かねてから噂になっていたマルコ・メランドリの去就ですが、来季はアプリリアで
スーパーバイク世界選手権で参戦することが公式に発表になりました。

 BMWの衝撃的な撤退発表。それに伴う業界内の地殻変動の中でマルコ・メランドリと
彼のマネージャーは難しい時期を過ごしました。

 ホンダとの話し合い、カワサキでの可能性など色々なことが報道されましたが
今年の最終戦のレースウィークになって濃厚な話として出てきたのはアプリリアを
走らせるというものでした。

 イタリア人ライダーがイタリアのマシンで走るということ。それはメーカーは
自国での市場を考えると自然なことでもありますし、イタリア人ライダーも求める
ことでしょう。

 メランドリは今までのキャリアの中でアプリリアを走らせていたこともありました。
彼がグランプリの250ccクラスを走っていた時に唯一の世界タイトルを獲得しましたが
それがアプリリア時代でした。

 その後、ホンダ、ヤマハ、BMWでMotoGPやスーパーバイク世界選手権を走って
きましたが、何度か噂にはなりましたが彼がイタリアのドゥカティやアプリリアを
走らせることは今までありませんでした。

 ドゥカティの来季は既にダビデ・ジュリアーノが決定していて、メランドリが走る
可能性はなくなってしまった。今年、アプリリアはトム・サイクスとカワサキの
コンビ相手に最後の最後まで競り合いを続けました。

 メランドリがチャンピオンマシンであるカワサキで走れない。そして、イタリアの
バイクのドゥカティに場所がないということになると戦闘力があり、イタリアのメーカーで
話を進めやすいアプリリアということになったのでしょう。

 ピアッジョ傘下になり、良くも悪くもイバーノ・ベッジョ、ヤン・ウィットーベン、カルロ・ペルナット
のスーパートライアングル時代とは異なる会社風土になった現今のアプリリアですが
レース活動が社として非常に大きな地位を占めているのは当然です。
しかしながら、ピアッジョなり資金援助、資本参加している組織や会社の意見というものを
時に飲み込み、時に反論しながらレース活動をしなければいけないのは事実。

 やりやすさとやりにくさが同居するアプリリアで果たしてマルコ・メランドリがどんな
走りを見せてくれるのでしょうか。

 私と彼との関係ですが、もう十年以上になります。
人間関係ですから、近い時期も少し離れた時期もありましたが、それでも今なお
いい空気感を感じています。

 昨年のブルノで彼が優勝した時に表彰台の前で私がイタリア国歌を歌っている
姿を覚えているレースファン、メランドリファンも多いことでしょう。
(その前の年もやっていましたが)

 今年の中盤のBMWの撤退表明以降、時々しか輝くことができなかった彼が
来季こそは二度目の世界タイトル制覇を成し遂げるのか、アプリリアは今年
メーカータイトルは獲得しましたが、ライダー選手権はトム・サイクスとカワサキに
奪われました。覇権奪還のためにどんなマシンを出して、どんな戦いをするのか
興味はつきません。

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