QFに残った八人のプレイヤーを見た時に果たしてどれだけのテニスファンは
フラビア・ペンネッタとロベルタ・ビンチの決勝を考えたことでしょうか。
イタリア人でも願望は持っていても、まさか、この二人のマッチアップが
具現化するとは思っていなかったことでしょう。生まれ持った天才的な感覚や
誕生した時から理想的な骨の太さや筋肉を有した人だけがグランドスラムイベント
の決勝のコートに立つわけではなくて、いわゆるふつうの人が努力と研究と
根性でUSオープンの優勝を争います。

 それにしても、イタリアはスポーツといえばサッカー、F1、MotoGPと
いったジャンルがポピュラーでそこにオリンピックイヤーはオリンピックで
開催されている競技が加わるという認知度ですが、さすがにこの歴史的な
ファイナルはトップニュースとなり、マッテオ・レンツィ首相も急遽
ニューヨークに向かうことになりました。

 世界的なスポーツイベントでイタリア人二人が決勝に残るということを
スポーツがある程度文化として浸透している国であること、マッテオ・レンツィ
が選挙で選ばれたわけでなくて、政局で選ばれたわけだから、フットワーク
の軽さを持っていることを印象づけてローマオリンピック誘致活動に進もう
という野望が透けて見えますが、フラビア・ペンネッタとロベルタ・ビンチが
大活躍しなければ、首相も通常通りの公務を進めたのは事実。

 イタリアでの大きな化学変化や地殻変動を強く感じます。

 果たしてどんな戦いになり、どちらが勝つのか楽しみです。

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