内外のメディアで取り上げられていますが、MotoGPの唯一のタイヤ供給メーカー
のブリヂストンですが、来年のシーズン終了以降に新たに契約を更新することなく
サーキットを去ることになるという発表をしました。このことで想像したのは阪神の
近年の株主総会での株主の発言や質問です。

 阪神での株主総会というのは、ここのところ、阪神タイガースの活動に関して
作戦であるとか、成績に関してとか、お金の使い方などに色々な声が出ていて、それが
報じられています。

 私はこのことというのはいいことだと思っています。株主からすると、お金を払って
阪神の経営が成立していて、その阪神がグループの象徴であり、お金を生み出したり、
イメージを高めている球団のアクティビティに意見を言ったり、アイデア出しをすると
いうのは正しい姿だと思いますね。

 ブリヂストンという会社というのは、大きな規模の会社であり、そこには全世界の
資本家や投資家の眼なり耳が向いていると思いますね。そして、このメーカーが大きな
動きなり活動をした時にそれが正しいのかどうか、支持できるものかどうかというのは
国籍や民族や性別を問わずに多くの方々が関心を抱いているはずです。

 MotoGPというのは、エンジンに関するレギュレーションを大きく変更した時に環境保護
を考えて4ストロークを導入したということがありました。

 でもって、そのエンジンを積んだバイクに金曜日や土曜日に予選専用タイヤという
ものが装着されていました。

 サーキットの客席やパドックを歩いていて、思ったのは、日本では多くのレジャー施設
において、3Rというのが言われていて、ゴミの分別収集がされているように思うのです
が、リサイクルやリデュースやリユースということを考えていないような場所が多いと
思います。

 ブリヂストンの首脳陣や株主がサーキットに行って、ブリヂストンの商品を環境保護
に強い意識を抱いている消費者が購入していて、その利益が大きな割合を占めている
とするなら、サーキットでの『当たり前』を『これはおかしい』と考える可能性も高い
でしょうし、『これはおかしい』に人やモノやエネルギーを費やすことは会社として
良くないと理解するかもしれません。

 また、東日本大震災の年の開幕戦は震災からそれほど時間が経過していない時期に
カタールで行われましたが、日本ではまだまだ仮設住宅や学校の体育館で寝泊まり
していて、余震に怯えながら、未来に不安を抱きながら生活していた人も数多くいました。

 カタールでレース前に『日本のために』ということで黙祷が行われましたが、その後に
とんでもない電力消費でナイトレースが行われました。

 契約や縛りというのはビジネスの世界の中で重要視するべきですが、あれを見て
レースは好きだが、レースの世界のオーガナイズは日本とはかけ離れているとか
レースの連中は冷たいとか無理解だと思った人もいたかもしれません。

 そんな人がブリヂストンの株主だったとしたら、Jリーグの方向性や実際の決断を
見て、ユーザーのこと、日本のことを考えているスポーツイベントなりチームの
アクティビティに宣伝、広報の予算を振り分けたほうがいいだろうという印象を抱いても
不思議ではないでしょう。

 今回のMotoGPでのブリヂストンの決断を読み、ブリヂストンの首脳陣の考えや
株主や取引銀行などに何が影響したのだろうか、阪神阪急とタイガースとの関係性を
思い浮かべながら色々と想像した私でした。


 

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