テニスを見るというとテレビでの観戦とか東京と大阪での大規模大会のことを想像する
人が多いのでしょうが、賞金規模は小さいのですが、地方都市でも大会が開かれていて
世界のテニスを感じることもあります。岐阜、福岡、久留米、軽井沢という四週連続の
女子のチャレンジャーシリーズが始まり、名古屋人の私は岐阜の大会を見に行きます。
http://www.itftennis.com/procircuit/tournaments/women’s-tournament/info.aspx?tournamentid=1100031218

岐阜の大会というのは西濃運輸が大会の冠スポンサーに付いていることもあって
カンガルーカップという名称になっていて、岐阜市もバックアップしていることもあって
公共の施設で開催され、入場無料。そして、日本の四週間のチャレンジャー大会の前に
中国や韓国でのチャレンジャー大会もあり、移動の容易さもあって、これから世界を目指す
プレイヤーや怪我などでランキングを落とした人やジュニアからのステップアッパーが
戦います。

 そんなレベルの大会には現在のトッププレイヤーは出場しませんが、未来のスターや
怪我や病気などでランクを落としてカムバックを目指す連中がハングリーガッツを持って
戦っていて、見ていて楽しいですね。

 プレイヤーとのコミュニケーションというと大規模大会しか見たことがない人というのは
トッププレーヤーがコートから退場するときにファンが駆け寄る中で必死になってサインを
もらおうとして人垣ができている姿を思い浮かべるのでしょうが、この岐阜から始まる
大会というのはクルム伊達公子が出場した場合は例外として、他のプレイヤーとは
普通に話ができたり、質問をぶつけたり、写真をお願いしたりできますね。

 そして、今年の岐阜のカンガルーカップですが、賞金規模が大きくなりました。
そんなわけでプレイヤーのレベルも上がり、大規模大会には予選から戦わなければ
いけなかったり、トッププレーヤーと一回戦でぶつかる可能性があり、ツアーのポイント
の獲得が難しいと考えている100位から250位ぐらいのレベルのプレイヤーがかなり
来ます。

 この辺りのプレイヤーというのは何かのきっかけで一気にランクアップする人だったり
怪我や病気で実力と乖離したランクだったり、ジュニアからプロのツアーを回り始めて
戦っていた大会数が少ないから評価とランクに違いがあるという人が結構いるので
実力はあったり、しばらくしたらトップ100に入ってきたり、戻ったりというような人が
多いですね。

 私やテニスファンや大会関係者はサム・ストーサー、フラビア・ペンネッタや
マリア・エレナ・カメリン、ヤルミラ・ガイドソーバ、アナ・イヴァノビッチ、
プリシュコーバツインズなどのプレイを見て、その後の成長を感じて幸福感を感じた
ように新しい発見があるのがこの大会です。

 昨年の岐阜ではアン・ソフィー・メスタッシュが鮮やかで激しいプレイで優勝して
そこから翌週の福岡、久留米と準優勝でポイントを稼ぎ、330位ほどのランクを
一気に三週間で200位まで持ってきました。その彼女が130位ぐらいのランキングで
ディフェンディングチャンピオンとして、賞金規模の大きくなった岐阜にやってくることは
彼女のこの一年の成長を間近で見られて本当に楽しみです。(昨年、優勝した後に
移動の手伝いをしていて、彼女もコーチももう、五万ドル大会はこの日本の三週間で
おしまいで、上のカテゴリーで戦うと話していたので、もう、岐阜では会えないと思って
いましたが、賞金規模があがった岐阜にやってくることは望外の喜びですね)

 クルム伊達公子の参戦が果たしてどうなるのかということがあり、集客能力の高い
彼女の足の具合が大会関係者やスポンサーには気になるところでしょうが、特定の
スターを見ることが好きな人ではなく、テニスという競技が好きで、なおかつ、未来の
スターのガツガツした競り合いを見たい人、週末にプレイする人で見るのはシングルス
だけれども、やるのはダブルスという人にとってはダブルスの試合を見て学べること
は大きな意味があります。そして、私のテニスライフを振り返ると、少しの行動力と
言語能力があれば、プレイヤーやコーチと友人、知人関係を築くことができて、
いろいろな意味で幅が広がるということもあります。

 様々な思いを抱きながらテニスジャンキーの私は名古屋から岐阜に通います。

コメント