金曜日と土曜日はカブでツーリングがてら鈴鹿サーキットに行ったが、
今日はレース後に関空方面へ流れるので近鉄とバスでの移動。サーキットに
お客さんと同様の形で入ることになった。

 ウォームアップ走行を終えて、しばらくしてピットウォークとなる。
これだけのチームが参戦して、そこにチーム専属のキャンペーンガール、
大会スポンサーやチームのスポンサーのレースクィーンにサーキット専属の方
も加わるとすごい数になる。まぁ、イタリア人はライダーもエンジニアも喜んでいる。

 同時に思うのは私は女性ライダーのカティア・ポーエングセンとの近い関係が
あったからなのだろうがライダーやメカニックが女性でキャンペーンボーイが
露出度の高い衣装でPR活動に従事して、そのイケメンの写真をかわいくない
女性が高性能で高価格のカメラで撮影しまくっていてもいいのではないかなどと
思ってしまう。

 日本のショービジネス界を見ているとジャニーズによる経済波及効果を考えると
レース界もイケメンが女性のカメラ小僧化を進めてもいい気がしてしまう。ただ、
車の世界はともかく、女性のバイカー人口を考えると女性に訴求効果を求める
企業が少なくて、スポンサー活動に結びつきにくいということはあるのだろう。

 パドックを歩いているとこの私のブログのファンだという人に声をかけられて
サインを求められたり、質問を受けたりするのに応じる。愛読に感謝する次第
である。

 この私のブログのファンの中にドリアーノ・ロンボニのマネージャーだった
ロベルト・カモレイ氏がいて、私がイタリア語で書いた時に素早いリアクションと
温かい言葉をかけてもらうことが多い。彼の子供が日本人と結婚して、子供が
生まれたので、鈴鹿サーキットに来て、レース界の旧交を温めて、サーキット以外
では孫の顔を見て過ごすバカンスを過ごしたかったようだが、今年の夏は
来れなかったようで、残念である。

 ピットウォークが終了して、いよいよ八耐のレーススタートが近づいてきた。
ここで開会宣言が行われたのだが、そこでマイクを通じて開会宣言を行ったのが
FIM(国際モーターサイクル連盟)の会長のヴィト・イッポリート氏が最初の挨拶を
日本語でするのはまぁ、わかるのだが、開会宣言の全てを何と日本語で行った
のにはすごく驚きました。

 母国語がスペイン語で私とはイタリア語で話をするので、まぁ、母音が五つの
日本語の発音はそれほど難しくないのはわかるが、決して短くない文章の全て
を日本語で行うというのは素晴らしいことだと思いました。

 日本のレース界のいいところでもあると思うのですが、会長が日本グランプリの時に
パドックにいたら、日本のファンが写真を求めたり、サインをお願いしたりするように
会長に対するリスペクトが強いの。

 それ故に日本にいい印象を抱いて、そして、この日本では日本語という難しい
が話せれるのであれば話したほうがいい言語で話そうとお考えになる。

 そこまではわかるのだが、実際に話そうという決断はなかなかできるものではない
し、英語で済まそうということのほうが自然だと思うが、あえて今回、日本語で話した
というところに感動を覚えました。

 もちろん、色々な大人の思惑だったり、業界的な狙いがあるのは十分わかります。
しかし、日本語で話そうというのは強い思いがないとできないものですね。
非常に胸を打たれるものがありました。

 さて、スタートライダーがマシンを一周走らせて、マシンをグリッド上に並べて
いよいよスタートの瞬間が近づいてきた。私もグリッドの方に行き、各チームの
ライダーがグランドスタンド側に座っている場所へと足を運ぶ。

 GMTのニコロ・カネパと話すと割にリラックスした様子で彼がライトスピード
カワサキでスーパースポート世界選手権で走っていた時と同じように過度の緊張は
良くないとリラックスするようにしていて安心したり、ホンダエンデュランスチームの
セバスチャン・ジャンベールもリラックスと集中の適度なバランスが必要だからと
笑顔を振りまいている姿を見て、少しだけ声をかける。

 今回、私が大注目しているのがmotarrad39だが、そこに行きケニーにフランス語、
ルーカシュにチェコ語でgood luck にあたる言葉を掛ける。酒井大作君は私の
英語とイタリア語は聞いたことがあるのだろうが、フランス語とチェコ語は初めて
だったはずである。

 緊張感が高まってくる中で目にしたのが先ほど感動的な開会宣言を行った
FIM会長のイポリート氏。motulの偉い人と英語で会話して名刺交換をしていたのだが
motulの人が離れてサポートチームの方に行ったところを見計らって、先ほどの
開会宣言に関して素晴らしかったし、感動したとお伝えする。

 会長自身はちゃんと話せれたのか少々の不安感があったようだが、私もそうだし
日本人のレースファンはしっかり理解できたし、内容も素晴らしかったとお伝えする。

 がっちり握手して、『一緒にこの日曜日のレースデイを楽しみましょう』とお言葉を
かけていだだきお別れする。

 私はピットに戻り、ジャンルカ・ヴィッツィエッロと共にスタートを見送る。
いよいよスタートである。

 
 この続きは後編で。

 
 

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