MotoGPのへレスの状況も気にしながら、イタリア選手権の開催地の
ミザノアドレアティコのことを気にしていたレースウィークでした。

 歴史的に全日本選手権がホンダとヤマハとスズキとカワサキがメーカーの
威信をかけて戦っていた時期というのは人もモノもお金もマシンを速くすること
とライバルに勝ることに使っていて、エネルギーの高さがサーキットに充満して
いたのですが、同じことは昨年も今年もイタリア選手権のスーパーバイククラスに感じることができます。

 ドゥカティなのかアプリリアなのか。ピッロなのかサヴァドーリなのか。
この二つのメーカー、二人のライダーが一つの頂上を目指して戦っているのが
イタリア選手権のスーパーバイククラスですね。そこには厳しく激しい
戦いがあります。

 このミザノアドレアティコでのレースはお互いに星を分け合ったという
ことになりましたが、レース2でのピッロのドゥカティが電子系トラブルで
ノーポイントに終わったことは今年は四大会8レースということを考えると
かなり響くと思いますね。

 土曜日のレース1はピッロのドゥカティが勝利して二位にサヴァドーリの
アプリリアだったのですが、三位がルカ・ビターリのBMWでした。
ホンダでもヤマハでもなくてBMWが入ったというところにかなり驚きを
感じる人もいるかもしれませんが、昨年の世界選手権のサーキットでも
中盤以降に速さを見せていて、メーカーと深い結びつきのあるチームは
当該メーカーのマシンを使ってのレース活動をするのでしょうが、
ディーラー系ではないチーム、独立系の組織は昨年来、BMWのマシンに
注目をしていた。イタリア選手権のスーパーバイククラスというカテゴリーで
こうして三位を奪ったということはこのドイツのメーカーのマシンの
速さを証明しているように思いますね。

 日曜日のレース2も前日のリプレイを見ているようにピッロのドゥカティと
サヴァドーリのアプリリアのトップ争いになったのですが、ピッロのマシンが
電子系トラブルでリタイヤ。サヴァドーリのライバル不在のサンデーツーリング
を見ることになりましたが、二位がアルテアホンダのガッベリーニ。三位が
デルビアンコのBMWということになりました。

 まぁ、アルテアホンダは色々な経験があり、今の状況でスーパーバイク
世界選手権での戦いは厳しいということがあり、リソースをイタリア選手権
に向けることができたり、チームとして長い経験があり、若くて経験の
少ないライダーにチャンスを与えながら、正しい方向性を導くことができて
そこにライダーのポテンシャルと少々の運があれば、こういう成績に
なるのかなと思いましたね。

 三位のデルビアンコは業界評価の高いライダーなんですが、彼が今年
所属しているDMRレーシングは昨年もBMWを使ってイタリア選手権を
戦っていたわけで、BMWの経験があり、ドイツ本社からのサポートは
少ないかもしれないが、昨シーズンの経験を生かして、デルビアンコに
乗りやすいマシンを与えて走らせているように思えます。

 ドゥカティとアプリリアの激しいバトルを見ながら、BMWの速さを感じたり
経験のあるチームがチャンスをものにしたりと見どころが多かった
ミザノのスーパーバイククラスでした。



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