時間ができたので、ラムズが出演しているライブを見に行ってきました。
風間春菜さんのツィッターでラムズが出るのは重々わかっていて、彼女たちが
出演することがわかり、ラムズのネタを目当てに足を運んだのですが、
そるとさんと高田ぽる子さんが出演していてネタを見ることができたのは望外
の喜びでした。面白かった芸人さんを一気に取り上げるとあまりにも渋滞してしまうし、ボリュームが大きくなりすぎるので今回はそるとさんのネタに関して
書きたいと思います。

Aマッソという人種差別主義者のコンビが以前、ファミリー層が主に見に来ていたイベントでそこに合わせたネタをやるのではなくて、自分たちがやりたい
ネタをやりたいと考えた。そして、登場してつかみの部分で「私たちヤリマン
です。」と言って客を引かせて、アンガールズの田中に叱られていたという
ことがありました。

 大きな劇場でもなく、大物の芸人もいないライブ。しかも、月曜日の
19時30分開始という時間帯。土日休みの人からすると、好みの芸人が
週末に出演するライブがあるなら、そちらを見ようかと考えていて、
週の初めからしかも、遅い開始時間のライブは行こうとは思わない。
月曜日からライブを見て帰宅時間が遅くなり23時を過ぎるということは
避けたいということを考える人が多い。

 それでもなおもこのライブに行こうという人は会場の立地条件が住まいに
近いということだったり、同時にかなりのお笑いマニアであったり、この
機会を逃したくないというお笑いグルメだったりする。

 その観客層というのは割に前述の外的条件から理解が可能なわけだから
濃いお笑いグルメに突き刺さるネタをやると客受けするだろう。

 ロビンソンズが「マイナビラフターナイト」であの番組に観覧希望を出して
見に来たいという客というのは、あの番組が好きだったり、濃度の高いお笑い
マニアで東京圏のお笑いライブを見に来ている人たちだろうということで
ライブにはまっている娘とその娘の帰宅時間が遅くなって心配していた
父親という設定のネタを作り、それを披露して大爆笑を生み出して、オンエア
を勝ち取り、さらに月間チャンピオンになったということがありました。
(当該のネタは今も番組のyoutubeチャンネルで聞くことができます。
https://www.youtube.com/watch?v=kLxv-WWCcLA&t=69s

 そるとさんという芸人がこの月曜日のお茶の水の小さな空間でこの曜日の
この時間帯に披露したネタというのは、お笑い好きが食いついたり、ライブを
何度も見に行っていて感じたり、共通認識や理解を持っていてお笑い脳に
刷り込まれていることを利用したネタでした。

 そして、ネタのチョイスの正しさと同時に私がライブ終わりに少し指摘
して話したのですが、細部に真実に根差したリアリティのある毒が散りばめ
られている。そこは、90年代のまだ制作に時間とお金を使って創造された
地上波テレビドラマを通ってきた私にとっては内館牧子脚本のドラマのような
セリフを思わせるものがありました。

 コロナウィルスの被害がどれだけ広がるかわからない。米中関係がどういう
展開になるのかは予想がつかない。株価や為替相場がどうなっていくのかも
想像がつかない。しかしながら、そるとさんのこの場所とこの時間で開催
されたこのライブでこのネタを選んだという判断力とネタの良さというのは
今の安倍政権の議会運営が乱暴だったり、雑であることと同じくらい明快
なことだと思います。

 まぁ、ある意味サッカーの天皇杯が高校や大学のサッカー部のチームも
出場していたり、Jリーグのトップチームも参戦していて、個々人の技術の
差やチームの実力の違いを感じるように、この手のライブで面白くいない
人も爆笑を生み出した芸人もいて、それぞれの実力差を感じたのですが、
私が笑えなかった人というのはこの時間のこの場所に来る客に対して
キャッチーでなかったり、毒が薄かったりで、ネタの良しあしと同時にネタの
選択というところに難があったり、技術的にリズム感や発話の確かさやスピード感なども現時点での実力不足があり、そのあたりを含めて笑えないネタを
見ていて退屈さを感じましたが、そるとさん、高田ぽる子さん、
魔族とラムズには実力を感じて面白い時間を過ごすことができました。

 時間帯、開催場所、曜日といった要因から考えられる観客層ということを
しっかりと考えてネタを選択した。そして、そういった外的要因だけでなくて
彼女の容姿といった内面的な部分もかなり考えていたのではないでしょうか。

 彼女はアイドル的な見た目だったり、東京市場に上場しているような大企業の
東京本社の受付にいるような美人ではない。中小企業で人間関係や取引先に
気を使いながら働いている地味で真面目そうな見た目の彼女があのネタで
ああいった役割設定をするというのは、岡本信人さんの気はいいが、小心者
のサラリーマンのような人物設定や高嶋政伸さんの大企業のエリート
サラリーマンのような配役のような説得力がある。

 その見た目の人がお笑いライブのMCという役というのはかなり見ている
側からするとネタにすんなり入っていきやすい。痩せているラーメン評論家
が説得力がないと彼女は思っているのかもしれないなと想像しましたね。
いろいろな意味で彼女の思慮深さと戦術性と毒を感じましたね。見る観客
サイドの私は素直にネタに入っていけて、面白さを感じました。

 唯一不満があるとすると、これは風間春菜の情報発信能力とある意味、
それに付随したファン対応に私が慣れてしまっているからなのでしょうが、
いいネタをやっている。面白いと思っても、彼女が出ているライブの出演
情報をつかむのが難しい。あるいはできなかったり、スケジュールを理解
できるのがラストミニッツだったりするところですね。このあたりは
そるとさんに限らない部分で以前、このブログで最近取り上げました。
https://yasumarzo.diarynote.jp/202001280658126439/

 風間春菜さんというのはツィッターアカウントの一番最初の部分で
この先のスケジュールを見られるように出演情報を埋め込んでいる。
となると、土日休みの人が見ると、どの週の土日がどこで何時にライブが
あるのか今週から先々までの土日の予定を決められて、さらに取り置きも
お願いしやすい。

 私のような曜日に関係なく仕事をしている人というや、サービス業の
場合は職場に休日の希望日を申請することがほとんどだと思うのですが、
お気に入りの芸人さんのライブスケジュールがわかっていると、行きたい
ライブがあったら、その日を休みにしたいと考えて体を空けやすい。
また、小さな組織でシフトが急に変更になって仕事になって、その出勤分の
休みを調整するときに彼女がアップロードしてくれているライブの日程を
見ながら、代休の希望日を伝えやすい。

 ファンであるということが風間春菜およびラムズが取り置きをしてくれる
人たちを獲得している理由の一つなのでしょうが、確定しているスケジュール
を今月、来月、再来月あたりまで情報発信していて、さらにそこに急きょ
決まった出演情報を場所と時間を含めて発信していることはかなりファンに
とってはかなりありがたい。逆にそれがないと、ファンであっても、休日の
希望申請をアバウトにして行きたかったライブに行けないということに
繋がってしまう。

 そるとさんを見られるとは思わなったライブでネタを見ることができた
のは望外の喜びでそれはそれでうれしいのですが、そるとさんが出ていて
さらに共演者に魅力があったり、ご一緒する芸人が少なくて、彼女のネタを
長尺で見られるとか何本も鑑賞できる可能性が少なくとも今は低いというのは
舞台上のそるとさんを見たいと思っているだけにライブ日程がわからなくて
見られないということが起きる可能性が高いわけで残念だなと思いますね。

 まぁ、そのあたりは、ライブスケジュールの告知よりも、何よりもネタ
の創作にエネルギーをつぎ込んでいるということであればファンとしては
甘受しなければいけないのかなとも思っていますが残念だと思っています。
お笑いワラリーはいいサイトで有用ですが、今回のこのライブも掲載されて
いなかったように万能で完全無欠というわけではないですからね。

 そうそう、彼女は下ネタを鋭い口調で話すということがあると書いて
いましたが、以前、北千住で開かれてた「下ネタワールドカップ」で
下ネタ好きなじゅんこBANBANさんが出ていましたが、あれもスケジュールが
早い時期にわかっていたら行けたのにと残念な思いをしました。
二村ヒトシ監督のAVにあるように地味で真面目そうな女性がエロくキレる
のは大好きなので、じゅんこBANBANさんとそるとさんが延々下ネタを言い
まくるライブ情報がわかったら、会社に「この日はできたら休みたいでは
なくて、何が何でも休みたい一日です」と話して休みを取って見に行きたいな
と思っています。

 Aマッソが客層に合わないことを口にしたり、ファミリー層に合わないネタ
をやってアンガールズ田中にしかられたようなことはなく、そるとさんは
場にあったことを毒とパワーを持ってやってくれると思っています。

 他の芸人さんに関することは稿を改めて書きたいと思います。



 

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