能力の高いライダーが競争力の高いバイクで浮き沈みなく安定的に
走ることができたら、タイトルに近づく。勝ち味を覚えて、しっかりと
シュミレーションをしていて、それを実行できたら勝つことができ、
それができなくても、できうる限りのいいタイムで走ったり、順位を
確保できたら世界チャンピオンになれる。強さと安定性を感じた
四度目の世界タイトル獲得のシーズンでした。
https://www.crash.net/wsbk/race-report/906594/1/rea-celebrates-world-superbike-title-magnycours-double

 まぁ、カリスマ性がないとか真面目すぎるとか色々と彼に対する評価には
声はずっと前から上がっていますが、かつての暴君とも思える人がわがまま
を言って、それに応えることができたエンジニアの努力によって高出力
だったり、ハンドリングがいいバイクが生まれて、それを操るライダーが
いいタイムで走ったり、優勝して、それをメディアが持ち上げて、さらに
カリスマ性が高まるということはかつて様々な国々、民族のライダーで
ありました。

 しかし、周りに配慮を欠かさず、テクニカルスタッフやエンジニアと
対話と相互理解でいいバイクを作り上げる(あるいは彼の好みの性能の
セットアップを完成させる)ことで速く走るマシンを作り、それで
ライバルを圧倒する。

 今のレーシングバイクがとりわけ世界選手権レベルのマシンになると
電子制御とか車体性能などが細分化されて、そこに優れたスタッフが
集まり、ライダーの感覚が数値化や可視化されている現代ではライダーの
感覚で不足している部分や必要なことなどを口に出して、それが欠如
していると野卑な言葉をぶつけて、求めていることを用意するように
するというのは難しくなっていると思いますね。

 そうなると穏やかにエンジニアスタッフとの対話や意見交換を重要視
して、言葉を選びながら全てのスタッフに配慮を欠かさず、いいマシン
(あるいは彼好みのセットアップ)を求めて、レースウィークを過ごすことが
勝利への近道だと思いますし、そういうアプローチをしているライダーは
刺激的な発言をしたり、受けを狙うような行動をすることはしなくなると
思いますね。

 当然、ライディングスキルはあるのですが、いわゆる普通の人が栄光に
近づくために与えられた環境や持っている道具などの有効性を判断して
取捨選択して、勝ち味を覚えて、そこから過剰なものをそぎ落とし、必要な
ものを加えて勝利を重ねてポイントを増加させて、ライバルを圧倒して
いき、まだ、レースが残っているのですが、圧倒的な差を広げてタイトルを
獲得した。ジョナサン・レアの技術やカワサキのマシンの強さと同時に
彼の人間力やキャラクターが今回のタイトル獲得の大きな理由ではないか
と思いますね。
 

コメント