イタリアのレース界、そして、世界のモータースポーツ界にとってとても
悲しい日を迎えることになってしまいました。コロナウィルスと戦っていた
ファウスト・グレシーニが亡くなりました。
https://www.gazzetta.it/Moto/moto-GP/23-02-2021/team-conferma-morte-gresini-ci-ha-lasciato-400927371240.shtml

 私と彼と初めて会ったのは鈴鹿サーキットでした。
彼がライダーとして走っていた時にたまたまグランドスタンドから出てくる
ところに遭遇して話しかけて写真をお願いした時に彼が私のイタリア語を
褒めてくれたことが印象に残っています。

 あの頃の私は単なるファンでイタリア語のレベルもかなり低いものだった
のですが、私のイタリア語を褒めてくれたのですが私が「私のイタリア語は
まだまだだし、話す機会がないし、やることがいっぱいあると思うから。
私はうまいとは思わないが上達したいとは思っている」と話すとそういう
気持ちとか欲が成長に繋がると思うと評価して励ましてくれたことを
覚えています。

 その後、グレシーニレーシングのあるリミニで勉強するようになり、
彼はチーム代表としてのキャリアを積み、私もファンではない立場で
サーキットに出入りするようになって、立ち位置は各年異なりましたが、
私が質問すると彼は初対面の時と変わらず丁寧に答えてくれたことが
印象に残っています。

 ライダーとして二度のワールドチャンピオンになり、さらにチーム
マネージャーとして世界タイトルを獲得した彼はいい意味で欲張りで
2021年以降もやろうとしていたことがありました。

 60歳というのはあまりにも若い年齢ですし、今もこの報道を信じたくない
気持ちを有しています。

 もちろん、きれいごとだけではなくて闇の部分であったり、厳しい
ビジネスの話を聞くこともありましたが、結果を残して評価され、
多くのレース関係者が彼との永遠の別れを悲しんでいるのはプラス部分と
マイナスの部分の両面を見たうえで彼の功績とこれからの彼の不在を
残念だと思っている人が多いからだと思います。

 冥福をお祈りいたします。
 

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