月曜日のしかも19時30分開始という、週の始めから深い時間の帰宅に
なることは避けたい人にはサラリーマンやOLには出かけるのが難しく、
お笑いライブマニアが検索に使っているお笑いワラリーにもライブ情報が
載っていなかったライブというのは人目につかないから、観客動員が苦し
かったりする。しかしながら、そんなライブに出かけて大きな笑いを生む人を
見た時には一種の優越感と選民思想を感じたりしますね。私にとって
高田ぽる子さんのネタを見られたのは大きな喜びと満足感を得られるものでした。

 女性の見た目をネタにすることというのはあまりにも当たり前すぎるし、
お笑い脳を使わなさすぎる。容姿と恋愛話ということからしかネタを
生み出せないというのは、コロナウィルスや米中関係やロシアの今後が
気になる中でパチンコ屋で大当たりを出すことしか考えられない人の
ようなある種の貧困さを感じますね。

 女芸人で私が低い評価を下すのは、そんな女の子社会のあるあるネタ
しか作れないような人なんですが高田ぽる子さんの場合は大きく異なります。

 見た目に関することしかネタに出来ない人は低評価ですが、見た目を
利用して、ネタにリアリティを与えて、そこに毒を加えるというのは
素晴らしいものだと思います。高田ぽる子さんのネタには自らルックスに
向かい合い、どんなキャラクター設定とネタがいいのか彼女自身が
考え抜いて、お笑い脳から発想したことを練りこんで作った丁寧さと毒気が宿
っていました。

 月曜の19時30分スタートのライブにやって来たお笑いグルメに美味しい
珍味を味あわせてくれました。彼女自身はこのライブをどのように捉えて
いたのかわかりませんが、観客が少なかったり、色々な芸人が集まる場所
だとある種の持ちネタのテストであったり、実験というものができる。
あるいはネタの修正であったり、改良ができる土壌であったりする。

 テニスプレイヤーが本来のランキングから考えたら大規模大会に出る
のに、下部ツアーの大会に出場して、使っていなかった戦術や技術がどれ
ぐらい通じるのかを確かめることがありますが、R1グランプリに出るのに
人前である種の実験とかテストケースをすることはある。そこで、手ごたえ
を感じたり、どこが受けるのか実際に会場の空気感で理解することは重要
なんですが、高田ぽる子さんの実験と企みと目的を近距離で感じることが
できて多幸感を関じた月曜日の夜でした。

 

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