全てのライダーに永遠の現役生活というものは存在しない。そんな中で
世界のスーパースターであるバレンティーノ・ロッシの引退後の活動は
どうなるのでしょうか。

 一番、考えやすいシナリオというのはチームマネージャーなりチーム
オーナーとしてMotoGPの世界に関わっていくというものですね。
これはイタリアのスポンサードを得やすいわけですし、業界的な地政学
的にもあり得ると思いますし、すんなりとスタートできるものでしょう。

 私はこの時期に思い浮かべるのはパリダカールラリーなんですが、
そのパリダカをバイクと車の両方で制したのがステファン・ペテランセル
です。

 バレンティーノの今までのキャリアのなかで二十代でシーズンオフに
テストでF1マシンを走らせることがあった。そして、多くのレースファンが
ジョン・サーティースのようにバイクと車の両方のタイトルを獲得する
ことを想像しました。

 しかしながら、それはフェッラーリでもトヨタでも契約交渉が深いところ
まで行くことはなかった。

 先週のヴァレンシアでメルセデスF1を走らせたのは、あくまでも
プロモーション活動の一環だったと思うのですが、ヤスマリーナサーキット
でのガルフ12時間で走ったのは映像の撮影とPR活動という範疇を超えて
いるものでした。

 フォーミュラカーの独特で高度に発達したマシンを走らせるのはできても
レーシングスピードでトップクラスで走るということになるとロッシと言えども
難しい。しかしながら、いわゆるハコのレースとなると難易度が下がってくる。

 さらに車メーカーにとってはハコのレースが盛り上がることは形状的に
レース車両と一般車の距離感が圧倒的にフォーミュラカーより近いことも
あって、盛り上がってくれたらありがたいことではある。

 現在、バレンティーノ・ロッシはヤマハのライダーであるのです
ヤマハの5%の株を有していて、密接な関係を有しているのがトヨタという
会社で、F1の撤退以降いわゆるハコのレースでの活動を重要視して、彼ら
にとってヨーロッパの市場というのは非常に重要である。

 外的な要因ということからするとバレンティーノ・ロッシがバイクでの
活動の後はフォーミュラカーではない車でのレースだということであれば
それが実現可能な環境が揃っているなと思いますね。

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