世界選手権レベルでイタリアのMVアグスタのマシンが優勝するのは37年以上も
前のジャコモ・アゴスティーニがニュルブルクリンクの旧コースで勝ったとき以来でした。

 超スプリントレースということになってしまったオーストラリアでのスーパースポートクラスの
レース。激しい接近戦の中でトップ争いの四台のうち、誰が勝ってもおかしくない展開でした。

 そんな中で冷静に戦況を見つめてジュール・クルーゼルがトップに立ち、巧みに後続
を抑えて勝利を上げました。

 ちょっと涙が出ましたね。イタリアのマシンが世界選手権で勝つというのは日本の巨大
メーカーの人やモノやお金や技術といった様々なファクターをぶち破る必要があるわけで
そこで大きな壁に阻まれてしまうことは容易に想像できます。

 イタリアの小さなメーカーの大きな勝利というのはイタリアのバイカーやレースファンに
とって非常に大きなものでしたね。

 今回の勝利はかなり運が良かったものですが、勝ち運を抱くには適切な場所に
ジャストのタイミングでいないと得られないものです。彼らは開発を続け、世界に挑み
そして、マシンの戦闘力を上げて、勝利に対して挑戦を続けて、勝つために必要だった
幸運をフィリップアイランドで手に入れました。

 ホンダ、ヤマハ、カワサキが強いスーパースポートクラスですが、MVアグスタの鮮烈な
勝利で今シーズンはさらにおもしろくなりそうです。

コメント