プロレスラーで一時代を築いた天龍源一郎が引退することを決めました。
http://www.nikkansports.com/battle/news/p-bt-tp0-20150208-1431850.html

 この時期に記者会見を設けるということはおそらく、相当な可能性で引退を
決めたということなのでしょう。これで本人は辞めるが、よく似たマスクマンは
引退したわけではないということだったら、ものすごいアングルなのでしょうが、
長年の激闘のダメージというのは大きいものがあるのでしょう。

 スタン・ハンセンの晩年は動いているうちについつい観客が腰の具合を
気にしながら見ていました。ビル・ロビンソンのキャリアの終わり頃は膝の状態に
客が焦点をあてていました。どんな立派なプロレスラーでも衰えはやってきますし、
引退の時期はあります。

 痛みの伝わる激しいプロレスというのは体に対する代償も当然大きいものが
あります。天龍源一郎のプロレスは激しい攻撃も厳しい受け身もあり存在していたの
ですが、同時に彼の背景が見るものに激しい感情移入を持ってリングで輝いて
いました。

 私はSWS時代の彼に関しては好きではありませんでした。つまり、この時期の彼は
ライバルに恵まれていたとは思えません。しかし、全日本でジャンボ鶴田と戦って
いた時やWARという団体を率いて新日本プロレスのレスラーと戦っていた時などは
背負うものや強力なレスラーとのぶつかり合いなどを見てとても素晴らしいものを
見ることができました。

 ジャンボ鶴田との戦い、新日本プロレスのレスラー達とのバトル。巨大な敵を
相手にした時の彼の動きや佇まいに魅力を感じました。何かもがきながら、体を
使って表現する姿にお金を払ってでも見たいというものを感じました。

 今の彼はおそらく自らのフィジカルコンディションにもがきながら、最後の最後に
大きな花火をあげようとしているのでしょう。どんな最後を見せるのか注目したいと
思っています。

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