マルコ･メランドリ、2019年スーパーバイク世界選手権参戦へ。

　この数ヶ月、辛く苦しく重い気持ちをマルコ・メランドリは味わって
来ました。世界中の彼のファンはそんな状況を見守るしかなく、そして、
朗報をひたすら待つ毎日でした。そんな中で、アメリカへ渡るという話が
かなり深いレベルのところまでされているなかでも、スーパーバイク世界
選手権で戦いたいというメランドリの思いは消えず、その彼をサポートして
きたマネージャーやスタッフ、スポンサーが強い思いを抱きながら動いて
きました。そして、いくらかの幸運と彼らの強い思いが交錯して、彼は
スーパーバイク世界選手権で戦うことになることが濃厚となりました。

　まぁ、なんとも言えない厳しい状況が続いていましたが、イタリアの
スターライダーがいない中で来年のイタリアでのレースでの観客動員は
どうなるのか。イタリアの地上波放送のメディアセットが契約を更新
しないことが明らかになり、RAIなのかTMCなのか、あるいはメディアセット
が考えを改めて、単年契約に応じるのかはわかりませんが、テレビ放送が
行なわれるのか、マルコ・メランドリを求める外的な状況というのは
確かに存在しました。

　そして、ライダーマーケット状況として、GRTヤマハがスーパースポート
世界選手権の活動を停止して、スーパーバイク世界選手権にステップアップ
するうえで若いライダーを採用することを明言していましたが、サンドロ・
コルテーゼがチームに加入することは決まりましたが、もう一人のライダーを
どうするのかとなった時にチームが求める状況にならず、一つのシートが
空いたというラッキーな部分がありました。

　多くのメランドリのサポーター、スポンサー、ファンが動き、外的な
要因とラッキーが絡み合い、彼はGRTヤマハに加入して、ヤマハの傑作
バイクのR1を走らせることになりました。

　マルコ・メランドリのいないサーキットというのはニーノ･ロータの
音楽のないフェデリコ・フェッリーニの映画と同じだと思います。
決して悪くはないのですが、最高とか完璧とは言いにくい。

　ラベンナ人の彼に多くのスタッフが粉骨砕身で動き回り、新しい
シーズンでの活動への『道』が作られて、ほっとしながらひとまず
『甘い生活』を感じていることでしょう。

　このブログを昔から読んでいらっしゃる方やサーキットで私と会う人は
私とミルコ・ジャンサンティとの長い付き合いをご存知の方もいること
でしょう。

　彼が125ccでデビューした時のマッテオーニレーシング時代、そして
チームカッパでの年、さらにスコットレーシングチームでの時と彼とは
近い場所にいました。

　これは本当にたまたまなのですが、レース用の道具に関する問い合わせが
彼からあり、その返事を兼ねて彼とフェイスブックの通話機能を利用して
話していて来季の話になり、今のところオフィシャリーには言えないが
GRTヤマハの一人のライダーがサンドロ・コルテーゼであり、もう一人が
マルコ・メランドリと話してくれました。

　オフィシャルなアナウンスメントはメディアの注目を浴びて、広く情報
発信をしたいというメーカー、チーム、スポンサーの意向もあって、
EICMAというシーズンオフの各バイクメーカーやサプライヤーやスポンサーの
発表会の際になりそうですが、スポンサーにPATAが付き、ENIも支援をする
ことが確定的です。
http://www.corsedimoto.com/in-pista/mondiale-sbk/superbike-2019-ce-una-yamaha-per-marco-melandri/

　もちろん、この世界は何が起きるかわからないのは確かですが、ここまで
ことが進んでいて、話が壊れる可能性はゼロに近いと思います。

　レース界には醜いリアリティと美しいファンタジィが存在し、絡み合う
世界ですが、この三ヶ月はマルコ・メランドリは醜いリアリティばかりを
感じていましたが、ようやく美しいファンタジィを感じることができました。

　彼が来年のスポンサーカラーのチームユニフォームで公式記者会見に
臨む時を待ちたいと思っています。