お笑いライブに行くようになって、同じネタでも微妙に改善を加えたり、
削減をして面白くなったり、見やすくなることがあります。ライブであれば
同じネタでも全くのコピーはあり得ない。そのことを強く感じることがあり、
ある意味、辞書の初版での誤植や印刷ミスが無くなっていくような部分を
感じます。

 昨年の年末に石井てる美さんのネタを新宿の小規模劇場で見た時と
今日、なかの芸能小劇場で見たネタは基本的には同じフォーマットでの
フリップ芸でした。しかし、ワードの選択などは大きく異なっていて、
そして、最後のオチは大きく違うものを設定していました。

 そして、私が面白いと思ったのは今日の方でした。

 このブログで錦鯉のことを取り上げたこともあるのですが、
M1グランプリ2021での一本目のネタというのはお笑いマニアは過去に
何度か聞いたネタだったと思います。そう。TBSラジオのオンエア争奪
バトル番組の「mynavi laughter night」でオンエアを勝ち取り、
高い評価をされて月間チャンピオンになったネタに修正を加えたネタ
でした。

 mynavi laughter nightでのネタはこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=dPOoHMLT-fA&t=103s

 M1グランプリ2021でのネタはこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=I_8e8tVanow&t=1s

 M1グランプリ2020でのネタ選びが結果的には失敗で成功体験よりも
失敗体験が教科書になると思った錦鯉の二人がTBSラジオの収録で
コロナ以前でお笑いマニアがたくさん見に来てジャッジする番組で
しっかりと受けを取り、月間チャンピオンになった見た目とネタが
しっくりリンクするネタがあり、そこにある部分を足したり、あるところを
削ったりして見事に決勝進出を決めました。

 そのことを知っているTBSラジオの「mynavi laughter night」のファンで
M1グランプリも見ていた人は多いと思いますし、お笑い芸人や業界人も
多数いたと思います。

 そんなわけで同じネタでフォーマットは同一でありながらも違うテイスト
であったりボリューム感を感じることはありますね。

 今回、石井てる美さんがやっていたネタというのも新宿の50人規模の
場所でやっていたネタをなかの芸能小劇場という100人規模の劇場で
やるにあたって、ネタに修正を加えてより面白いものになっていました。

 お笑いを見ていて、ワードの選択やネタの運びや伏線回収などで
関心するところと面白いと思えるところがあり、M1グランプリ2019
のミルクボーイのネタというのは「コーンフレーク」も「もなか」の二本
とも感心するところと面白い部分が高いレベルで両立していた。そこが
あれほどまでの大爆発になり、審査員も視聴者や現場の観客も面白いと
感じて高い評価となりチャンピオンとなった。

 石井てる美さんが新宿で年末にやっていたネタは関心と面白いの
二つの項目のなかで関心の方がかなり高い数値になってしまい、
面白いという部分が低くなってしまったのですが、今回のなかの芸能小劇場
ではよりわかりやすいネタにしたのか、女芸人ライブに来る年齢層を
考えて、言葉を設定したのか関心と面白いが偏らずに両立していたと
思いますね。

 石井てる美という芸人の進化とネタの深化を感じられて面白かった
ですね。


 

 

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