買わなければいけないなと思いながら買っていなかった本をkindle版で
購入して一気に読みました。

 非常に面白いなと思ったのですが、この本の中で「水曜日のダウンタウン」
に関して触れている部分があって、おそらくスタッフは学生時代に
モテなかった連中ではないかというのは、とても私の心にすんなり入りましたね。

 リッターで10キロしか走らない車を見て「車なんてこういうものだ」と
思っている人がリッターで50キロ走る車の開発などできやしない。
ましてやソーラーカーのような自然エネルギーから動力源を発生させて
走る車などは考えられない。

 不満足や不足感が何かを作ったり、開発するエネルギーだと思うのですが、
何か満たされていない人がエネルギーをお笑いにぶつけて、世の中の
事象をマジョリティではない視点から眺めて何が笑いにつながるのかを
考えている人だからこそ生まれる番組やお笑いがあると思います。

 お笑いの世界で短い時間だから大きな笑いを取れる人や長時間だから
実力を発揮できることを陸上競技や競馬に例えて書いていましたが、それは
非常によくわかりますね。また、よしもとが立ち上げた番組であり、
大会だからという部分は私もとてもよく理解できます。実際に番組の
制作著作の局名は大阪のABCとテレビ朝日の連名になっていますが、
立ち上げに関わる部分や大会の協力体制などはABCが大きく関与していて
そのABCはよしもととの関係が歴史的に深い。そのあたりはテレビ朝日系の
全国ネットと言えどもABCの色とよしもととの根強い関係性を感じます。

 ひとつこの本で疑問に思ったのは、テンポの遅いスリムクラブのことは
取り上げているのに、変ホ長調のことは触れていないところですね。

 独特のテンポとネタで私はとても面白いと思ったのですが、審査員で
あった島田紳助がどう評価していいのか困惑していたことが印象に
残っているのですが、私は面白いと思いましたね。

 お笑いライブに行くと関係者席の近くで見ていて、業界人が受けているが
観客はそれほど面白がっていなかったり、観客は笑っているが、業界人は
さほど受けていなかったりすることに遭遇することがあるのですが、
お笑い好きの私は面白くて、違うネタも見たいと思った変ホ長調でしたが、
審査員の評価は私ほど高くなかった。

 塙氏が変ホ長調の漫才をどのように思って評価していたのか、あるいは
あれは漫才とは言えないという受け止め方をしていたのか、評価していない
ということだったのかが知りたかったですね。

 そのあたりが触れていなかったから、満腹感まではいかなかったのですが、
現役のプレイヤーが他のプレイヤーや大会の性質や構造などに触れていて
非常に面白いというかinterestingな本でした。

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