池袋で開催されたお笑いライブを見てきました。たくさんの芸人が出演
していて、実力の幅が上下に大きくあり、まるで早いラウンドのサッカーの
天皇杯のようにJ1のトップクラスの試合もJ3や大学のチームも同時に見る
ような感覚を覚えたのですが、そこで明らかにJ1のトップチームだなと
思ったのがエルカブキの二人でした。

 私の好きな芸人であり、同時に好みのネタや芸風なんですが、彼らの中に
コンビ名にも現れているプロレス的な表現が今回も感じられました。

 80年代のプロレスを通り抜けてきた人からすると、いわゆるアントニオ猪木
の環状線理論を覚えている人も多いと思います。

 後楽園ホールの2000人を集めるにはスケジュールの告知のみで、コアな
ファンが集まってくれるが、武道館の10000人の集客には分厚い宣伝
活動であったり、観客動員に繋がるいいマッチメイクが必要となる。

 そして、東京ドームに三万人以上集めるとすると、スポンサーにたくさん
買い取ってもらったり、テレビ朝日に協力してもらって、広報活動を
多くしたりして、有料入場者と既存のスポンサーとドーム大会のスポンサーに
なってくれる企業に買取りしてもらう必要がある。

 エルカブキのネタにはすんなり耳に入ってくる、後楽園ホールの集客
のようなネタもあれば、ツッコミを入れたから気づくネタもあれば、
突っ込んでからさらに説明を加えて『誰がわかるんだ』というような
ネタもある。

 そして、スキャンダルを商業活動を生かすのが、優れた表現者であると
いう猪木のテーマ性がありますが、毒のある時事ネタを散りばめながら
進めるところに80年代新日本プロレスを感じましたね。

 また、私のこのブログでホタテーズのことに関して取り上げた時に
ボケが80%ほどの割合でひたすら話して、ツッコミが20%ぐらい話すという
ところが80年代のB&Bや紳介竜助のようなことを思い起こさせることを
書きました。(詳細はこちらhttps://yasumarzo.diarynote.jp/201803210415399124/

 そこには好きな芸人に対する憧憬や面白いと思った芸人からの影響が
感じられました。

 エルカブキの漫才には影響を受けたのか、無意識に近づいたのかわかり
ませんが爆笑問題や浅草キッドに近いものを感じます。

 ホタテーズとB&Bや紳介竜助との関係性は80年代初頭を知らない人には
新しく感じて、人によっては違和感を感じるかもしれませんが、エルカブキ
の漫才文法は爆笑問題や浅草キッドに近いので、90年代、2000年代を
見てきた人にはすんなりお笑い脳が活性化されて受け入れるものがあると
思います。

 エルカブキの二人がどれほど、爆笑問題が好きだったり、浅草キッドを
聞きまくっていたのかはわかりませんが、影響は受けているのは確か
でしょう。

 そこには、プロレスの好きなレスラーに根底の部分で似てきたり、師匠筋
のコーチに動きや試合運びが近くなるというような歴史的な連続性を感じ
ます。

 プロレスが好きな人がどれぐらい観客の中にいるかは不明でしたが、
私のようなプロレス好きにしてお笑い好きの人にとっては脳みそに見事に
突き刺さるネタを見られて多幸感を感じていました。

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