スターライダーでありワールドチャンピオンであるマルク・マルケスが
負傷欠場して勝利を得ているのが他のホンダライダーではなくてヤマハの
マシンを走らせるライダーとKTMユーザーですが、この事実が歴史は
繰り返されていることを感じています。

 一人の卓越した能力を有するライダーがマシン操作が難しいマシンを
乗りこなすことができているという仮説があり、違う推論は素晴らしいライダー
が持っている能力を発揮するために結果を残してきた優秀な当該のライダー
のライディングスタイルや好みのマシン特性を理解して、そのライダーが
乗りやすいマシンを用意したというものです。

 かつて90年代の250ccクラスにヤマハが参戦した時に原田哲也と
ピエール・フランチェスコ・キリがチームメイトでした。しかし、
この年の成績は原田が圧倒していました。

 グランプリとスーパーバイク世界選手権で勝ったことのあるライダーの
ピエール・フランチェスコ・キリが遅いライダーではないのですが、
原田哲也が世界グランプリにやってくる前段階で全日本選手権で走って
いて慣れがあったことと同時にマシンが原田のライディングスタイルや
好みに合わせて作られていたことは明らかでした。

 同じことはケニー・ロバーツ・ジュニアが原田のチームメイトとなった
時でも明快に理解できました。

 ある意味、ここ数年のホンダのMotoGPマシンというのは結果を残して
発言力のあるマルク・マルケスが彼のライディングスタイルであったり、
好みの方向性のマシンを求めたのではないか。あるいはホンダがこの
ワールドチャンピオンにはこのマシンを与えたら能力を発揮してくれるから
彼のスタイルに合うマシンを開発して提供したのではないか。

 マルク・マルケスと似たようなライディングフォームやマシンの好み
であれば、今年のホンダのマシンを速く走らせることができたかもしれない。
しかし、相似性よりも違いのほうが大きいならばマルク・マルケススペシャル
のマシンを速く走らせることが難しいのではないか。

 かつての原田哲也のチームメイトが卓越した能力の持ち主であっても
原田が開発し、原田のために作られたヤマハのマシンを速く走らせることが
できなかった時のことを思い出しています。
 

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