オーストリアのセバスティアン・クルツやフィンランドのサンナ・マリン
という国家のリーダーが34歳で激務をこなしている中で日本は70過ぎの人が
与党の中枢部に多いなと思ってしまい、何か新しさや新鮮さを感じない。
しかし、NHK新人落語大賞を獲得した笑福亭羽光が48歳だったり、年末の
M1グランプリ決勝に錦鯉の長谷川雅紀が49歳なのは下積みが長かっただけで
実力者の能力の発揮に時間がかかったんだなと思っています。

 いわゆるよしもと系芸人がM1グランプリで幅を利かせているのは事務所が
劇場を有していることで場数を踏むことがあったり、素晴らしい先達がいて
近くで芸を学べることであったり、激しい競争の中で勉強したりすること
だったり、単純に所属芸人が多いため分母が大きいから、そこから世に出て
くる人が多いだろうということは言えると思います。

 そのよしもと系の芸人に対して、他の事務所所属で東京であったり他の
地方の芸人は松竹のような事務所のように常設劇場を持っていないところだと
自ら公共施設や私営の会場を個人で借りたり、事務所が一定の金額を出して
確保してライブを行い場数をこなし、作ったネタがいいのか悪いのか、
芸人仲間には受けるが客受けするのかどうかを試してブラッシュアップして
いきます。

 その、機会の確保というのがよしもと以外の芸人にとっては難しいところ
だったりするのですが、その中から色々な事務所の様々なバックグラウンドや
経験を有する芸人さんが集まって開催されるライブを好んで見ています。

 昨年の今頃に開催された新宿の小規模劇場での「MANZAI魂」というライブは
実力者が集まった面白いライブだったのですが、そこで私のお笑い脳を刺激
してくれたのが二組いました。

 一組はぺこぱ。もう一組は錦鯉でした。

 その時の様子のレポートはこちらで触れています。
https://yasumarzo.diarynote.jp/201912020722109326/

 野球で例えるとぺこぱが変則フォームで投球して打者の近くでものすごい
曲がり方をする変化球での笑いだとしたら、錦鯉はきれいなフォームで
強いボールを投球するように思えました。

 私はお笑いに関して雑食属性を有しているので、変則や異質なスタイルも
ベーシックなタイプも好きなのですが、あの新宿での一夜で色々な芸人を
見ながら、こういった土壌で事務所の垣根がなくて開催されるライブで
芸人さんが刺激を受けたり、共に勉強したらよしもと純正システムではない
形で面白い芸人さんが出てくるだろうなと思いました。

 錦鯉に関しては下北沢や新宿の小さな劇場での大きな笑いを生み出した
場所で彼らの面白さを体感したり、TBSラジオの「mynavi laughter night」
でのオンエア争奪バトルで観覧者の評価を得てオンエアを勝ち取り、さらに
月間チャンピオンにもなった経験がありながら、正直売れているとは思え
なかったのですが、そんななかでも芸を磨き、昨年までの結果の悔しさを
バネにしたり、ネタに修正を加えたりしていいネタを作ってきました。

 東京圏のお笑いライブでは知られた存在であり、よそがやらないことを
やることが好きなテレビ東京のバラエティ番組では面白さが知られてきた
彼らが果たしてどんなネタをゴールデンタイムの全国放送で見せてくれるのか。
M1という大きな舞台でお笑いグルメにどんな食事を提供してくれるのか
今から楽しみです。

 個人的にはあの新宿の衝撃の一夜を見た幸せを多くの人が感じてほしいので
ぺこぱと錦鯉がM1決勝で暴れてほしいと思っています。

 

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