当然のことながら、駄作は製作者や映画会社が権利を放棄したり、保存や二次利用に
消極的だったりしますが、傑作や名作は見たい人もいるし、届けたり儲けたいという人や
組織が存在しますね。

 伊丹十三監督作品は彼が生きていた時から見ていました。彼の監督としての一作目の
『お葬式』を見て、面白かったのですが、彼は商業性と作品性の高い次元でのミクスチャー
に成功していました。

 ここのところの中国の工場から明らかになった期限切れの鶏肉の問題を目にして
私の脳が反応したのは彼の『スーパーの女』を見ていたからでした。

 ファストフードが好きな人は若年層に多く、伊丹十三氏の自殺は1998年。彼の生前の
姿を知らない人も多いことでしょう。

 しかしながら、傑作は彼の死後も残り、DVDで見ることができます。
彼の考えたことと食の安全、製造者や流通業者の姿、消費者の姿勢などは
あの作品に詰まっています。

 笑ったりぞっとしたり、面白かったり悲しかったりすることができる傑作です。
食育という言葉がポピュラーになる前の時代でのあの作品のコンセプトと製作
した方向性は素晴らしいことですね。

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