堺のホテルをチェックアウトする。その際にマウリツィオが関空に行くルートを
ホテルのフロントマンに『これでいいかと』タブレットを見せるが、彼はosaka
airportと入力して、出てきた地図とルートを見せていた。即座に『違います』
と返答される。私がkansai airportと入力して出てきた地図とルートを見せて
確認する。

 彼一人でもし、確認せずにこれで大丈夫だろうと思っていたら、ルフトハンザ
航空に乗れずに帰国できなかったわけで、どえらいことになっていたはずである。

 以前、私がユニオンバイクジモータースポーツでラウジッツリンクにいて、
飛行機でやってくるジャンルカ・ヴィッツィエッロを迎えに行ったが、彼は
ただ、ベルリンに着くとだけ行っていて、ベルリンの当時の二つのエアポートを
駆けまわったことを思い出す。

 車中で月曜日の名古屋便が取れなかったから、大阪まで移動してきたが、
名古屋便で火曜日ということは考えなかったのかと尋ねたら、月曜日の
大阪ーフランクフルトが取れなかったらそれも考えたかもしれないが、
こうしてチケットが取れたから、こちらを選んだという話。
火曜日以降の名古屋ーフランクフルト便だったら、ルカ・ビターリのために
名古屋や近郊のメーカーへのあいさつ回りなどもスケジューリングできたのに
と私などは思ってしまう。

 日本語の表示でレンタカーのオフィスの方が書かれているが、彼はそれが
当然のことながらわからず、terminalと書かれている方に行こうとしてします。
結果私がレンタカーのオフィスの方に行って、それで正解だったが、外国人一人で
空港にレンタカーを返却する時に困っている人も多いのではないかと心配になる。

 まぁ、何とかかんとか空港に到着し、そして、チェックインを済まして、一安心である。
同時に最悪に備えようとする私の性分から、もし、彼一人で違うエアポートに
行ってしまっていたらとかレンタカーのオフィスを探しまわって、あっち行ってこっち
行ってなんてことになっていたら大変なことになっていただろうなと思ったり、
名古屋は利便性が高いなと感じたりもしました。

 彼のレンタルしていたwi-fiルーターを返却して、私は電車で難波へと向かう。
同じ電車ですぐとなりにフランス人の家族連れの観光客。夫婦と息子で
空港から難波へと向かうところで父親がレースが好きなようでうだうだと話す。

 『君のフランス語はかなりいいね。』などとほめてくれるのはうれしいが、
私のフランス語の下手さは私が一番、よく理解していて『私のフランス語は
うまくない。しかし、うまくなりたいという気持ちは強い。』
と答える。

 さらに『ほとんど多くの日本人がフランス語に限らず、外国語が上手くないとか
片言だという認識だと何をするかというと沈黙してしまう。ところが私はフランス語
は上手くないし、全然足りない部分ばかりなのだが、それ故にサーキットであったり、
テニスの大会会場などでフランス語を話す機会があったら、これはビッグチャンス
だと考えて、話すようにしていて、サーキットだったらエルフ石油やシャークヘルメット、
フランス人ライダー、ジャーナリストなどにかわいがってもらえているし、テニスの
大会会場だったらプレイヤーやコーチなどと会話の機会を得て、色々な意味で競技
やツアー環境に理解を深めている。』

 とこの20年ぐらいこの手の会話になるといつも口にすることを説明すると納得した
様子であった。

 続いて

 『私がイタリア語を教えている時で、私がまずは話せ。そして、そのあとでどこが
間違えているのか、何が必要で何が足りないのか考えなさい。と指導していたの
だが、どうも日本人はそういうトライアンドエラーの発想が極めて希薄なので
教えていて、疲れてしまった』などと話すとかなり私の思考や方向性などを
わかってくれたようだった。

 難波でこのフランス人一家と別れて、難波のあたりをうろうろする。
当然、金券ショップもたくさんあるので、近鉄の窓口でチケットを買わずに
金券ショップで名古屋行アーバンライナーのチケットを買い、電車に乗ったら
爆睡状態に突入。気がついたら名古屋駅のちょっと手前で、慌ただしかったし
ここのところ短時間睡眠が昨晩も含めて多かったなぁと実感する。

 名古屋に着き、我が家に到着して五分後にゲリラ豪雨。天気が一日
前にずれていたらレースはどうなっていたのだろうか。2009年の台風直撃で
三度セーフティーカーのような展開になったのだろうかと思いながら、
各ライダーやメーカー、チームのSNSでの発信を眺めていると酒井大作君が
今回の鈴鹿8耐のチームメイトと難波の辺りで食事したり、歩いていた写真を
発見。ニアミスだったなぁと実感したり、名古屋から飛ばない連中は大阪で
一日過ごす様子を見て、祭りの後の静けさを感じた。

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