10月21日 日曜日。

 なんだかんだ忙しいレースウィーク。そして、サーキットへの道のりが
どうしても長く感じる水戸からの日曜日の道中。そこで話される話というのは
やはりレース業界の話となる。

 これから行なわれるレースと来週と再来週の三週連続開催。
個人的には97年のようにシーズン序盤がマレーシアと日本での開催があり、
終盤にインドネシアとオーストラリアという二連戦の方がいいと思うが、
この私の考えは賛成の方も当然結構な数いるが、意外にもタイでの開催と
間があいての日本ーオーストラリアーマレーシアの三週連続に賛成している
人も多くて、驚く。

 今年のレース数は19戦で、前日に配られた暫定のカレンダーはフィンランド
はない。さすがに年間20は多すぎるし、年間20にするなら今年のカレンダー
でチェコとオーストリアが二週連続開催になったように、オランダと
イギリス、フランスとドイツといった隣国での二週連続開催にするような
ことをしないとライダーもメカニックもスタッフも付加が大きすぎるという
話をする。

 フィンランドが少なくとも来年はないということやメキシコでの話が
現時点では頓挫しているということで正直、安心している人も多いことを
実感する。

 まぁ、日本ーオーストラリアーマレーシアの三週連続だと最初の日本で
壊れたり、ライダーが怪我したら三レース連続でノーポイントということは
十分ありえるので二週連続と三週連続では上手くいっているライダーや
チームは勢いで上昇機運に乗れることもあるのだろうが、その一方で
まずいことが起きた時に悪いスパイラルに陥ることも考えられるわけで
移動の大変さと同時にシーズンの流れを考えて、起きることも想像できる。

 かつてのフィンランドやスウェーデンといったところでのレースでの
しんどさや難しさを知っている人、日本のメーカーがレースが開催されてい
ないインドネシアやインドや中国の市場を考えていることなどを車中で
話す。

 サーキット到着。金曜と土曜で話せなかった連中に顔を出しに行く。
ジョバンニ・サンディの親父さんと顔を合わせる。彼もいわゆる
パパマネージャーであり、子供でありライダーのフェデリコ・サンディの
近い未来と来年のことを考えている。日本のレースではR1は基本性能の
高さとメーカーのサポートもあり、競争力の高さを認めているが、イタリア
選手権を考えると、彼がヤマハ系のチームに行くのが正しいのかどうなのか。
スーパーバイク世界選手権での併催のストック1000選手権の行方とか
メーカーやチームの動きなどを交えながら話す。

 チームプラマックのピットに行き、フランチェスコ・グイドッティに会いに
行ったところに姿を現したのが我が友シモーネ・ファルチーニ。彼は
息子がまだ小さいがモトクロスをやっている。そして、それはグイドッティ
も同じであり、同じフィレンツェ在住なので、練習環境であったり、
親のサポートの仕方などに関してうだうだ話す。

 チームスナイパーに行く。ここはかつてのチームスコットにいた連中が
結構いて、以前よく顔を合わせたテクニカルスタッフがいて、近況報告
をする。チラーノ・ムラローニは果たして今、何をやっているのだろうか。
少しでも世話になった私はそんなことを考えてしまうが、チームを解散する
直前の日本人ライダーに対する扱いなどを考えると日本人のレースファンに
は悪い印象が残っているので、多くのファンにはいい印象が残っていない
のは確かではある。

 チームイタルトランスに行く。まぁ、金曜と土曜の状況から今回は
上位進出が望めないようで、できる限りのいい成績を得ようという空気感
が横溢している。

 AGVのブースに戻って、レースを見る。まぁ、決勝レースが始まると
スタッフが忙しいので、お留守番役ということになる。そこにライダーと
スタッフが来て、あれやこれや話をするが、ユーロが160円だったら、
日本にレース後月曜日や火曜日まで滞在する人も多いが、130円を切るとなると
両替したら125円ぐらいになるため、日曜深夜や月曜日の便で日本を離れる
人が多いことを知る。

 Moto3、Moto2のレースは面白かったが、MotoGPはドヴィツィオーゾの転倒
で最後はマルケスの一人旅。ここもてぎというホンダのサーキットでタイトル
を決めることができたのは彼らにとってはいいことだったろう。

 ホンダの社長もこういうことになると、大規模予算のプロジェクトに関して
予算削減はこの先二年は考えないということになるだろうし、ホンダに
関わっている方々にとっては最良のシナリオということになったと思う。

 レース終了後、カルロ・ペルナットの親父さんと話す。まぁ、彼の担当
しているアンドレア・イアンノーネは来季からアプリリアであるが、その
アプリリアと他のメーカーとの差は相当大きいものがあるわけで、そのあたり
のことを聞くが、考えられる最良のシナリオがスズキ離脱後にあったシートが
アプリリアであり、他はすでにシートが決まっていたわけで、考えられる
最高の契約がアプリリアということだったということになる。このあたりも
アプリリアのスーパーバイク世界選手権撤退というところが影響を与えている。

 来週はMotoGPがオーストラリアでスーパーバイク世界選手権がカタール。
そして、来週ではないが全日本にトプラック・ラツガトリオグルがチーム
グリーンで参戦するということが何かの序章のように思える。

 大渋滞のサーキットから羽田までの道のりでスマートフォンを見ると
パトリッツィオ・カントゥがマルケスのタイトル獲得に関して感想を書いて
いたり、多くのレースファンが意見を書き込んでいる。そこに返事や書き込み
をしたりしながら、羽田へと向かう。
 

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