日本だけでなくて、世界中にファンのいる錦織圭が素晴らしい活躍でUSオープンの
決勝に進みました。そこで思うのはかつてのロランギャロのフランチェスカ・スキャボーネの
決勝進出の時のイタリア国営放送のRAIの決断ですね。

 イタリアという国ではプレイヤー人口も結構いて、テニスクラブもかなりある。
しかしながら、大会の放送はほとんどが衛星放送による有料放送です。

 まぁ、これはテニスという競技が試合時間が長かったり、放映権料が高かったりという
こともあってなかなか地上波での放送に適していないということもあるのでしょう。

 しかし、フランチェスカ・スキャボーネがロランギャロで決勝に進んだ時に歴史的な一戦を
払ってでも見たいというテニスファンだけでなくて、興味はあるが、衛星放送を見るまで
の気持ちはないという多くのイタリア人のために動いたのはイタリアの国営放送のRAIでした。

 女子シングルスの決勝戦のフランチェスカ・スキャボーネ対サマンサ・ストーサーとの
試合をRAIは急遽生中継。

 そのため、地上波放送でミラネーゼの美しい勝利を多くのイタリア人がテレビで
観戦することができました。

 イタリアにはいいところも悪いところもありますし、RAIの考え方や方向性に議論が
あるのも事実です。しかしながら、いいところもある。そのいいところの一つは決断が
できる。融通が効く。そして、大局的であり、スポーツ番組に理解があるというところですね。

 このブログを書き始める前の段階で日本の地上波放送の予定はありません。
色々と動きがあるが表に出ていないのか、動いたが地上波放送の実現ができなかった
のか、あるいはまだ交渉の途中なのかわかりませんが、私の頭のなかでは
RAIの即断即決と彼女の素晴らしい勝利のことです。

 かつてはNHKが放送し、その後TBSが放映権を獲得して流していましたが、現在は
衛星放送のWOWOWのみです。皆様のNHKという言葉を流通させているNHKが放送
してくれるのか、テニスの中継の実績のあるTBSがやるのか、よそがやらないことを
やることが好きなテレビ東京が考えているのかわかりませんが、地上波放送での
番組が可能であれば多くの日本人のファンは見ることができて大きな出来事になる
ことでしょう。

 長い試合時間、各局の編成の問題、高い放送権料など難しい問題やクリアすべき
課題があるとは思いますが、地上波で見られたらフランチェスカ・スキャボーネの
ロランギャロ優勝の時のような素晴らしい週末をRAIの映像を通じて国民が共有できた
なと思いながらどうやって男子シングルスの決勝を見ようかと考えている私です。

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