年に一回開催しているエルカブキのライブを見てきました。

 最初に会場に着いて驚いたのは会場のきれいさですね。
エルカブキが出るライブ会場というのは新宿とか池袋の雑然とした
雑居ビルの中にある劇場であることが多いので、座高円寺に着いた時に
オールブランニューできれいな建物に驚きました。

 また、会場内に入って驚いたのは劇場の広さでした。
彼らが出演しているライブというのは他の芸人と出演しているものが
多くて、キャパシティが50人から100人程度の場所が多い。そんな彼ら
がこの会場を選んだこと。そして、若手の芸人のライブを見慣れている
私からすると一組しか出ないライブで前売り料金が2800円というのは
強気の値段設定だなと思いました。

 高円寺というエリアに19時に行くというのは東京圏で仕事をしている
労働者にとって、ある部分厳しいところもあるのですが、高円寺の
会場に彼らのファンであふれていました。

 正直、彼らがこれほど観客動員力を持っているというのは意外でしたね。

 ネタの方は彼ららしいものでした。まぁ、今年一年の色々な事を
彼らなりに料理していくというものでしたが、私は他の芸人さんのライブ
のように30分ぐらいのネタをいくつかやって、合間にお手伝いに来ている
他の芸人が何かネタをやったり、映像を流したりということで進めるのかな
と思っていたのですが、私の予想に反してずっと彼らのネタを続けて
いました。
 
 これはうれしい反面、長い展開で結構疲れてしまったのも事実でした。

 また、芸人さんが研鑽を重ねるなかで新しい発見だったり、ある種の実験
をしてみるということはあるので今まであまりやっていない技法のネタ
だったり、会場の広さを生かしたネタをやってみたり、映像を使ったことを
してみたり、親しい芸人に入ってもらって、エルカブキと他の芸人との
間で何かフリートークをするのかなと思っていたのですが、あくまで
彼らはネタを90分以上やっていました。

 これは時間の制約がないなかで、自らのライブで今持っている力で
やりたいことをやるという彼らの意思でそういう方向になったのですが、
面白かったとは思うのですが、どんな名人の重厚な落語で面白くても
30分過ぎると疲れる客が出てくるように、眠くなったり集中力が
欠けてくる客が生まれてしまったのも事実でした。

 彼らのネタの面白さと意外な観客動員力と彼らのやりたいことを感じられた
ライブでした。個人的には30分ネタを三つ用意して、ネタとネタの間に
高山選手への募金をお願いするメッセージを映像で用意してくれたり、
彼らのことを評価している芸人や事務所の方々がビデオメッセージを
流してくれたら、お笑い脳を休めたり、一息つく余裕が生まれて見やすかった
と思いますが、お笑いライブというフルマラソンを98%の力で走りぬこうと
いう彼らの意思も理解できます。

 まぁ、ライブというのは予想を裏切ったり、期待に反することもあって、
予定調和の部分もあれば、何とかなく想像していたストーリーとは大きな
違いなり逸脱もあるわけでして、そういったことはお笑いでもプロレスや
格闘技でもあります。そういった違いや想像とは違った思わぬ展開を含めて
楽しめるのがお笑いファンでありプロレスや格闘技ファンだと認識しています。

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