まぁ、死に損ないは強いというか、醜いリアリティの後には美しいファンタジィ
が待っているというか、カミーラ・ジョルジのWTA大会初優勝には色々な意味を
感じましたね。
http://www.ubitennis.com/blog/2015/06/14/wta-shertogenbosch-camila-giorgi-spezza-la-maledizione-primo-titolo-in-carriera/

 QFでの重いリアリティがあふれるタフマッチ。彼女はシュベドーバ相手に
何と23本のダブルフォルトを犯し、三つのマッチポイントをカザフスタン人に
握られながら勝ち切りました。

 諦めが悪いというのは美しいというか、何かが機能しなくても違うカードを
見つけてそれを利用して勝利に結びつけるというか、凄まじい闘魂というか
負けない強さというか、彼女の強い部分とまずい部分が同居した試合でしたが
このマラソンマッチを勝ち切りました。

 死に損ないは強いというのは確かで、死んでいたら土日の試合はないし、
まずい部分が出たが、勝ちのこれれば修正のために時間は取れるわけで、
何が足りなくて、何が必要かを理解して、しっかりと改良作業をしてきた
カミーラ・ジョルジは土日に素晴らしいプレイで勝利して初タイトルを獲得
しました。

 そこで思ったのは、モータースポーツの世界で戦っているライダーのこと
ですね。

 200キロオーバーのスピードでクラッシュしたライダーがいます。
その中で行動様式は二つに別れて、一つは映像なんか見たくなくて、
エンジニアやメカニックやチームマネージャーがいるピットに戻るのを遅くする。

 もう一方はピットに戻り、ひどいクラッシュの映像をじっくりと見て、
技術系のスタッフとパソコンにある車体やエンジンのデータを見て、
それこそタイヤ、プラグ、チェーン、ブレーキといったメーカーのエンジニア
なども交えてじっくりと話をして、二度とこういうクラッシュをしないために
何が必要で何が足りなくて、何を加えればいいのかを話し合う。

 私の想像ですが、カミーラ・ジョルジはライダーやドライバーでいうと
後者のタイプで23本のダブルフォルトを犯した試合の映像を見て、どこが
おかしくて、何を治すべきか考えて修正したのではないかと思いますね。

 まぁ、死に損ないは強いし、成功体験よりも失敗体験の方が教科書になる
と思えたオランダでの彼女の初優勝でした。

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