よく男優や女優さんが演じる役作りのためにこれから演じる役を実際に
やって見るということがあります。男ばかりの家庭環境にあった人が
板前の役をやるのに手つきや包丁さばきがおぼつかないと作品にリアリティ
がなくなるから、実技をやってみて経験則から演じるということが大事だと
思いますし、女優さんがホステスの役をやるのに、店に行ってみてどんな
振る舞いや言葉使いをするのかを理解してから作品に入ることはあります。

 同じことはお笑い芸人でもコントをやる人などは飲食店でアルバイトをしている人がかなりいるのですが、そこで料理を作ったり、ウェイターやウェイトレス
をしている経験があるとコントの中での動きにリアリティが宿りますね。
 
 ある種社会派であり、なおかつコメディ要素があったのが故伊丹十三監督
の作品だったのですが、「スーパーの女」では実際のスーパーでの店の
裏側での様子を撮影前に見せてもらったり、商品のレイアウトの仕組み
であったり、社員やパートのおばさんの動き方や考え方を体に染み込ませて
いたようですし、「マルサの女」では税務当局の方々に協力して頂き
実際にどんな脱税行為があったのか、それをどうやって取りしまったのか
などを教えていただき、家宅捜索や脱税の取り締まりの仕方などの撮影の
際に演者の方々は教えていただいたことを解釈して演技にしていました。

 不倫をテーマにするドラマの出演予定があった人が役作りのために
実際に不倫をして、行動や考え方や言葉の選択などを作品に役立てようと
したことはあったのかななどと最近思っています。

 

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