関係者が高く評価しても、その時に来場している客のニーズにマッチ
しないと笑いは起きない。客層を理解し、共通理解があるなかで持っている
ネタの中でどれが顧客満足度が高くなるのか、何をやってはいけないのかを
理解している人が劇場で大きな笑いを生むことができますね。

 多人数出演しているお笑いライブでは知らなかった芸人さんのネタを見ること
も多くて、ある意味街中で流れる有線やお店で耳に入ってきた音楽がいいなと
思ってその作品を聞こうとしたり、さらにそのミュージシャンの他の楽曲も
聞きたくなったりしますが、それに似たようなことを池袋のお笑いライブで
感じました。

 バーバラ鬼頭さんのネタというのはその時に来場していた客に共通理解が
あった。そして、見た目と人物設定がマッチしていた。俳優さんにはまり役
が存在するようにバーバラ鬼頭さんが演じた役は彼女の見た目に合っていた
から見る側からするとすんなりとストーリーに入っていけた。そして、
私やほかの客で同じ年代の人というのは大林宣彦監督の「転校生」を
見ていた人も多いし、お笑いライブに来場するような人であり、ライブイベント
と演者の関係性をある程度知識として得ているからアイドルとファンとの
関係性も理解している。

 その客を相手に見た目に合った役割設定をして、毒があって、ちゃんと
演技していたら笑いが発生する。そこはやりたいこととは異なるかも
しれないが、やるべきことを選択した彼女のクレバーさがあるのかも
しれないし、やりたいことと当日の客層から考えてやるべきことが合致
したとしたら幸運な偶然が持たされたのだと思いますね。

 彼女の見た目で時事ネタをやったらたかまつななとかぶってしまう。
女芸人が作りやすくてよくやっている容姿や恋愛に関するネタは
何組も続いているとお笑い脳が胃もたれして、もういいよと思って
舞台に集中できない・

 バーバラ鬼頭さんのネタの選択と演技力は彼女のお笑い偏差値の高さを
感じさせてくれました。

 

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