桂枝雀のエピソードにモータースポーツの世界のエンジニアを重ねあわせる。
2014年4月21日 スポーツ BS朝日で好評だったためか、桂枝雀の落語人生を振り返る番組が再び、日曜の
夜という見やすいいい時間帯に放送されました。そこで思ったのはモータースポーツで
マシンや部品などの開発担当者のことでした。
http://www.bs-asahi.co.jp/shijaku/
桂枝雀という人は、落語にストイックに向かい、常に高いレベルのものを求めた人
でした。関係者の方々、同じ一門の人がそのように証言していて、思ったのは、私の
歴史や経歴、立場からモータースポーツの世界での開発担当者のことでした。
舞台において、桂枝雀の話芸で大爆笑となっていて、周りの人は素晴らしさに感嘆し、
面白がっていたり、羨ましいと思っていたのですが、本番を終えて、楽屋に戻る途中や
楽屋での桂枝雀は不満足だったり、不足の部分を感じていたり、改良点を口にしていた
ようです。
これというのは、実は結構、サーキットでも感じることが多かったりします。
開発担当者が担当したマシンが優勝していても、マシンが最高のパフォーマンスでは
なかったり、コンピュータでシミュレートした最高のタイムと差があったり、テストレベルでは
可能であったレベルに達していない状況で優勝した時に彼らが感じるのは満足感では
なくて、不満足感であり、欠如感だったりします。
また、開発担当者サイドが考える最良のマシンというものがあっても、それがライダーの
好みやサーキットの特性と異なるときに非常に困ったこととなります。
非常に明快でわかりやすいのが、ドゥカティの開発担当者とバレンティーノ・ロッシとの
コンビの暗黒の二年でしょう。
開発担当者は彼が考える最良のマシン、エンジンを作り上げた。これがボルゴパニ
ガーレでのシュミレーション通りに行けば、ホンダやヤマハに勝つことができる。
彼らは当然、そう考えていました。
しかし、ライダーの好みの乗り味と違ったり、彼の好きなマシンの特性でなかった
時にワールドチャンピオンとは言え、トップ争いはできなくなる。
速いと思われるマシンを用意したのに速く走れないのはライダーの能力の欠如だったり
モチベーションの欠如なのか。
それまで速く走れたのに、ドゥカティで中団グループで埋もれてしまっていたのは
マシンが悪いのか。
結局、暗黒の二年を経て、ライダーも開発担当者もメーカーから離れることになりました。
勝っているメーカーでは、あまり報じられることは少ないのですが、やはり、開発担当者
がいいと思って仕上げたバイクが思っているほどのタイムを出せなかったり、マシンの
長所を生かせなかった時というのは不満足感が宿るようですが、それが敗北したり
惨敗した場合に実績をあげてきた担当者はライダーだったり、タイヤメーカーだったり
に不満をぶつけることがあるのでしょう。
結果がすべてのレースの世界で勝てても不満足だったり、負けたら厳しい立場に
追い込まれる開発担当者の方の姿を桂枝雀にかぶらせて見ていた私でした。
夜という見やすいいい時間帯に放送されました。そこで思ったのはモータースポーツで
マシンや部品などの開発担当者のことでした。
http://www.bs-asahi.co.jp/shijaku/
桂枝雀という人は、落語にストイックに向かい、常に高いレベルのものを求めた人
でした。関係者の方々、同じ一門の人がそのように証言していて、思ったのは、私の
歴史や経歴、立場からモータースポーツの世界での開発担当者のことでした。
舞台において、桂枝雀の話芸で大爆笑となっていて、周りの人は素晴らしさに感嘆し、
面白がっていたり、羨ましいと思っていたのですが、本番を終えて、楽屋に戻る途中や
楽屋での桂枝雀は不満足だったり、不足の部分を感じていたり、改良点を口にしていた
ようです。
これというのは、実は結構、サーキットでも感じることが多かったりします。
開発担当者が担当したマシンが優勝していても、マシンが最高のパフォーマンスでは
なかったり、コンピュータでシミュレートした最高のタイムと差があったり、テストレベルでは
可能であったレベルに達していない状況で優勝した時に彼らが感じるのは満足感では
なくて、不満足感であり、欠如感だったりします。
また、開発担当者サイドが考える最良のマシンというものがあっても、それがライダーの
好みやサーキットの特性と異なるときに非常に困ったこととなります。
非常に明快でわかりやすいのが、ドゥカティの開発担当者とバレンティーノ・ロッシとの
コンビの暗黒の二年でしょう。
開発担当者は彼が考える最良のマシン、エンジンを作り上げた。これがボルゴパニ
ガーレでのシュミレーション通りに行けば、ホンダやヤマハに勝つことができる。
彼らは当然、そう考えていました。
しかし、ライダーの好みの乗り味と違ったり、彼の好きなマシンの特性でなかった
時にワールドチャンピオンとは言え、トップ争いはできなくなる。
速いと思われるマシンを用意したのに速く走れないのはライダーの能力の欠如だったり
モチベーションの欠如なのか。
それまで速く走れたのに、ドゥカティで中団グループで埋もれてしまっていたのは
マシンが悪いのか。
結局、暗黒の二年を経て、ライダーも開発担当者もメーカーから離れることになりました。
勝っているメーカーでは、あまり報じられることは少ないのですが、やはり、開発担当者
がいいと思って仕上げたバイクが思っているほどのタイムを出せなかったり、マシンの
長所を生かせなかった時というのは不満足感が宿るようですが、それが敗北したり
惨敗した場合に実績をあげてきた担当者はライダーだったり、タイヤメーカーだったり
に不満をぶつけることがあるのでしょう。
結果がすべてのレースの世界で勝てても不満足だったり、負けたら厳しい立場に
追い込まれる開発担当者の方の姿を桂枝雀にかぶらせて見ていた私でした。
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