ブラジルのジャカレパグアの500ccのグリッドに100%ではない状態だが戻ってきたフランス人ライダー。

見た目は国際的な企業がスポンサーに付き、潤沢な資金で活動しているように
思えるが、各企業が払っている額は決して大きくなく、レジス・ラコニ
が不在の時に代役で走ったライダーの成績はチームが求めていたものではなかった。
 
 やはりレジス・ラコニというライダーでないとだめで、チームの不沈は彼に掛かっていることがよくわかった彼のいないレースであった。

 果たしてブラジルではどうなるのだろうかと彼のフィジカルコンディション
とメンタル状態を考えながら見るブラジルでのレースであった。

 彼の予選タイムと順位は復帰戦ということを考えると仕方ないのかなと思える
ものでした。彼の土曜日までの様子はこのブラジルでレーシングスピード
に慣れて、次のイギリスからにいい状態で走るための実戦練習だろうなと
想像していました。

 しかし、決勝日のレジス・ラコニはファイターとしての欲深さと気持ちの強
さを感じさせるものでした。

 スズキワークスに先行する9位でのフィニッシュ。まさかトップテン入りをするとは
思えなかった私は彼の凄さと素晴らしさを感じ、ダスティで滑りやすい路面でも
素晴らしいコーナーリングスピードでタイムを削っていく彼の技術の高さを
感じました。

 ブラジルを終えて、グランプリは再びヨーロッパへ。ブラジルの次はイギリスのドニントンパークでした。

 ハンガリーのブタペストに滞在していた私は空路イギリス入り。そして、サーキットに入りました。

 入場ゲートからパドックへ歩いているところに後ろからクラクションが鳴る。
誰かと振り向いたらイギリスだが八月中旬で暑いなかで上半身裸でキャンパーを
運転してドニントンパークにやってきたレジス・ラコニと当時の彼女でした。

 少し話す時間があり、挨拶を交わす。体の方は90%でメンタルは100%だと
いう言葉を聞き、安心する。

 レースウィークが始まり、彼のコンディションが全く問題ないこと。そして、このサーキットは彼のホンダV2にはチャンスがあることを実感する。

 他のホンダV2を走らせるライダーとアプリリアV2を駆るドリアーノ・ロンボニが予選上位を占めて、これはかなりの地殻変化を見せてくれるのだろうか。
個人的にはそうであって欲しい。そして、レジス・ラコニに台風の目になって欲しいと思っていた土曜日までの私であり、彼のファンであり、チームスタッフでした。

 日曜日のレース。結果は残念なものになり、サーキットには美しいファンタジーが存在するのと同時に醜いリアリティを共存するのだと思いハンガリーの
ブタペストに戻り、そこから次のチェコのブルノへの移動を考えることとなりました。

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