ここのところ、強く感じるのはお笑いライブを見ていて思うのは師匠と弟子
が似てきたり、好きな先輩に芸が近くなってきたり、憧れの芸人に近い空気感
を持つようになるというものですね。

 ホタテーズの漫才を見ていて80年代の漫才ブームにおける紳助竜介で
あったり、B&Bのようなスタイルに現代のトピックスを加えて、そこに
彼らの好みのリズムを当てはめていると思いますね。

 これはダウンタウンの登場以降やM1グランプリの発足から、漫才の形
というのは良くも悪くも様々な変化(あるいは進化や深化)を遂げてきて
今に至るのですが、ホタテーズの二人はナイツのような漫才はキレイすぎて
できなかったり、アルコ&ピースの二人がやるようなコント仕立てのような
漫才は演技力が必要だから難しかったり、南海キャンディーズのような
ネタは言葉のファンタジスタと存在そのものが異形の人で真似できない
とか昨年のM1でジャルジャルが発表したの伏線を張り巡らせた二重構成の
ネタは作りにくいということなのかもしれない。

 しかし、紳助竜介やB&Bの漫才はボケ側が八割しゃぺりまくり、ツッコミ
側が二割つっ込めばいいから、作りやすいかもしれない。
(ただし、しゃべりまくるボケ側の過剰なまでのパワーが必要)

 ホタテーズが好きな芸人や影響を受けたコンビが紳助竜介やB&B
だったら、研究と模倣から入って、そこから自分たちが使いやすいフレーズ
だったり、ネタの題材を放り込んで、自らのワン&オンリーの漫才と
することになったかもしれない。好きな先輩芸人を見ていて、参考に
しているうちにネタの流れなどはある意味『三つ子の魂百までも』と
なった気がしますね。

 また、好きな女性の漫才コンビにちょーちんあんこーがあるのですが、
彼女達はパワフルで無軌道で大いに脱線したり、客をいじったり、舞台
から客席まで入っていきながら、プロレス会場のような緊張感やある種の
開放感をじゅんこBAN!BAN!が創造しながらスタートからフィニッシュ
までもっていくのですが私はこれを楽しんで見ています。

 二人の早口だが、聞きやすい発声(ここに二人のお笑い偏差値の高さを
感じる)とじゅんこBAN!BAN!さんの予定調和を崩すパワーがあり、暴走
しながらも暴れすぎを抑えて、しっかりとコントロールするすぐれたジョッキー
(暴れるのがメス馬だから大変だと思うのですが)のひぃさんの能力の高さ
をライブで感じます。

 そのちょーちんあんこーのひぃさんもじゅんこBAN!BAN!の二人ともに
現代的なテーマをネタにしたりとか下ネタも使ったりするような暴走が
あったりするのですが、実はネタの運びとか流れはスタンダードですね。

 そこに私は理由が何かと疑問を感じたり、知的好奇心が湧き上がったりした
のですが、一つの仮説として考えられるのは、二人の好きな芸人であったり
憧れが海原やすよ・ともこだからではないかというものですね。

 いわゆるキレイな漫才であり、実力があり、常に安定して笑いを取ることが
できていて、万人受けする芸人というのは参考にできる点が多い。

 ひぃさんもじゅんこBAN!BAN!さんも共に好きであるならば、一緒に
なって海原やすよ・ともこを見たり研究してネタを作るのはノーストレス
であると思いますね。

 そう考えるとちょーちんあんこーは海原やすよ・ともこをベースにしている
ような気がします。ある意味『三つ子の魂百までも』を思わせるものが
あり、暴れまくっている漫才だけれども、実はストーリーラインとか
ネタの運びはスタンダードというのは好きな芸人や憧れの先輩のネタに
対する研究や学習から発生しているのではないかと思いますね。

 そのスタンダードが歴史教科書だとすると、それだけでは自らの脳に
突き刺さらなくてつまらないから歴史上の人物のところに私生活のでたらめさ
とか女関係や男遍歴などを書き加えて、脳みそを活性化しながら、楽しみ
ながら怪しい部分もコミコミで理解すると退屈な授業も面白く感じること
ができる。

 スタンダードとかベーシックだけではつまらないと思えて、創意工夫
だったり、揺れる巨乳と震える下っ腹というキャラクターの有効活用
をしながら、パワフルなネタをやっているのがちょーちんあんこー
だなと思いながら、お笑いライブでの二人を見ています。

 まぁ、私は冗談を言う時のネタの運びがつボイノリオさんに似ていると
言われたり、英語がかつて80年台に活躍したDJのコッペのようにoをaに
近く発音したり、イタリア語を話せばエミリアロマーニャ州のなまりが
あったりしていますけどねぇ。
 
 

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