劇場、ウェブ、テレビ、ラジオなどネタをお笑い芸人が発表できる場所という
のはあると思うのですが、同じネタをやっても受けるときと受けない時もあり
シチュエーションの違いだったり、場所における特性などを感じることが
多いですね。では、芸人さんが新しいネタを作るときにじっくりと旧作を
見つめなおして、そこから生まれることもあれば、新聞や雑誌を眺めていたり
街中を歩いているときに着想することもあるわけで、発想とか作品作りという
のは感性に従うのだろうかと思っていたときに読んだのが『マネーボール』で
あり、見たのがサンキュー・タツオ氏がライブにて発表していた
「漫才文体論 既知と未知の漫才の分析・実演」でした。

 国語が専門で文体論というアプローチからお笑いを解析したのが
サンキュー・タツオ氏でして、漫才におけるフレーム理論であったり、
コンビの特徴や時代背景から生まれる笑いの仕掛けの手数などを
分析して発表していました。
https://www.youtube.com/watch?v=LrJNp-apqn8

 実際に分析して、コピーができるのかということを他の芸人さんと
台本を作って演じていたのですが、ナイツらしい漫才であったり、
ハライチがやりそうなネタをやっていました。

 ある意味、解析して、真似ることはできる気がしますね。ただ、そこから
何か加えたところから新しいネタが生まれると思うのですが、そこが本人の
得意分野をぶち込んだり、テンポを変えたり、笑いの手数を増減させたり
ということで影響された先輩がいながら、本人の笑いにするということ
なのかなと思いますね。

 紳助竜介の漫才がB&Bのシステムを下敷きにしていて、一人が長く話すのが
簡単で会話のラリーが少ないと間違えることも少ないということでその
システムに本人の経験談と衣装といったビジュアル面を加えて20歳から35歳
までの男性をターゲットにしたネタ作りをして成功したのですが、基本
というかフォーマットができているのであれば、それをお笑いの学校で
学んで、そこから本人のキャラクターとネタ作りで爆笑を取れるのかなと
思いますね。

 ただ、サンキュー・タツオ氏は全ての経済学者がお金持ちではないとは
話しています。解析はできても面白いネタを発表できるかどうかは本人
しだいなのかと思っています。
 

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