名選手のそばに素晴らしい指導者あり。世界王者の隣に世界王者あり。
2021年8月15日 スポーツ コメント (2) ここ数年のことですが、ライダーがコーチやアドバイザーをそばにおいて
意見や感想を聞いて、それを走りに役立てています。高いレベルでの走行での
インプレッションを言語化する時や何らかの気づきを能力が高くて、同じレベル
で理解してくれる人がそばにいることで走りの良しあしであったり、
セットアップの方向性を見出してより速く走りたいという考えがあります。
ここ数年のスーパーバイク世界選手権の王者のジョナサン・レアのそばには
2002年のスーパースポート世界チャンピオンのファビアン・フォレがいます。
このブログの昔からのファンの方々は私とファビアン・フォレとの関係を
ご存知かと思いますが、このフランス人のマシンに対する解析能力が高く、
さらに国語力も高い。母国語のフランス語だけでなくて、英語もイタリア語も
話すこの元世界チャンピオンとパドックに一緒にいた時に彼の情報解析
能力の高さに驚きました。(その彼が私のフランス語を褒めてくれたのは
うれしかったな。)
気合を入れて速く走るというのも大事ではあるのですが、いいタイムを出す
ために何が足りなくて何が必要でどこをどうしたらいいのかをマシンを走らせて
的確に他者との比較対象をして、アドバンテージとディスアドバンテージを
口にする。そして、他のライダーの走りやライバルメーカーとの優劣を
瞬時に理解してチームのデータ解析担当者やサスペンションエンジニアに
話して、セットアップの方向性を出す能力は明らかに図抜けていました。
彼がタイトルを獲った2002年のシーズンというのはスーパースポート
クラスでダンロップ、ミシュラン、ピレリというタイヤメーカーが参戦
していたのですが、ピレリタイヤのいい部分とホンダのマシンの長所を
生かして速く走ることができてタイトルを獲得しました。
その後、彼はタイトルを獲得できなかったのですが、そこはチーム力
であったり、マシンの性能というものがタイトルを奪うレベルまでには
至らなかったというのがパドックでの見方でした。
その彼のキャリアで印象的だったのはカワサキユーザーライダー
が後方に沈んでいるなかで彼が鮮やかな勝利を奪ったミザノでのレース。
四台の厳しい戦いの中でしっかりと勝ち切ったアッセン。
ほぼ完ぺきなマシンセットアップを実現して競り合った相手に対して
劣る部分も多少ありながら勝利したイモラとブルノ。
彼は二度目のチャンピオンにはなれなかったのですが、おそらく実力
世界一だと言われていた時に優勝した上記のレースがとても印象に
残っています。
世界選手権が開催されている他のサーキットがタイムに閉める割合が
マシン7でライダーが3だと言われているが、彼がライバルに対して戦闘力
が劣る中で勝利を奪ったミザノ、アッセン、イモラ、ブルノは
マシン6でライダーが4とか人によってはマシンとライダーの割合が半々だと
言われていました。
そのサーキットでライダーの能力を発揮して、彼にとって乗りやすく扱い
やすいマシンをセットアップして勝った時のことを昨日のことのように
覚えています。
ジョナサン・レアは素晴らしいライダーだと思うのですが、彼が足りない
部分というものを感じていて、ファビアン・フォレに声をかけて関係を
持ち、必要な能力であったり、考え方をレースウィーク中に話すことで流れが
悪い中でも大崩れしなかったり、勝てるレースをしっかりと勝ち切っているように思いますね。
今年のスーパーバイク世界選手権はチェコのモストでのレースを終えて
トプラック・ラツガトリオグルのヤマハが急追してきていますが、
カワサキはバルセロナでのテストを行い。そこでファビアン・フォレが
テストライディングをします。
https://www.corsedimoto.com/mondiale-sbk/superbike-fabien-foret-il-coach-di-rea-torna-in-pista-con-la-ninja-factory/
ライバルの急追の中でカワサキとジョナサン・レアがタイトル防衛のための
勝負手を打って来たなと思いますね。
メガバイクホンダ時代に金曜や土曜日にファビアン・フォレと
ミッシェル・ファブリッツィオがコースを走ってきて戻ってきてコースレイアウト図を見ながらセットアップを進めるうえで話をしていてフランス人元王者は
第一コーナーのリアの接地感や脱出スピードの良しあし、第二コーナーの入り口のフロントタイヤの状況などを丁寧に話していたのでテレメトリストも
ショーワのサスペンションエンジニアもスムーズに理解できセットアップを
進めていました。
その一方で単純に走るのは速いがある種の能力が欠けているイタリア人は
「第一コーナー入口はファーンという感じ。脱出スピードはブーンといって、
第二コーナーの入り口はぐわぁというイメージ」などと説明していて
私はファビアン・フォレとの解析能力と言語能力の違いをとても感じました。
(ミッシェル・ファブリッツィオは感じることはできているが、私が訳すにも
擬音でしか表現できないから、「それは接地感が足りないということ?」
「サスペンションの働きが不十分ということなの?」
「タイヤのグリップ力が足りないのかな?」「この状態はガソリン満タン
だからそうなる可能性が高いということかい?」などと質問をぶつけないと
話が進まなかったですね。)
2018年に鈴鹿八耐のウィークでピレリのレース部門最高責任者の
ジョルジョ・バルビエ-ルと再会して長く話していたら同様の例は
ルーベン・チャウスにも当てはまるらしいがこの手の言語能力に乏しい人
を果たしていいライダーと言えるのか疑問でした。
閑話休題、レギュラーライダーではないファビアン・フォレがバルセロナ
で今のカワサキのマシンに何を加えた方がいいと主張するのか、どうしたら
ライバルより速く走れるのかアイデアだしをするのか。ジョナサン・レア
ではなくて、ファビアン・フォレがテスト走行するというニュースは
何か新しい発見であったり、深いレベルでの開発というものに繋がり、
それがジョナサン・レアのタイトル獲得に結び付くのだろうなと思って
います。
意見や感想を聞いて、それを走りに役立てています。高いレベルでの走行での
インプレッションを言語化する時や何らかの気づきを能力が高くて、同じレベル
で理解してくれる人がそばにいることで走りの良しあしであったり、
セットアップの方向性を見出してより速く走りたいという考えがあります。
ここ数年のスーパーバイク世界選手権の王者のジョナサン・レアのそばには
2002年のスーパースポート世界チャンピオンのファビアン・フォレがいます。
このブログの昔からのファンの方々は私とファビアン・フォレとの関係を
ご存知かと思いますが、このフランス人のマシンに対する解析能力が高く、
さらに国語力も高い。母国語のフランス語だけでなくて、英語もイタリア語も
話すこの元世界チャンピオンとパドックに一緒にいた時に彼の情報解析
能力の高さに驚きました。(その彼が私のフランス語を褒めてくれたのは
うれしかったな。)
気合を入れて速く走るというのも大事ではあるのですが、いいタイムを出す
ために何が足りなくて何が必要でどこをどうしたらいいのかをマシンを走らせて
的確に他者との比較対象をして、アドバンテージとディスアドバンテージを
口にする。そして、他のライダーの走りやライバルメーカーとの優劣を
瞬時に理解してチームのデータ解析担当者やサスペンションエンジニアに
話して、セットアップの方向性を出す能力は明らかに図抜けていました。
彼がタイトルを獲った2002年のシーズンというのはスーパースポート
クラスでダンロップ、ミシュラン、ピレリというタイヤメーカーが参戦
していたのですが、ピレリタイヤのいい部分とホンダのマシンの長所を
生かして速く走ることができてタイトルを獲得しました。
その後、彼はタイトルを獲得できなかったのですが、そこはチーム力
であったり、マシンの性能というものがタイトルを奪うレベルまでには
至らなかったというのがパドックでの見方でした。
その彼のキャリアで印象的だったのはカワサキユーザーライダー
が後方に沈んでいるなかで彼が鮮やかな勝利を奪ったミザノでのレース。
四台の厳しい戦いの中でしっかりと勝ち切ったアッセン。
ほぼ完ぺきなマシンセットアップを実現して競り合った相手に対して
劣る部分も多少ありながら勝利したイモラとブルノ。
彼は二度目のチャンピオンにはなれなかったのですが、おそらく実力
世界一だと言われていた時に優勝した上記のレースがとても印象に
残っています。
世界選手権が開催されている他のサーキットがタイムに閉める割合が
マシン7でライダーが3だと言われているが、彼がライバルに対して戦闘力
が劣る中で勝利を奪ったミザノ、アッセン、イモラ、ブルノは
マシン6でライダーが4とか人によってはマシンとライダーの割合が半々だと
言われていました。
そのサーキットでライダーの能力を発揮して、彼にとって乗りやすく扱い
やすいマシンをセットアップして勝った時のことを昨日のことのように
覚えています。
ジョナサン・レアは素晴らしいライダーだと思うのですが、彼が足りない
部分というものを感じていて、ファビアン・フォレに声をかけて関係を
持ち、必要な能力であったり、考え方をレースウィーク中に話すことで流れが
悪い中でも大崩れしなかったり、勝てるレースをしっかりと勝ち切っているように思いますね。
今年のスーパーバイク世界選手権はチェコのモストでのレースを終えて
トプラック・ラツガトリオグルのヤマハが急追してきていますが、
カワサキはバルセロナでのテストを行い。そこでファビアン・フォレが
テストライディングをします。
https://www.corsedimoto.com/mondiale-sbk/superbike-fabien-foret-il-coach-di-rea-torna-in-pista-con-la-ninja-factory/
ライバルの急追の中でカワサキとジョナサン・レアがタイトル防衛のための
勝負手を打って来たなと思いますね。
メガバイクホンダ時代に金曜や土曜日にファビアン・フォレと
ミッシェル・ファブリッツィオがコースを走ってきて戻ってきてコースレイアウト図を見ながらセットアップを進めるうえで話をしていてフランス人元王者は
第一コーナーのリアの接地感や脱出スピードの良しあし、第二コーナーの入り口のフロントタイヤの状況などを丁寧に話していたのでテレメトリストも
ショーワのサスペンションエンジニアもスムーズに理解できセットアップを
進めていました。
その一方で単純に走るのは速いがある種の能力が欠けているイタリア人は
「第一コーナー入口はファーンという感じ。脱出スピードはブーンといって、
第二コーナーの入り口はぐわぁというイメージ」などと説明していて
私はファビアン・フォレとの解析能力と言語能力の違いをとても感じました。
(ミッシェル・ファブリッツィオは感じることはできているが、私が訳すにも
擬音でしか表現できないから、「それは接地感が足りないということ?」
「サスペンションの働きが不十分ということなの?」
「タイヤのグリップ力が足りないのかな?」「この状態はガソリン満タン
だからそうなる可能性が高いということかい?」などと質問をぶつけないと
話が進まなかったですね。)
2018年に鈴鹿八耐のウィークでピレリのレース部門最高責任者の
ジョルジョ・バルビエ-ルと再会して長く話していたら同様の例は
ルーベン・チャウスにも当てはまるらしいがこの手の言語能力に乏しい人
を果たしていいライダーと言えるのか疑問でした。
閑話休題、レギュラーライダーではないファビアン・フォレがバルセロナ
で今のカワサキのマシンに何を加えた方がいいと主張するのか、どうしたら
ライバルより速く走れるのかアイデアだしをするのか。ジョナサン・レア
ではなくて、ファビアン・フォレがテスト走行するというニュースは
何か新しい発見であったり、深いレベルでの開発というものに繋がり、
それがジョナサン・レアのタイトル獲得に結び付くのだろうなと思って
います。
コメント
いつも拝見させていただいております。
今年のカワサキを見ていると、ピレリの
新しいタイヤ SCXソリューションの使いこなしが
ヤマハの方が上手く、カワサキはその分
後手に回っていると感じます。
その辺をサスのグレードアップで解消出来るかどうか?
と見ていますが・・・。
確かにタイヤがファクターの中の大きな一つかなと思っています。
同時にトプラック・ラツガトリィオグルの成長と
アンドレア・ロカテッリの進化がR1というマシンとかみ合ってタイム
や順位に反映しているのかなと思っています。
そのあたりは本当は現地でライダーやピレリのスタッフと話して
原因を探りたいけれどそれができないのが残念です。