先々週のオートバイ世界耐久選手権ポルトガルラウンドのポルティマオ12時間
ではチェッカードフラッグが振られた時の差がコンマ0081秒。
記憶に新しい日曜日の自動車レースのルマン24時間レースではパドックのトヨタの
エンジニアも同じチームのドライバーも全てのジャーナリストも世界中のファンも
信じて疑わなかったトヨタの初優勝が残り3分で終わりを告げました。
こんなレースが内包する美しさとむごたらしさを二週続けて見て、今週は
MotoGPのアッセンです。

 テニスが好きな人にとってウィンブルドンのセンターコートはワンアンドオンリーの
特別な場所です。

 車の耐久レースを愛する人にとってはルマンという場所は聖地と言える場所でしょう。

 オートバイのレースが好きな人にとって北オランダにあるアッセンという街の
駅から6キロほどの距離にあるアッセンというサーキットはテニスファンにとっての
ウィンブルドンであり、自動車レースのエンスージアストにとってのルマンのような
場所です。

 近年のサーキットというのはやはり安全性を考えて、デザインがされて、
その結果、ストップアンドゴーのようなサーキットが多くなっています。

 短いストレートとそれを繋ぐスローコーナーや中速域のカーブでレイアウト
されている場所が多いなと思ってしまいます。

 ところがアッセンは時代によって改修されたところは多いのですが、それでも
ロングストレートがあり、スローコーナーがあり、ハイスピードコーナーがあって、
ライダーの技量が求められるし、マシンのトータルな性能が必須の場所です。

 パドックで色々な人と話をしていて、アッセン以外のほとんどのサーキットは
タイムというものが70%が車体、エンジン、サスペンション、タイヤなどの
テクニカルなもので残りの30%がライダーの腕であるということを口にします。

 しかし、このアッセンではハードウェアが60%でライダーの能力が40%の割合で
タイムに反映すると言う人が多いですね。そして、中にはこの割合が50-50だと
話す人もいるくらいです。

 そんなライダーの能力や技術が必要なうえにこのオランダという国では天気が
非常に変わりやすい。

 そうなるとライダーが正しい判断をしたり、チームがしっかりとマネージメントして
天候条件や路面温度、雨の量と降雨の時間帯を理解してマシンのセットアップや
タイヤチョイスをしなければいけない。

 サーキットには全ての美しいファンタジーと多くの醜いリアリティが存在します。
この二週間、レースファンの私はそれを実感してきました。

 オートバイレースの聖地と言われるアッセンという場所で果たして美しいものが
見られるのか、あるいは醜い状況を目にするのか。楽しみな週末ややってきます。

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