タフマッチを制して、錦織圭がニューヨークでベスト8入りを決めました。
日本人男子がベスト8に進出したのは、はるか昔の92年まえのことですね。
http://www.nikkansports.com/sports/news/f-sp-tp0-20140902-1360383.html

 日本にはテニスの商品を作っているメーカーがある。プレイヤー人口もいる。
コートもそれなりにある。一定の規模の町だったらテニスクラブも存在する。
そんな国からUSオープンのベスト8に入るプレイヤーがなぜ今まで出てこなかった
のでしょうか。

 モータースポーツの世界の片隅にいる私は錦織圭はかなり色々な意味でモーター
スポーツの世界であるトライアンドエラーとかテストというものをしたように思いますね。

 バイクメーカーや部品メーカーがこれはいいだろうと考えて作られたバイクや
サスペンションやタイヤ、プラグ、チェーンというものを実際にいいかどうかを
サーキットで走らせてデータを取って、エンジニアやメカニックの理想が正しいの
だろうか確かめてみる。

 技術系の人が考えた正しいと思えることや発想がライダーのライディングスタイルと
合致していいタイムを出せるのだろうか、出せないのだろうかを確かめる。
また、ライバルメーカーのタイムと比較して、どこが秀でていて、どこが劣るのかを
確認する。

 そこから実際に走るライダーのライディングスタイルとマッチして、いいタイムを
出せるかどうかを確認してさらなる改良を進める。

 その開発の作業において、失敗体験というのはある意味、マシンやパーツやタイヤを
良くするいいたたき台となります。

 ある意味、いいライダーがどんなセッティングでも一定の水準以上のタイムを記録すると
これは何が正しくて何が間違っているのか技術サイドはわからなくなります。

 日本人男子プレイヤーが90年以上もUSオープンのベスト8に入れなかったのは
暗黒の歴史だと思うのですが、そこには失敗体験がたくさんあり、今までの日本人
男子プレイヤーが何をしなかったのか、何ができなかったのかを精査して、そこから
やるべきことや正しい方向を導いたのだと思います。

 プロテニスプレーヤーと言ってもグランドスラム大会の二週目にプレイする人もいれば
ずっとフューチャーズやチャレンジャーレベルの人もいるのですが、前者をいいお手本に
して、後者を反面教師というか、モータースポーツの世界におけるトラブルシューティング
のようにしてここまで来たのかなという思いが強いですね。

 それにしても、今までの日本人男子の多くのプレイヤーは何をしてきたのか、
何をしなかったのか、何が足りなかったのだろうかと思いますね。それを突き詰めたのが
錦織圭と彼の周りのスタッフだと思うのですが。
 

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