悲しいニュースがレース関係者に届けられました。
アプリリアの会長であったイバーノ・ベッジョ氏が亡くなりました。
あまりに突然で、早過ぎる死に悲しみが止まりません。
http://www.gazzetta.it/Moto/moto-GP/13-03-2018/moto-piange-beggio-storico-presidente-aprilia-250890408878.shtml

 私と会長との間には微笑みと美しい空気感がありました。
初めて97年にヨーロッパに行き、サーキット内のアプリリアのホスピタリティ
の前でお会いした時に私が

『昔はヨーロッパのメーカーもあったが、そこにはヨーロッパ人しか乗らなかったし、80年以降にホンダ、ヤマハ、スズキを走らせるヨーロッパ人ライダー
がいたが、今はアプリリアに徳留、坂田、原田が走る状況になっていて
壁とか心理的な違いを感じなくなっていて、いいことだと思う。
この状況を生み出したアプリリアは素晴らしいです。』と今よりも下手だった
イタリア語でお話したところ、微笑みながら、日本人ライダーとアプリリア
のことなどをお話になりました。

 私の立ち位置が独特だったことやイタリア語を話すというところ、
そのイタリア語およびフランス語が下手でも、下手だからといって黙る
のではなく、下手だからこそチャンスがあれば話すようにしていることを
説明すると、喜びながら、私との会話に応じてくれました。

 その後、アプリリアが危機的な状況に陥った時にベッジョ氏は
『MotoGPはお金がかかり過ぎだ。ホンダやヤマハといったビッグメーカー
は追加の予算を計上して、マネーウォーで勝つことができるが、それは
我々のような小メーカーにとっては活動ができなくなる』とお話に
なっていました。

 その後、ベッジョ氏はアプリリアの経営責任者という立場からピアッジョ
グループ内のアプリリアの名誉職という職務に就きましたが、彼の心情を
想像すると無念だっただろうなという思いが消えません。

 近年は一人のバイク好きの立場からfacebookにてレースのこと、バイクの
ことを発信していらっしゃいました。

 私のような立場の者も友達承認していただき、言葉を交わすことでうれしい
発見であったり、楽しい会話をすることもできました。

 今日はアプリリアライダーの素晴らしい走り、見事な戦いを見て、会長の
ことを偲びたいと思います。

 とても早いし、すごく残念です。

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