昨日に続いて、我が愛しのカブで名古屋から鈴鹿へと走る。
改めて鈴鹿サーキットというのは行きやすい場所だと思うし、海外からの
お客さんやチーム関係者がサーキット入りするにしても難しくない場所だなと
感じる。

 ホテルへ行き、マウリツィオと合流。車内での話題というのはここ日本で開催
されている八耐ではなくて、ミザノアドレアティコで開催されているイタリア選手権である。
ルカ・ビターリは好調なようで何よりだが今回の参戦クラスはナショナルトロフィー。
ある意味負けられない戦いだと思う。

 パドックに入ると、四耐スタート間近。グリッドから戻ってきたスタッフが道具を整理して
いたり、キャンペーンガールが歩いている。金曜日から来場している人は少ないだけに
土曜日のサーキットを実感する。

 そのキャンペーンガールのうち、同じチームで三人揃ってスモーキングエリアで
タバコを吸っていた。まぁ、隠れて吸って火事が起きては困るがどうどうと企業のロゴ
が入ったウェアでタバコを吸うところを見るのは珍しい光景ではある。

 私は四耐には縁がないので、八耐参加チームのエリアをうろつく。
前日の予選でホンダエンデュランスチーム、GMT、SERT、team motoraad39の
四チームがトップテンに入らなかったのは意外で驚いたが、ここが地元で
サーキットを知り尽くしていて、全日本やテストで何度も走る人と年に一回くる
チームやライダーでは大きな違いがあるのだろうか。ある意味、世界選手権の
レースであるが特殊なレースであるのは間違いない。

 四時間耐久の間、ジャンルカ・ヴィッツィエッロのところに行く。
彼は今回、代役という立場での出走ということになっているが、走るとなれば
流したりこなすということをよしとしない。そんなわけで高速コーナーでのバタつき感
やチャタリングが出るところが治らないところ、ピレリタイヤが合わない部分に
不満足である。

 こういった話というのはチーム力に立脚している部分があるので、ないものねだり
をしても仕方ないし、持っているマテリアルやチーム力で解決したり、ある程度
妥協してなだめながら走らなければいけないのだが、彼の求めるセッティングや
タイヤが入手できないのが木曜日と金曜日のフリー走行と予選の走りとなっていて
私と会うなり

 『このサーキットは好きだから、来年もここで走りたいからどこか他のチームを紹介
してくれないか』

 などと言う有様。周りがイタリア語がわからないから平気で話してしまうということと
私相手だとオープンに言ってしまうということなのだろう。

 同じようなことはエミリアーノ・ベルッチにも言えて、もっとかっ飛ばしたいが
マシントラブルにマテリアルの不足だったり、チーム力の低さが重なって、やりたいこ
とができない状態。日曜日が思いやられる展開である。

 ピットウォークが始まり、多くのファンと同様にピットを歩く。土曜日で四耐のあと
ということもあって、すごい人である。そして、チーム、メーカー、スポンサーに
キャンペーンガールがいるので、これだけのチームが出走するとものすごい
キャンペーンガールの数。この時期に仕事のオファーのないキャンペーンガールと
いうのは何か問題があるのか、絶対に外せない用事があるのだろう。
私も喜んで撮影する。

 ピットウォークが終わり、ジャンルカ・ヴィッツィエッロとともにパドックレストランに
入る。今回は天丼を頼むが彼にはあまり合わないようで半分ほど食べてあとは
チームパドックに戻ってバナナを食べるという。まぁ、ヨーロッパのレースだと
ホスピタリティがあって、チームもまずいものやライダーに合わないものを用意
したらまずいから、食に困らないが、ここでのレースではホスピタリティがないので
彼にとってはこの部分はしんどい状況だろう。

 そんな彼でも変わらないのは女好きの部分で同じパドックレストランで
キャンペーンガールの姿を見て、カワイイ子に声をかけている。まぁ、イタリア人、
とりわけ南の連中はカワイイ子、きれいな人を見たら声をかけなければ失礼だと
思っているので彼からすると当然のことなんだろう。

 AGVのマウリツィオと再び会う。私が十年ほど前に新垣敏之さんがこのレースで
戦っていた時に話をしていて、日本人ライダーでパートナーが見つからなかった時に
誰を推奨するかと言われて私が出した名前がロレンツォ・アルフォンシ、
ロレンツォ・ランツィ、アイルトン・バドビーニ、パトリック・フォスタレックといった
名前であったことを話す。まぁ、メーカー系のチームではなくて、独立したチームで
あまり払えない状況で走る機会、日本のメーカー関係者がほぼ全て来場する場所で
アピールするチャンスは与えますよという背景の中でのライダーのチョイスだが
前述の名前は割にいいメンバーだと言っていただいた。

 さらにマウリツィオから、もし、これが今年の八耐の前だったら、誰をピックアップ
するのか尋ねられて出した名前は前述のライダーにプラスして

マッシモ・ロッコリ、ヤマハやチームとの契約的な縛りがない場合のリカルド・ルッソ、
アプリリアがOKを出した場合のクラウディオ・コルティというもの。

安くて、リッターバイクの経験があり、色々なメーカーのタイヤで走ったことがある
ライダーでいきなり、そのシーズンのメーカーのマシンとは違うメーカーのマシン
にまたがり、違うタイヤメーカーのタイヤで走ってもアジャストできるライダーとなる
とこういったところになるし、私が交渉を進めやすくてサーキットでのオーガナイズ
なども容易にできるような人たちだと話すとかなり納得していました。

 まぁ、同時にここで挙げたライダーというのはマシンはお金をもらって乗るか
最低限、お金やスポンサーを持ち込むべきではないという考えを有している
ライダーでそれ故に年間を通した契約が結べない時は浪人していたり、
誰か転んで怪我をしたり、契約のもつれなどで空席が生まれた時に走る用意が
整っている、走れない時でもモトクロスをやったり、フィジカルトレーニングを
して、急な交渉になっても体一つですぐにサーキット入りできる人たちでもある。

 長い文章になったので、ここから先は次回のアップロードしたところで。

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