テレビ朝日の『ワールドプロレスリング』に放映権保有の有効性を感じる。

　テレビ朝日が新日本プロレスが絶好調の時も暗黒時代でも『ワールドプロレスリング』
の放送を止めなかったのは理由があるのでしょうが、番組の枠や時間帯が変わっても
放送を続けてきたことで得られたことを最近、非常に強く感じています。

　テレビ朝日が放送しているスポーツ番組というと野球やサッカー、ゴルフを思い浮かべるのですが、基本的にインドアで開催されるプロレスの大会で収録をする。
となると『ワールドプロレスリング』を放送していることで体育館で番組制作する
経験や技術を蓄積することができる。

　そして、払ってでも見たいというマニアにはライブでCSチャンネルで長い放送時間で
番組を作って放送する。

　地上波では現行のテレビ朝日の編成の関係で深い時間帯で番組時間が限られて
いるが、30分番組で放送する。

　地上波で放送できなかったり、カットした試合をBS朝日でディレイで一時間枠で
じっくり流す。

　一つの番組制作で地上波、BS、CSとマルチユースできることに加えて、ウェブでの
放送をしたり、3Dでの収録をして映画館で上映したり、DVDの製作、販売などを
行うとなるとレギュラー番組の地上波の放送での視聴率が低くても、これは色々な
意味で権利を保有しておいたほうがいいという判断をテレビ朝日サイドがしている
気がしますね。

　同時にインターネットでの定額見放題サイトで全世界のプロレスファンに
自社の制作した映像が届いて、インターナショナルなマーケットで儲けることが
できるのが可能になれば、これはある意味理想的なワンリソースマルチユースが
具現化する。

　そして、今までの映像の蓄積が金のなる木になる。

　釣りの番組が視聴率が低くても、釣りファンが『あの曜日、この時間はあの番組を
見よう』ということでスポンサーが喜び、視聴者に製品を訴求できることで番組が
続いていますが、そこにはワンソースマルチユースということはないのでしょうが、
『ワールドプロレスリング』にはかなり経済活動が付随しているような気がします。