池袋GEKIBAで開催された『元祖爆笑王のはまりにくいライブ』を見て
来ました。昨年に見たときと同様にサッカーで言うと天皇杯と一緒で
J1のトップチームも出場している一方でJ3や地域リーグや大学や高校
のチームが出ていて、レベルがバラバラだったり、有名な芸人も無名な人も
同じフィールドにいたのですが、ライブの良さを感じた時間を過ごしました。

 このブログの読者の方は私がラムズのファンだとご存知でしょうが、
そのラムズが今回トップバッターで出演しました。

 今回のネタは何度も見たネタなんですが、何だか風間春菜に緊張感が
あり、それが見ている私にかなり伝わってしまっている。

 さらにこのネタというのは大きな舞台でドタバタの動きで笑いが
増幅する。そして、ラムズの二人がネタに言葉のチョイスなどで修正を
加えていたのですが、それが私のお笑い脳には刺さらなかった。

 何度も見ているネタなので、先が読めてしまうという客側の私に深い
理解があり、大き目の舞台でのドタバタの面白さが今回は舞台のサイズの
関係もあって感じられなくて実験的に選んだ言葉のチョイスが私には
合わなかった。

 それはまぁ、今まで見てきたから故に生じた演者と観客側の関係性から
今回のラムズを見て今二つだと思ってしまったのですが、これが舞台が
大きくて、私に刺さる言葉のチョイスができたら、私の満足度も大きく
変わることでしょう。

 中華鍋を使って、大きな火力でおいしい料理を作ってくれたが、同じ
料理を小さなフライパンで家庭のガスレンジで同じ料理を作ったら
味が当然落ちるということを感じました。

 まぁ、残念ですがこうした経験とかある種のトライアンドエラーを重ねて
ネタが練られて、いいネタができあがるその過程での今回のパフォーマンス
レベルということを実感しました。

 そして、毎回面白いとうれしいが特定の芸人が好きで何度も見ていると
同じネタを何度も見ることが多い。そして、そうなると実験とかテストを
している過程でこんなこともあるのだろうなと思いましたね。

 おいらがくさかさんは今回初めて見たのですが、カープファンにはお笑い脳
直撃で、他の球団のファンだとある程度理解できるラインのネタをやって
いましたね。ドラゴンズファンでセントラルリーグを中心に見ている私には
笑うことができました。

 オダウエダの二人は卑怯なネタをやっていました。

 私にとってはとても面白かったのですが、本来はしゃべくり漫才を
する二人がコントで下ネタをやっていたのですが、これは彼女達の
実験性を感じましたね。

 ミュージシャンの作品を発表してシングルヒットを出したら、多くのファンは
その作品と近い作風の曲を支持する。しかしながら、作る側は生活のため
に多数に受ける作品や当たる曲を作る一方で、それまで使っていない技法を
使った作品を創作したかったり、違った作風の曲を作ってみたくなる。

 オダウエダの二人が今回やったネタというのは、自ら作り易いネタで
なかったり、しゃべくり漫才とは違う練りこんだネタをやって、そこから
何が受けるのか、受けるためにどんな方向性に可能性があるのかを探って
いたような気がしますね。

 恐らく、二人は岡本信人や石黒賢が悪役をやった時に実に視聴者が怖さを
感じた時のようにはまり役ではないこと、それまでのイメージとは異なる
ことで生まれる化学変化に面白さを感じているのではないか、あるいは
欽ちゃんのファミリー向けの笑いが素晴らしいと思って、お笑いの業界に
やってきたイジリー岡田さんがエロネタで輝いたところから何かを感じて
自らのアクティビティに繋げたのかなと思いますね。

 その実験性は彼女達のしゃべくり漫才を評価している人には受け入れにくい
ことかもしれませんが、私には理解できるものであり、ネタも面白かった
です。

 インターネットをやりながらTBSラジオを聴く私にとってはウエダさんは
外山恵理アナウンサーをぽっちゃりさせたような見た目なので、この偶然を
たたき台に何かネタを作ったら面白いのにと思いますが、関西圏出身だと
大阪の局の自社製作番組が多くて、TBSのラジオが中心になってきている
アナウンサーは見ないことが多いのかなとも思いました。

 志真うたさんは壇蜜さんのネタをやっていたのですが、これが声を
聞いていたら、本当に本人が話しているように聞こえるほど似ていて
毒のあるネタができたら、相当面白くなるなと思いましたね。

 私が面白いと思ったのがみつまJAPAN、エルカブキ、ロイヤルミズグティー
でした。

 みつまJAPANさんの自らの見た目を生かしたネタは作りこんだ面白い
ネタでしたし、エルカブキのお二人はばたついたところや噛んでしまうところ
もありましたが、私好みのネタをやっていて面白かったですね。

 先日、NHKBSの番組の『球辞苑』のテキサスヒットをテーマにした
時にオープニングがかつての名プロレスラーのthe great texan の
ドリー・ファンク・ジュニアとtexas broncoと呼ばれたテリー・ファンク
の二人のテーマ曲の『スピニングトゥホールド』が流れて、製作側の
狙いや意図が見えたのですが、エルカブキの二人が出演する時に流れた
のがUWFのテーマ。舞台上でのネタもそうですが、入場するところから
彼らのコンセプトメイキングが光っていました。漫然と曲を選ぶのでは
なくて、合う曲を選択する。あるいはスタッフに選択してもらうという
ことなど演じる前から彼らのキャラと体に染み付いているアイデンティティ
をしっかりと考えていると思いました。

 ロイヤルミズグティーはフリップ芸だったのですが、オーバー40の
平成の時代の出来事を記憶している人たちにはまともに突き刺さり
爆笑になっていました。

 他につまらない上に長く舞台にいた芸人や私の好みでない人もいましたが
楽しい時間を過ごした私でした。

 
 

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