マイナビラフターナイト観覧記。
マイナビラフターナイト観覧記。
マイナビラフターナイト観覧記。
 18日の土曜日の夜に赤坂で開催されたTBSラジオの『マイナビラフターナイト』の夜の部の公開収録に行ってきました。

 残念ながら、昼の部の抽選は外れてしまったのですが、夜の部が当選した
ので、喜んで出かけました。

 毎回、このライブ収録というのは楽しみにしているのですが、それは理由が
あって、色々な芸人さんを見ることができるということと同時に恐らく番組
製作サイドが年齢や性別などばらけた観客層にしようとしていることが
感じられます。

 以前、出かけたお笑い事務所のライブではイケメンの若手のお笑い芸人を
目当てにしている女性客が多くて、そこで事務所のライブでのカテゴリー分け
するようなオーディションライブだとある種人気投票のような形になって
しまって、実力の測定というよりかは好きな芸人が出てきたら無条件に
評価してしまう人が投票の上位に来ることになる。しかし、この『マイナビ
ラフターナイト』に関しては観客には年齢層も性別もばらけているので
実力本位でのジャッジメントになる気がしますね。

 そんないい印象を抱いているこの番組の今回の収録で面白かったのは
ウエストランド、ポンループ、ペコリーノ、エル・カブキ、ダンシングヒーロー
でしたね。

 ウエストランドは単純にネタがキャッチーだったこともあり、テンポが
良くて、すんなりネタに入っていけて、笑うことができました。

 ポンループは男女コンビでアミはアベマテレビの『ブステレビ』に出演
している人で私が現在、気になっている芸人の一人なんですが、この
アミがいきなり開始五秒経たないところでネタがすっ飛んでしまった。

 しかし、ここからライブの良さとアドリブ性の強さで自らのミスを笑いに
転換してしまって、その勢いというか無軌道なパワーで笑いを生み出して
しまった。

 これはまぁ、本来はまずいことなんでしょうが、ミスを引きづることなく、
現場の空気を読み取ってネタを運んだ鈴木駿佑の機転の良さとアミという
じゃじゃ馬をどう扱えばいいのか(それも性格に難がある瞬発力勝負の
短距離特性の暴れ馬)を良く理解していて、ライブ感のある笑いを生み
だしていったのは見事だったと思いましたね。

 恐らく、彼は落語の笑福亭とか桂という一門のかっちりした笑いも認めている
のでしょうが、色々なところにとっ散らかりながらも最後には決められた
ところに着地するのであれば、フリートークやアドリブ性のある方向性で
ライブで生まれる熱量から発生する笑いの面白さも理解しているはず。

 それゆえにいきなり相方がネタが飛んでしまって、どこに走るのかわから
ないようなことになって、とにかくパワーだけは出して、客の視線が浮遊
しないためのアミの無鉄砲な発話を受け止めながらもネタを軌道修正をしながら
本来の形に持って行き、ぐだぐだにならないようにして、まとめていった。

 そんなところに彼の能力の高さとアドリブ性の強さを感じましたね。

 まぁ、アミはアミでネタが飛んでしまった時に落ち込んだり焦ったら
全てが無になってしまうから、大きい体とカワイイとは言えない容姿と
過剰なまでの場を持たせようという負から発生したエネルギーで発声を
していき、散漫になりがちな空気感を避けるために舞台に注目を集めて
相方の能力を信じてネタを続けていたところにお互いの信頼関係
(それがビジネス的なものであっても)を感じました。

 ペコリーノに関してはクロコダイルミユの演技力が素晴らしいので
ネタにすんなり入っていけましたね。ネタもよかったのですが、彼女の
演技がいいので、見る側に緊張感があり、そこからの落差や違和感で
発生する笑いが心地よかったです。

 エル・カブキはまぁ、放送できるのか、芸能界の地政学的に文句を言われない
のか気になるようなネタだったのですが、それ故にとんがっていたり、際だって
いるからこそ生まれるような笑いというのはあり、それがいい突き抜け方を
していたから、あの場に集うお笑いグルメには受けていましたね。

 多くのお笑いファンがエル・カブキに関しては、爆笑問題に影響を受けて
いるが、彼らほどの面白さや爆発力がないという爆笑問題の下位互換という
認識をしている人が多いのでしょうが、そこはメディアによって求められて
いるものをやっていて、それを見た人がそう判断しているところがあります。

 今回のネタに関してはお笑いマニアが集う場所でそれほど周りの目であったり業界的な地図を見なくてやりたいネタをしっかりやりきればいいという
土壌の中で彼らが爆発したのだと思いますね。ネタ中の中に挟みこんだ
アドリブもライブ感とお互いのコンビネーションで上手く話を運べるという
共通理解があって、当初のネタあわせの時には入れなかった話を挟み
ながら、大笑いと小さな笑いも含みながら、ボルテージの高さを生んで
いたと思います。

 最後に登場したダンシングヒーローですが、これはボケが新しくて斬新
さを感じましたね。そこに対するツッコミがきれいに入るので、予想
とは違う時の流れ方やリズムがあって、それが笑いに繋がっていたと思います。

 他にも面白い芸人もいたのですが、ライブ空間でお笑いグルメが集まる
中で、その時の時間や土壌を上手く使いながら、大きな笑いを作っていた
人たちを見て楽しい時間を過ごしました。

スポンサーの提供品とノベルティももらって、大満足の一夜でした。


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