USオープンは多くの日本人のテニスファンが錦織圭の歴史的な勝利を望みながら
見ていたのですが残念な結果になりました。願望が現実化する時としない時もあり、
テニスコートには美しいファンタジーと醜いリアリティも存在します。クロアチア人は
マリン・チリッチの勝利から美しいファンタジーを感じ、日本人は錦織圭の敗戦から
醜いリアリティを実感しましたね。私はそのファンタジーとリアリティを見ながらチケットを
買う立場からこの決勝のことを考えていました。
http://www.ubitennis.com/blog/2014/09/09/cilic-nishikori-us-open/

テニスを見るのが好きな人、テニスマニアが大会をお金を払って見に行く時に
考えるのはQFのチケットのことですね。

 つまり、そのウィーク、当該の大会で調子のいいプレイヤーの八人が勝ちあがり、
QFを戦い、その後、SFに進み、さらにファイナルへ向かう。

 QFというのは好調なプレイヤー八人が四つの試合をする。当然のことながら、
調子がいいからいい試合になる可能性が高い。運が良ければ四つとも素晴らしい
試合になる。そして、少なくとも一試合は好勝負になる。そして、チケットはファイナルよりも
安い。

 ファイナルというのは勝ち進んだ二人が栄冠を目指して戦います。調子のいい二人が
すごいバトルを戦うということもあります。しかし、真逆のことも起こりえます。

 一人のプレイヤーは絶好調で思い通りのプレイができる。その一方でもう一人の
プレイヤーが決勝までに疲れ果ててしまい、最終日に足が動かなかったり、頭が
働かないということもある。

 前者がいいファイナルであり、後者が悪いファイナルですね。

 テニスを見ているといいファイナルもありますが、悪いファイナルも存在します。

 今日の錦織圭は明らかに動きが鈍かった。体が重たかったり、足が動かなかった
ことは本人が否定するか肯定するかは別にして、SFまでのゲームに比べて
コートカバーリング能力が落ちていたと思います。

 こんなこともあるから、テニスマニアはやはりで試合が多くて、安くて、色々な
プレイヤーを見られるQFの日のチケットを求めますね。使えるお金、たくさん
見たいという欲望がチケット購入に結びつきます。QFの錦織圭の試合のチケット代
は安かったかもしれませんし、他のプレイヤーの試合も面白かった可能性も
高いです。

 まぁ、好勝負も二つ見ると大満足だけど、三つ見るとかなりお腹いっぱいで
四つ見ると疲れるけどね。でも一つしか見られない高額なチケットで絶好調の
プレイヤーが疲れているプレイヤーにキラーショットを連発して、文字通りキラー
スピリットを持ってとどめを刺すのはウィナーのファンにとってはいいかもしれないけれど
ニュートラルだったり、敗者の方のファンにとっては重苦しいリアリティにあふれる
敗戦を受容するだけの(それはこのスポーツにつきものですが)チケット代がなんとも
高いものだと思えることになりますね。

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