スーパーバイク世界選手権のスペインラウンドからいよいよ併催レースも始まる。

　スーパーバイク世界選手権のヨーロッパラウンドというとスーパーバイクと
スーパースポートだけでなくて、ストック600選手権とストック1000選手権も併催
されて、レースウィークに世界レベルのバトルとこれから世界を目指すという連中の
戦いを見ることができます。もちろん、そこには色々な意味で野望や欲望が溢れています。

　今年のスーパーバイク世界選手権に参戦しているのはカワサキ、ホンダ、スズキ、
アプリリア、ドゥカティ、BMW、Buellとなります。どこのメーカーも利幅が大きくて
メーカーのイメージが高いフラグシップモデルの戦いで勝利することを考えていますし、
その開発を進めています。

　この戦いにかつて存在して、現在は参戦していないのがヤマハ。そのヤマハは
実にカッコイイことで全世界のバイカーが注目しているリッターバイクを発表して
世界中のバイクファンの関心を集めています。

　ヤマハは以前、当然のことながらR1でスーパーバイク世界選手権に参戦して
いました。様々な事情があり、撤退したのですが、R1は発表された。そして、スーパーバイク世界選手権のヨーロッパラウンドでのレースで併催されるストック1000選手権に
多くのチームとライダーが参戦します。そして、国内選手権ではスーパーバイク
クラスで戦います。
http://www.gpone.com/2015040716440/Yamaha-torna-in-pista-con-il-tutto-esaurito.html

　これは来季へのテストを兼ねた参戦であり、ストック1000選手権での戦いという
のはある意味、若手ライダーのオーディションを兼ねているものと推測できますね。

　私もスーパーバイク世界選手権のヨーロッパラウンドのレースに何度も足を
運びましたが、そこでバイクメーカーだけでなくて、部品メーカーも技術畑の人
とマネージングサイドの方々もいらして、目の前のことを議論するだけでなくて
近い未来の関しても討論したり、交渉する。ストック1000という触れる範囲が
少ないクラスで速かったり強かったりするというのはバイクの基本性能が素晴らしい
ことであるし、同時にそこでいいタイムを出したり、際立つ走りを見せるライダーは
ステップアップさせたいと思う人も出てきます。

　スーパーバイク世界選手権とスーパースポート世界選手権も気になりますが、
ヤマハの傑作バイクが併催レースでどんな速さ、強さを見せることになるのか。
スーパーバイク世界選手権関係者が集い、ライバルメーカーの目が光るなかで
行われるストック1000選手権でどんなレースを若くて元気のある連中が見せるのか
テストであり、オーディションであり、実験であり、他社との比較対象が行われる
場所でどんなタイムや順位となるのか、ヤマハのファンだけでなくて、世界中の
バイカーやレースファンが気になる今季の戦いが始まります。