4度の250ccクラスのタイトルを獲得し2度のスーパーバイク世界選手権の
王者となったマックス・ビアッジがミザノアドレアティコとセパンでの
スーパーバイク世界選手権のレースにアプリリアのマシンで走ることが
正式に発表になりました。
http://www.gpone.com/en/2015061117159/Biaggi-torna-in-sella-a-Misano-non-penso-al-podio.html

 これは非常にいいニュースですね。イタリアは学生はもうバカンスに入った
時期でリゾート地近くのサーキットで開催されるレースに元世界チャンピオンが
走る。今季、イタリア人ライダーにあまりいいところがなく、アプリリアや
ドゥカティがカワサキの強さに引き離されてしまっている中で
マックス・ビアッジというスーパースターがサーキットで走るというのは
明るい話題です。

 ただ、マックス・ビアッジ本人はことレースでの戦いという部分では楽観視は
していなくて、明らかにリアリスト。表彰台圏内というのは難しいと口に
しています。

 まぁ、彼のレーシングキャリアを見てみると、チーム、マシン、スポンサー、
開発体制など勝つために必要なピースが何か欠けていると勝てないということを
示していました。今季のここまでの戦いを明らかに支配しているのは
カワサキですね。現在のあのチームにはいいマシンも戦う体制もライダーの
スキルも開発体制もあるという中で、群雄割拠にならずに昨年タイトルを
奪ったアプリリアが離されていること、シルヴァン・ギュントリという
世界王者と言えどもここまで劣勢であることを見ているとマックス・ビアッジ
は優勝とか表彰台ということをリアルに考えることができないのでしょう。

 かつてのように野望や負けず嫌いが表にでることはないのでしょうが、
彼がイタリアのサーキットで走ることには商業的な大きな意味がありますし、
マレーシアというスクーターがあれだけ走っている国というのはピアッジョ
グループにとっても大事なエリアなわけで彼が走ることで色々な意味で
地殻変動や化学反応が起きるのは事実。おそらく彼が世界選手権レベルで
走るのはこれが最後となるでしょう。彼の走りを見て、考えたり感じることは
レースファンにとって素晴らしい楽しみです。

 マックス・ビアッジはすでにミザノアドレアティコでの復帰の『道』を
思い描いています。そして、偉大なるリミニの映画監督がニーノ・ロータ
の音楽を得た時に流麗な映像を創造しました。マックス・ビアッジが
アプリリアのマシンと共に私たちに『甘い生活』を届けることができる
のでしょうか。私は彼の『インテルビスタ(=インタビュー)』を
フェデリコ・フェリーニが生まれたリミニから発信されるのを楽しみに
待っています。

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