力があっても、必要な予算や体制が
ないと持っている能力は発揮できない。

 ドイツのレースファンの期待が大きく、明るい未来を感じられる
マルクス・レイテルベルガーはメーカーががっついた活動をして
いないドイツ選手権では素晴らしい成績を残していますが、果たして世界選手権
レベルではどうなるのか。彼の動向と同時にBMWの動きや決断も気になっています。

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