第69代横綱白鵬が引退という報道がされています。長年やっていれば
古傷もあれば、付き合っている傷もある。そんななかで土俵に上がり続けて
きたのでしょうが、とうとう最後の時がやってきたようです。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6405526

 角界関係者、メディアの方々、ファンの人々から立ち振る舞いや品格など
否定的な声が上がっていましたが、彼の勝負に対する執着心は横綱にふさわしい
ものだったと思います。

 彼の最後の優勝となった場所での14日目の立ち合いのポジション取りで
あったり、千秋楽のかちあげなど問題視する人が多かったのですが、私は
ルールに抵触しているわけでもなくて、自らの衰えを戦術や技術で有利な
態勢にして勝ち星を取ろうという強い欲望を感じました。

 昭和のプロレスファンは全盛期を過ぎたジャイアント馬場が爆発力のある
スタン・ハンセンにまともにぶつかっては負ける可能性が高いと考えて
スモールパッケージホールドという奇策でピンフォールを取ってタイトルを
奪ったことを覚えていると思いますが、白鵬の最後の優勝のために使った
戦術と技術は自らの衰えや対戦相手との力関係を考えていかに勝利するかを
考えぬいた奇策であり、勝負手だったと思います。

 白鵬の引退というのは、もう体力や気力が終わりに近づき、奇策を
用いて一度は勝っても二度目は難しいということを理解していたから
なのかなと思いますね。

 ジャイアント馬場はスモールパッケージホールドでスタン・ハンセンを
丸め込んだあとのダイレクトリマッチでスタン・ハンセンに完敗して
メインカードでの出場はなくなり、前座でファンからコミカルな試合を
して愛されるという方向に転換しましたが、相撲の世界の大横綱には
挑んでくる力士に金星を献上して衰えを露呈するという方向ではなく
引退という決断をしたのだと思います。

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