ドニントンパークでの全世界のレースファンに衝撃を与えた見事な走り。
能力はあるが、マシンやチーム体制に恵まれないと実力がタイムや順位に反映
されないモータースポーツの真理を部分的にではあるがひっくり返した一発の
走りというのは彼にいいディールを持っていくには十分でした。
すでにチームマネージャーのマヌエル・プチェッティとはオランダの段階で
かなり話を進めていたのですが、契約更新が発表になりました。
http://www.motoblog.it/post/909330/sbk-razgatlioglu-kawasaki-puccetti-2019

カワサキファクトリーのジョナサン・レアとトム・サイクスのマシンとは
型番は一緒であっても、内部の手の入れかたというものはかなり違う。
そして、メーカー直系のチームとインディペンデントチームではカワサキ
本社からの人的物的なサポートの分厚さは異なってしまう。

 しかしながら、イギリスラウンドでの才能あふれるトルコ人ライダーは
持っている一枚落ちる道具やチーム体制でレアとサイクスよりも速く走り、
二位という成績を挙げてしまった。

 そうなるとこれは彼にファクトリーチームと同じスペックのバイクを
供給しようとか型落ちにしても僅かな違いのマシンを提供しようという
ことになりますね。

 カワサキファクトリーのジョナサン・レアとトム・サイクスは契約更新が
間近と言われていますが、仮に他のメーカーであったり、MotoGPのチームから
話が来て移籍する可能性が高まってきた時に備えることは大いにあると思い
ますね。

 現状のトプラク・ラツガトリィオグルの立ち位置というのは彼がチームと
契約して、そのチームはカワサキと契約しているというものだと思うのですが
それが彼がカワサキの秘蔵っ子となり、そのカワサキがチームに人的物的
リソースを注いでいこうという流れになっていくと思いますね。

 全世界のレースファンに衝撃を与えたドニントンパークの快挙というもの
からレース界の地政学のなかでものすごいスピードで彼に関わるチームや
メーカーやスポンサーなどのディールが大きく変化してきていることを
感じています。

 90年代にマックス・ビアッジがアプリリアのマシンで日本のホンダのマシン
を走らせる岡田やヤマハの原田を相手に快進撃をしていくなかでイタリアでの
地上波での放送が再開されるようになったり、イタリアでの2レースでスポン
サーが集まったりミニバイクのライダー人口が増えたように若くて元気で実力
のあるトルコ人がトルコという国でのモータースポーツ人気に寄与して、
トルコラウンドの誘致やスポンサーの増加やジュニアカテゴリーの充実と
いったことに繋がっていくような気がします。

 チームプチェッティとの契約更新はこれからの大きな動きの最初の一歩
になるのかなという思いを抱いている私です。個人的にはチームマネージャー
のマヌエル・プチェッティは運に恵まれている部分もありますが、いい
働きをしているなと思いますね。

 

コメント