この時期のテニスの世界はアメリカでのハードコートのビッグトーナメントに注目するのですが、フラビア・ペンネッタが決勝に進出して私の楽しみは増え、アドレナリンが上がっています。

 一年前は手首の故障からの復帰が思うような成果を上げずに彼女はキャリアの危機を
感じていました。

 以前も20位台に上がったあとにトップ100陥落の危機を迎えて、難しい局面だった時期に
彼女のプレイヤー人生の厳しい日々がありましたが、そこを乗り越えてトップグループに
戻ってきて、さらに躍進しイタリア人女子プレイヤー初のトップテン入りを果たしました。

 しかし、二年前は素晴らしいシーズンを送りましたが、手首の怪我と手術。そして、リハビリ
を経てコートに戻ってきた時に彼女が感じたのは現代テニスの進化と変化でした。

 半年の不在の間にテニスは進化し、ライバルの成長や何かを掴んだ無名のプレイヤーが
一気に躍進して、勝ち味を覚えて鮮やかなプレイを見せる。そんな中で手首のことを
気にかけながら脳の指令と実際の動きの表現の中に微妙な違いと違和感を感じながら
プレイして敗戦が続き、彼女は昨年の同じ大会の期間中に引退も考えたそうです。

 その彼女がオーバー30となり、果たして戻れるのだろうかと心配するファンが多かった
のですが、USオープンでベスト4。年明けのオーストラリアでベスト8。彼女は戻って
来ました。

 そして、今回のトーナメントはタフな大会になり、厳しい戦いになると思われましたが
ジョルジとのダービーマッチをほぼ完璧なプレイで隙を見せずに勝ちきり、オーストラリア
では敗れてしまったリ・ナとの戦いを高い集中力をキープして勝利しました。

 イタリアの、そして世界中のフラビア・ペンネッタファンは非常にうれしいニュースを目にしていました。もちろん、私にとってもとても嬉しかったですね。

 私と彼女との関係性というのはちょっと特別なものがあります。まぁ、日本人の私が
リミニなまりのイタリア語を話したら、かなりシンパシーを感じてくれたということも
ありましたし、私は彼女が187位だった時に未来が不透明な中でとにかくものすごい
闘争心を抱いて戦っていたところを見ていました。

 テニスファンの多くが金を払ってでも見たいと思うのは凡才の努力ではなくて天才の
ひらめきです。

 しかし、凡才の努力は見たくはなくても、『フツーの人のとんでもない努力』は尊いし
払ってでも見る勝ちのあるものだと思います。

 フラビア・ペンネッタは肉体的それほど恵まれているわけでもなく、とんでもない技術
を有しているわけでもありません。

 しかし、彼女の素晴らしい闘争心と野望と根性は素晴らしいものがあります。
そして、そのことが彼女をトッププレーヤーにのし上げて、さらに手首の故障からの
二度目の鮮やかな復活へとつながりました。

 さあ、世界中のフラビアファンが君の勝利を願いながら画像を見ながら応援しています。
君の笑顔が見られる楽しい日曜日になってほしいものです。

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