水戸のホテルで待ち合わせが6時15分。そこからのサーキット行きの時間を
考えると本当に鈴鹿は立地条件に恵まれたサーキットだなと思う。

 その水戸からの道中でマッティア・パジーニの走らせる車とすれ違うが
これがまぁ、何というかワイルドな走りっぷりで我々のわきを通り過ぎて行った。

 何とか渋滞に遭遇することなくサーキット到着。色々な意味で日曜日の
サーキットはあわただしいのだが、今年はアジアタレントカップがMoto3の
前に行われるので、MotoGPのレースが各一時間遅れとなっている。

 これはヨーロッパのテレビ視聴者には朗報で時差七時間というのは
かなりの差を感じると思うが、一番視聴者の多いMotoGPクラスが
日曜の朝の8時というのはヨーロッパの視聴者にはいいことだろう。
逆に日本側の目線で言うと昨年のようにMotoGPが15時ぐらいに終了して
そこからアジアタレントカップだとMotoGPを見てから帰る客とサポート
レースのアジアタレントカップまで見てから帰宅する人とに分散されるから
交通渋滞が緩和されるのだが、それがないことを意味する。

 レースに関してはMoto3のオープニングラップのクラッシュというのは
コルンフェイルファンの私にとっては残念だったし、ポールポジションスタート
のニコロ・アントネッリの低調ぶりはフィジカルコンディションがよくない
なかで出来る限りのことをしようとしたが、あれが目いっぱいだったという
ことだと思う。

 Moto2は思いがけないクラッシュがあったが、レースとしては面白かった
と思う。

 MotoGPはかなりタイヤチョイスが分かれていたり、路面コンディション
が気温は上がったが、路面温度は想定ほど上がっていなかったりで各ライダー
がタイヤチョイスに悩んだようで、そんななかで思い通りの走りができなかった
人が多かったようだ。

 マルク・マルケスの快足ぶりは素晴らしかったのですが、ペトロナスヤマハ
の二人の元気のいい走りっぷりが見事なもので若さだけでなくて、チーム
が雰囲気がいいことを感じられた。

 このあたりは新しいチャレンジをしてゼロの状態から頂上を目指そうという
気持ちとマレーシア資本のバックアップ体制、ライダーの元気の良さとが
いいハーモニーを奏でていると思う。

 昨年の四月のテック3のヤマハ陣営からの離脱という衝撃的なアナウンス
の後にヤマハのサテライトチームはイタリアの衛星放送のSKYから資金供与
を受けていて、第二のバレンティーノ・ロッシを生み出そうとしている
SKY VR46になるのか、チームSICになるのか噂されていたが、資金的な
裏付けがあり、業界内的な地政学で有利だったPetronasが前述の2チーム
より参戦計画の実効性を評価されてヤマハからのマシン貸与を受けること
になったが、それが日本の地元のもてぎでも見せつけることになった
わけで、これからが楽しみになりました。

 一方、モンスターエナジーのカラーリングのファクトリーヤマハは
ちょっとどころかかなり難しい状況ですね。バレンティーノ・ロッシは
チーフエンジニアの変更ということで空気を変えようとしていますが、
それこそ、かつてのミシュランだったら遅いからブリヂストンにしてしまう
というような大きな変化(それがサスペンションメーカーの変更のような
メーカーも巻き込むようなもの)がないとこのままでは難しいと思います。

 パドックではザルコのLCRホンダでの走りはどうなのか、KTMは来年の
ラインナップをどうするのかといった話が飛び交うなかで、ようやく
プレスセンターでカルロ・ペルナットを捕まえることができて、彼が
発表した本をいただく。

 サインを入れてくれて、SNSで宣伝するんだぞと言われるが私の
レビューがどれだけ影響力があるかわからないが、この親父さんの話では
「君は思っている以上に発言に影響力があるんだから」ということらしい。
彼の書いた過去と現在のレース界のことを読む秋の夜長にしようと思う。


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