99年のもてぎのパドックでレッドブルヤマハのピーター・クリフォードとライダーの
サイモン・クラファーとそこにやってきたウェイン・レイニーがタイヤの違いについて
話し合っている姿を思い出しました。

 スーパースポート世界選手権で素晴らしいシーズンを送っているフローリアン・マリーノ
がMoto2クラスで苦戦しています。

 持っている実力が発揮できない場合、何かが合わなかったり狂っていたりしていることが
あるのでしょうが、スーパースポートで優勝争いしているライダーがここまで低迷している
というのはまったく合わないものがあるのでしょう。

 スーパースポートの所属チームのポニーエクスプレスインターモトのヨゼフ・クビシェックと先日電話で話したのですが、どうもタイヤの特性に関して彼はアジャストできない
らしい。

 これは歴史的にも何人ものライダーにあったことですね。

 ダンロップで速かったがミシュランではダメダメだったサイモン・クラファー、
ベン・ボストロムというのは典型的な例だったと思います。日本のファンには原田哲也
のヤマハの250の最終年はミシュランでインドネシアで優勝しましたが、他のサーキット
では実力を発揮できず結局、タイヤメーカーの決断をしたウェイン・レイニーと喧嘩別れ
のような形でチームを離れました。

 また、かなりMotoGPでタイトルに近づいた玉田誠でしたが、ブリヂストンからミシュラン
にスイッチして結果、成績が下降線をたどりました。

 タイヤメーカーやサスペンションメーカーというのは各メーカー特徴があり、チーム
の変更やカテゴリーのスイッチによって、それまで使っていたメーカーから同業他社
に変わることが当然あるのでしょうが、それにアジャストできる人もいればトップライダー
でもできない人がいます。

 ひとつのタイヤメーカーのタイヤの特徴的な部分、長所をうまく利用してタイムを
稼いできた人や開発に関わってきた人ほど他社に変更した時に違いに戸惑ったり
してアジャストできないのかなと思いますが、現在のフローリアン・マリーノはまさに
かつてのサイモン・クラファー、ベン・ボストロム、原田哲也のたどってきた道を後追い
してしまっているように思います。

 

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